地方大会を見に行くということ

今年は過去に例のないほどに、東京以外でプロ修斗の大会を見に行った。
大阪3回、沖縄1回、広島1回、高松1回…高松には12月にもう1回行く予定なので、計7回もプロ修斗を地方に見に行くってのは、人生初だし、今年で最後の出来事。そんなん、毎年は無理やで。

とにかく、今年は可能な限り修斗の試合を見ようと思って、多少どころか相当無理したこともあるけど、東京の大会だけでなく、地方にも行ってみた。

画像1

そもそも、僕は地方大会まで見るほどのマニアでもなく、東京の大会だけでも十分良い試合がたくさん見られるので、積極的に行く必要もなかった。まぁ、結果だけ追えばいいや、くらいで。

しかし、ここ数年、地方のジムから強い選手が出てくるようになって、修斗ではアマ修の決勝や、プロ修斗の新人王トーナメントの決勝が地方ジム同士で争われることも少なくない。
比較的衝撃的だったのは、2015年の田丸選手の新人王MVP獲得で、あの年は、松嶋選手が獲るものと思っていた。何しろ、田丸選手の新人王トーナメントの試合、東京で見てないんだから。
でも、結果として、田丸選手がMVP獲得。その判断は、翌年の大里戦、漆谷戦の勝利で説得力をもたせることになった。
東京でもなければ、大阪でもない、岐阜のジムからこんなすごい選手が出てくるんだなってのは、良い衝撃だった。

そんな経験があって、地方大会にも注目するようにはなったけど、まだ足を運ぼうとまでは思わなかった。

少し話を変える。

逆に、地方から東京に試合を見に来るファンはどれくらいいるだろうか。
地方ジムの選手からチケットを買って、一緒に上京して応援に来るというパターンは想像できる。
では、ジムや選手とつながりがなく、純粋なファンとしてプレイガイドでチケットを買い、試合を見に来るファンは?
そういう人もいることは、twitterなど見てればわかるけど、RIZINならともかく、トラディショナルなキック団体、MMA団体の興行ではそんなに多くはない。

それはなんでかなー…と考えるまでもないことかもしれないけど、やっぱりお金がかかるってことがある。交通費、チケット代、場合によっては宿泊費も。それらのコストが、観戦の楽しさでペイできなければ、「もったいない」って気持ちになるのも無理はない。
好きなものにコスト感覚が出てしまうっていうことは、単純に、そこまでして見に行きたいと思わせる魅力が足りてないっていうことでもあると思う。

格闘技のチケット代って、数千円から数万円、もっと高いチケットもあるけど、いずれもポンポン気軽に出せるような金額でもない。
格闘技は好きでも、交通費+宿泊費+チケット代で数万円出して、片道3,4時間かけて移動して、会場ではパイプ椅子や狭いシートに座って数時間ほど格闘技を見て、終わったらホテルに行くか直帰か…確かに、これでは余程試合が面白くなければ、気軽に行こうとはなりにくい。
数万円あれば、近場の温泉旅行に行ったり、しゃれたレストランで美味しいものを食べたり、下手したら海外旅行にも行けるし、ちょっとした贅沢ができる。しかも、それらならば格闘技なんか知らない、興味もない友達や家族も呼びやすいでしょう。

結局、自分が見に行かなかった理由も、それが大きい。
東京が格闘技の中心であることは紛れもない事実で、良い選手が集まり、良いカードが組まれるから、レベルが高く、面白い試合が見られる。しかも、旅費も宿泊費もかからない。
いわば、安いコストで良質なコンテンツが確保されるという贅沢に慣れている状態で、あえてお金をかけて地方まで行こうっていう思いはなかなか起きてこない。

でも、東京に進出してくる強い選手を生み出しているのは地方大会なんですよね。そこで揉まれてくるからこそ、東京で活躍することもできる。また、惜しくも敗れて東京には出てこなくても、強い選手もいるはず…。
ならば、やっぱり地方大会はもっと見ておくべきではないか…って、話が振出しに戻るわけです。

で、ここからの考え方は人によると思うのですが、「格闘技だけを見に行く」って考えると、やっぱり数万円の出費は大きいんですが、格闘技の試合を見て、その街の観光もする、地元の名産を食べたり飲んだりするって考えれば、まぁ、普通の旅行なんですよね。
もっと言うと、観光旅行に格闘技の試合が組み込まれるって思えば、昼なり夜のコアタイムが興行で使えなくなるだけで、あとは自由にすればいい。

そう思ったら、今年は高松とか広島とか、あまり行ったことのない街に行くチャンスだし、せっかく行くなら楽しもうって思って、いろいろ見て、食べて、遊んできたのが、今年の遠征。

画像2

画像3

地方大会のプロモーターは、地元のお客さんに集まってもらえれば収支的には十分かもしれないけど、せっかくなら東京や大阪から客を呼んで話題になれば、選手も注目されるし、注目されればやる気も出るでしょうから、レベルアップにつながると思うんですよね。

一番大事なのは、良い選手を集めて良いカードを組むことだけど、あわせて、観光ツアー的に見どころを提供してくれたら、お客さん的には、旅行として行きやすくなるんじゃないかな、って小学生並みの発想でドヤ顔して書いてみた。

長くなったので、とりあえずこの辺で。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?