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技術士建設部門【河川、砂防及び海岸・海洋】の傾向と対策//選択科目Ⅱ・Ⅲの出題傾向と国土交通白書のテーマの相関

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技術士建設部門 選択科目Ⅱ・Ⅲ【河川、砂防及び海岸・海洋】
出題傾向と国土交通白書のテーマの相関

【当ページ掲載記事の要旨】--------------------■
・選択科目Ⅱ-1【河川、砂防及び海岸・海洋】出題傾向と国土交通白書のテーマの相関
・選択科目Ⅱ-2【河川、砂防及び海岸・海洋】同上
・選択科目Ⅲ 【河川、砂防及び海岸・海洋】同上
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注記)noteのテキストエディタでは表の作成が困難であるため、一部の記事は.doc又は.xlsをダウンロードする形式としている。

🟦選択科目Ⅱ-1の出題傾向と白書との相関

選択科目Ⅱ-1は専門知識が問われる設問であり、令和2年度の出題を例にとると、4問のテーマは、
・河道流下断面の維持管理
・貯水池の土砂管理
・土石流と土砂・洪水氾濫
・海岸堤防の特徴と天端高さの設定
であった。

設問は、受験者の専門性に配慮して、河川の分野から2問が、砂防から1問、海岸・海洋から1問が出題されている。2問目(Ⅱ-1-2)はダムに関する設問が中心であるが、令和2年度では貯水池を対象としているが、ダムの土砂管理も含めた広い視野での解答が望まれる。

選択科目Ⅱ-1の設問の多くは時流を踏まえたテーマとなっている。例えば令和2年度の3問目は、毎年度出題されている土砂災害に関する設問であり、土砂・洪水氾濫は平成30年7月西日本豪雨を受けて国土交通白書2019に追記されているとともに、同白書2020でも頻出しているキーワードである。内容は容易であり、実務経験が十分でなくても専門知識があれば解答できるレベルである。

選択科目Ⅱ-1【河川、砂防及び海岸・海洋】令和2年度の問題
出典)日本技術士会

一方、1問目の河道流下断面の維持管理も旬なテーマではあるが、維持管理の手間に加えて対策を検討する際の留意点を2つ以上など、令和元年度までに比べると詳細な条件が付されている。2問目の貯水池の土砂管理でも調査・観測の目的や項目、内容のほか、「留意点を2つ以上」と記されている。4問目の海岸堤防も専門知識だけで解くのは難しく、実務の経験が必要となる。

基本的な知識で答えられる設問が多かった令和元年度までに比べると、近年は難度が高まる傾向にある。令和6年度においても、出題分野の構成に大きな変化はないものの、個々のテーマは時流を踏まえ、広い範囲から出題されるとみられる。過去問の出題テーマを確認したうえで、関連する周辺の知識や施策の動向も押さえておきたい。

例えば、「河川砂防」で定番の防災・減災の分野では、利水ダムの洪水調節への活用が重要なテーマである。さらに、基本的な知識だけでは解答できない設問が増える可能性もある。主要なテーマや施策の留意点も述べられるように備えておくと、応用能力を対象とした選択科目Ⅱ-2の対策にも役立つはずである。

🟦選択科目Ⅱ-2の出題傾向と白書との相関

令和2年度のⅡ-2の2問は、令和元年度に続いて、いずれも防災・減災の分野からの出題であった。1問は水害・土砂災害に対する警戒避難体制の整備が、もう1問は被災地の再度災害の防止策がそれぞれのテーマであった。警戒避難体制の整備がⅡ-2のテーマとして出題されたのは初めてである。直近では、堤防の建設などのハード面だけでなく、ソフト面の対策を重視する傾向になり、「河川砂防」でもハザードマップなどのソフト面の施策についての設問が頻出している。ソフト面の施策は時事性の高いテーマであり、警戒避難体制の整備は国土交通白書2019のコラムでも取り上げている。

選択科目Ⅱ-2-1【河川、砂防及び海岸・海洋】令和2年度の問題
出典)日本技術士会

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