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無数のシラサギが一夜で消えた? 【オヤジの観察 #8】

近所の大きな公園、駅から徒歩10分、利便性よく近隣住民に愛用されている。 
広大な芝生広場に寝ころび、ドッグランで犬を遊ばせ、雑木林ではさまざまな植物とのふれ合いを楽しめる。
ガラス張りの施設、広場では大小多くのイベントが開催され、休日は弁当持った家族連れで終日にぎわっている。 

公園は特徴ごとに5つのゾーンに分かれていて、妻と二人、日々、動植物を観察しながら散歩している。
最初に踏み入れるのは自宅から徒歩20分のCゾーン、中央に大きな防災用の調整池があって、「水の景」と称し多くの水鳥が飛来する。
このゾーンは遊歩道を挟んで閑静な住宅地となっている。


リゾート感覚の住宅街

この街に転入した6年ほど前、街の探索がてら初めてこのゾーンに足を踏み入れ遊歩道を歩いた。
すばらしい環境だね。 景色がいいし、とても静か、ここに住んでいる人達がうらやましい。」
「横は公園でプライバシーが確保されるし野鳥観察も楽しめる。 毎日がリゾートね。」

公園に隣接したリゾート感覚の住宅地

遊歩道から外れて、少し池の方向に降りていくと野鳥の観察スポットがある。
観察場にはのぞき窓が開けられた大きな板塀が設置されて、鳥をおどかさないように体を隠して観察できる。
池に定住、または飛来する様々な野鳥の紹介ボードは体や鳴き声の特徴などがわかりやすく観察の参考になる。 
冬場にはオオハクチョウが飛来することもあるそうだ。

野鳥観察場(体を隠して窓から観察できる)

2月の下旬ごろだったか?窓から覗いてみると数種類のカモ達が静かに水面に浮かんでいた。
とても静かでおだやかな光景だった。


鵜のコロニー(集団繁殖地)

それから数年経った頃、いつものCゾーンを歩き始めると、妻が顔をしかめている。
「なにかいやな臭いがしない?」
「クンクン」、たしかに腐ったアンモニア?のような生臭いニオイが鼻をつく。
毎日歩いているので、その微妙な変化に気がつかなかったが、池を囲む雑木林に多くの鵜が巣をつくり、黒い姿が水面を飛び回っている。
よくみると雑木林の木々の一部はフンで白っぽくなっているようだ。

すると、近くに住む夫婦の話し声が聞こえてきた。(オヤジの空想です)
「最近、だいぶ鳥が増えてきたようね。 少し臭いが気になるんだけど、あなたはどう?」
「大した臭いじゃないよ。 それだけ自然が近いってこと。」
「そうね、駅も近いし、景色もいいし、これだけの立地ってなかなかないものね…」
ここに住めて幸せだね🙂」


シラサギのコロニー

さらに時が経った昨年、Cゾーンを歩いていると、妻がクビをかしげている。
「最近、鵜が目立たなくなってきたわねー、シラサギが増えてない🤔?」
「確かに黒より白が目立ってるね。 臭いも以前に増してきつくなっているかな?」
Cゾーンから池をぐるっと回って対岸のエリア、 
池越しに雑木林を見ると無数の白い点が見える。 

無数の白い点がシラサギ

日が落ちる前の夕暮れ時、シラサギの群れは遠空から次から次へと現れては雑木林に吸い込まれていく。
これほどまでに増えると、臭いだけでなく乾燥したフン、羽などが舞い上がって近隣住民の健康被害まで心配になる😟。
一方、住民の不安を知ってか知らずか? シラサギは巣をつくり、ヒナをかえし、その勢力は日に日に勢いを増していく。


無数のシラサギが消えた

そして秋を迎えた頃、コロニーのある対岸を歩いていると、妻が驚いた顔をしている。
「見て、シラサギが全く見えない😲」
「エッ、エッ、なに、なに😲」
無数のシラサギが突然消えた、
確か、昨日見たばかりの無数のサギ、いったいどこに消え去ったのか?

自宅に帰ってさっそくYahoo検索、
サギには数種類あって、一部のサギは渡り鳥、冬を向かえる前に南アジアに帰っていくらしい。
それにしても無数のサギが一夜にしていなくなるなんて?
全てのサギが同時に気候の微妙な変化を感じ取って一斉に帰り旅をするとも思えぬし、それともリーダーがいて号令をかけるのか🤔?
あるグループが飛び出したのを見て、他のグループも追随するのか🤔?
無数のシラサギの一斉南帰行、さぞや壮観だったろう。


巨大化する鵜のコロニー

シラサギが消えるのを待っていたかのように増えたのが鵜、そのスピードたるやすさまじかった。
フンで白にペイントされてゆく雑木林、どんどんと濃い白色へと変わっていく。

鵜のフンで白くペイントされた雑木林

「キィー、キィー、キィー…」
無数の巣で成長している無数のヒナ達大きな声で鳴いている。
このヒナ達が巣立つことを想像すると空恐ろしい。
今年の夏ごろには池の周囲はすべて鵜の住み家と化してしまうのか?

鵜の群れ/巣の中で大きな声で鳴くヒナ

いつもの遊歩道、散歩していると近くに住む夫婦の話し声が聞こえてきた。 (全くオヤジの空想です)
「もう、モォー、我慢できないわ、この臭い。吐き気がする😰」
「・・ったく、この増え方異常だよ。役所はなにやってんだよ😤」
「道の真ん中に邪魔なフェンス付けやがってさ、そんな金あったらこっちの対策に使えよ。少しは優先順位考えろっての😤」
「風でフンとか羽が飛んでくるから洗濯物は内干し、窓は締め切り、空気清浄器はつけっぱなし、子供は外で遊ばせないように!わかった😫」
「雑木林の木をすべて切り倒して、池も埋めて欲しいわ😫」 
もー、自然ヤダッ! 都会に引っ越そうかな?」


これまでの変化をまとめると、

★ 静かでおだやかな公園の光景、リゾート感覚の住宅街に住む人達は幸せそう(6年前)
   ☟
★ 鵜が増えて悪臭が気になり始めるが、住人はさほど気にする様子はない(数年後)
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★ 雑木林が無数のシラサギで覆われ、鵜の存在感が低下(昨年8月半ば)
   ☟
★ 無数のシラサギが一夜で消える(昨年秋)
   ☟
★ シラサギに代わって鵜のコロニー(集団繁殖地)の急速な拡大、住民は害鳥対策を期待する(昨年末から今年にかけて)

いつもの散歩、我々は鵜の住む近くを避けて回り道、数年断つとこんなにも環境って変わるのかな🤔?
はじめ見た頃うらやましく思っていた公園に隣接した住宅街、今となっては、住民が逃げ出したいと感じている?
時が経てば環境も変わる。予期せぬ未来が待ってることもある。


そういえば、いつぞやTVで住宅地近くのシラサギのコロニーの特集をやっていた。 ”近隣住民が悪影響を受けていたので、樹木を伐採してどこか他の場所に移動させた”…というような内容だった。
ひょっとして、昨年大量発生したシラサギ、どこかの対策でコロニーが移動してきたものかもしれない🤔?
となると、今年、また、この公園に戻ってくるのかな🤔?
それとも、あまりに巨大化した鵜のコロニーを前に営巣をあきらめて別の場所をさがすのか🤔?

それにしても、自然は不思議、公園の変化に目が離せない。

『以上はオヤジの大まかな観察記録、認識・確認・理解不足による間違いがあるかもしれません。ご了承ください。』

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