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芭蕉でパナマ帽を編む

今帰仁村で開催されている「ハチウクシ染織展」へお邪魔した。
「ハチウクシ」とは、旧暦のお正月からの2〜3日に行われる、新年の仕事始めの儀式のこと。沖縄では旧暦の元旦を新年としてお祝いする習慣が残っている。みなさん「あけましておめでとう」と言っているのが少し不思議で新鮮だった。

今帰仁村には沖縄を代表する伝統工芸の作家さんたちが多く住んでいる。「ハチウクシ染織展」には、藍染、紅型、芭蕉布の作家さんたちの作品が展示がされていた。

会場の一角で、エクアドルに渡ってパナマ帽の販売を手がける福島りえさんが、パナマ帽制作の実演をされていた。芭蕉という植物を使って無数の繊維を編んでいく。じっと手元を見ていても、何がどう変化していっているのかわからないくらい、少しずつ少しずつ編まれていた。

画像は、りえさんが見せてくださった写真集の表紙。
エクアドルの、パナマ帽作りの日常が美しくまとめられていた。

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María Emilia Moncayo Hurtado「Senderos de Toquilla」

パナマ帽の、一枚の布のような繊細さにとてもとても感動したのだけれど、この写真集の内容にはさらに魅了された。

帽子作りと一体となった暮らしが美しく描かれ、工業製品にはない何ともいえない温かさがあった。こんな風にパナマ帽の世界を感じ取って、その目に映している人々がいることがさらにすばらしい。福島りえさんもそのお一人。

こうしてすてきな作り手さんたちとすぐに会えるところも、この村の魅力の一つ。


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