本 感想

夜明けの全てを読んだ。

PMSとパニック障害に悩み生き辛い世の中で居場所を作り懸命に生きている二人とその周りの優しい世界のお話だった。映画はまだ観ていないけれど、脳内では上白石萌音と松村北斗で映像化して読んでた。
自分はPMSではダウナーになり泣くが、キレるタイプではないし、パニック障害になったことがないので、こんな苦しいものなのか、と胸が苦しくなった。
パニック障害になってすぐ山添くんが病院で心因性の発作であると診断された時に、山添くんは今までの生活にストレスは全く感じていなかったから疑問に思っていた。こういう時に使われる心って、自分の思考や感情の外にあって、傷のない身体に表れる症状みたいなものを指して使われるのが不思議。別に当人はそんなこと思っても感じてもいなくて、ただ体に起こったことなのに心の問題なんて釈然としない。あたまとこころで分けられることが多いけど、どちらかというとあたま≒こころとからだで分けるべきなんじゃないの。心って言い方をされると自分の本心みたいで嫌だ。でもからだと呼ぶのも医学的にはおかしいのかな。
もし山添くんの彼女のように、彼氏がある日パニック障害になった時に私は彼に寄り添えるだろうか。きっと私は山添くんの友人のように「気遣いさんだから疲れちゃったのかもね。」と声をかけてしまうだろうし、最終的には定期的にお誘いの連絡をするくらいしかできないかもしれない。相手の気持ちに寄り添うだけが相手のためになるわけではないって普段の私には思えず、私は藤沢さんになれないだろうから、せめてその時はこの本を読もうと思った。
考えさせられることも多く、心に沁みる良い本でした!

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