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コンジローマ最近多くない??

最近よくコンジローマを焼灼しているHashihiroです。
正式名称は尖圭コンジローマ。よく知られている性感染症の1つですよね。
どういうわけか、私が勤務する大学病院に最近紹介で受診される方が増えています。
よくない傾向ですよね〜、そこで少しまとめてみようと思います。


尖圭コンジローマとは

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染による性感染症の1つです。男女とも主に性器周辺に感染する、再発の多い性感染症ですね。
症状としては、鶏のトサカあるいは、カリフラワー様として表現されるイボが性器や性器周辺に現れます(↓簡単ですが書いてみました)。

オーラルセックスを含む性交渉で感染しますが、HPVが付着した手や器具が、傷口や口腔内や膣をを含む粘膜に触れることでも感染します。
つまり、口腔内や唇、喉にも感染し得るのでコンドームだけでは完全には防げないんです。。
しかも潜伏期間が数週間から6ヶ月と長期間に及ぶため、いつ感染したか、また誰に感染させてしまったか特定することが難しくなるケースが多々あります、、

そして女性に感染した際に気をつけなければならないのが、母子感染です。
未治療のまま出産した場合、産道で母子感染し、新生児の喉にイボができてしまうことも、、最悪の場合は呼吸困難に陥ります。。
ですので、しっかり予防・治療が必要です。


HPVのローリスク・ハイリスク

尖圭コンジローマの感染源であるHPV、実はとても型が多いんです(180種類以上あるみたいです)。
そのうち、尖圭コンジローマを引き起こすのはHPV6型・11型が多いと言われています。
さて、このHPVにはローリスクとハイリスクがあり、6型・11型はローリスクに分類されますが、これは何のリスクでしょうか。
それは、癌です。
ハイリスク型HPVは癌化することがあるのでしっかり予防治療啓蒙が必要です。
特に16型・18型は子宮頸癌の原因ウイルスになります。
また、16型は中咽頭癌の原因ウイルスとしても知られており、最近性交渉による16型感染が増えているようです。

ですので、HPVワクチン接種がWHO(世界保健機関)からも推奨されています。
しかし、このワクチンにはすでに感染したHPVを排除する効果はありません。もちろん治療効果もありません。
もし尖圭コンジローマに感染した際、HPVのどの型なのか、ハイリスク型なのかどうかを知りたい方は専門クリニックでのタイピング検査(どの型かわかる検査)を受けることをお勧めします。


治療法

主に2つの方法があります。保存治療(塗り薬)と外科治療(切除や冷凍凝固)です。
やはり皆さんまずは塗り薬での治療を希望される方が多いです。そりゃ切除なんて痛そうなイメージありますもんね、、
だけどこれが塗ってもなかなか完治しないんです。というのも、この塗り薬(ベセルナクリーム)はなかなか使い方が面倒臭く、途中で治療を頓挫してしまう方が多いからなんです。

外科治療は基本的には局所麻酔して切除もしくは焼灼するだけなので、治療時間は5分程度で済みます。
なので私としては最初から外科治療を勧めることが多いです、、
が、いずれにせよ再発することも多いので根気強い治療が必要です。

最近、尿道内(おしっこの出入り口付近)のコンジローマがものすごく多く紹介されて来ます。尿道内だとうまくクリームを塗れないし、簡単には外来での外科治療も難しいからなんですね。
ですから、一度感染すると厄介なので、しっかり予防しましょう。


紛らわしいフォアダイス

最後に、コンジローマに非常に似ているフォアダイスについて。
フォアダイスは主に亀頭の周囲にできるブツブツした粒のことです。
性感染症ではなく、男性の過半数に見られるので心配はいらないですが、自分で鑑別が難しい場合は泌尿器科を受診しましょう。


つらつらと書いてきましたが、わかりやく説明できたでしょうか。
もっと詳しく知りたい!とか、長すぎる!難しい!などあれば是非言って下さいね^^

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