子どもの定型発達/発達障がいについて〈事例編〉〜人の話を聞くのが苦手なお子さん〜

私は日々様々なお子さんとかかわらせて頂いており、「人の話を聞く」事が苦手なお子さんが沢山います。

そのお子さんたちに共通する点は

1.過集中気味である

2.興味がある/なしが如実

3.自己中心的に見える

です。

男女ともにこの共通点が見られます。


このタイプのお子さんたちには、何度も同じ内容の話をそのお子さんに伝わるようにその都度工夫して説明していれば何とか覚えてくれますが、たまに「聞きたくないことは耳の穴が塞がっているのではないだろうか?」と疑いたくなるほど聞きません。というか本当に聞こえていません。

1.の【過集中】状態にあるため、本当に周りの声や音が耳に届いていないのです。

周囲の人間から見たら「無視された」と感じると思います。

でも、本当に本人は無視してるわけではなくて、目の前のタブレットだったり、本だったりに【過集中】しているために他の音が聞こえていないのです。

こういったお子さんの場合は声を掛ける時に肩をポンポンと優しく叩いたり、タブレットや本を持っている腕を軽くポンポンとしてみたり、テレビを観ているならテレビとそのお子さんの間に入ってから声を掛けるとこちらの存在に気づいてくれるので、こちらの声が届きやすいです。

また、明らかに聞こえているのに返事をしない場合はこちらの話に全く興味が持てないために、どう答えていいか分からず黙り込むことがあります。

これが2.の【興味がある/なしが如実】です。

興味があれば直ぐに返答が来ますが、興味が持てないと返答に困るため無言を貫きます。

この場合は怒ったり叱ったりするのではなく、「◯◯っていう知ってる?△△という意味だよ。」とその子に分かるように伝え直して再度返答を仰ぐと返答がきやすいです。

3.の【自己中心的に見える】

は自分がやりたいことは率先してやり、集中力を発揮するのに、その途中で話しかけられても返答が無いため無視しているとこちらの目には映り、「自分勝手な子だなぁ」という印象を受けると思います。


正直子どもは定型発達児だろうと発達障害児だろうと自分勝手なものだと私は思います。(最近の大人にも多いですよね!)

対処法は1.と2.を合わせてみて頂きたいと思います。

これらの場合でも

命に関わるような場合は

「お願いだからしっかり聞いて!ちゃんと覚えて!行きたい方向に行くときは必ず左右を見て車やバイク、自転車などがいないことを確認して!」

と強めに言い強制的に聞かせることは必要です。


この時、ナゼ左右の確認を怠ってはいけないのかの説明もします。

その説明にはそのお子さんの心に響くような話を盛り込むことが大切です。

例えば「今あなたが飛び出して目の前の車に轢かれてしまったら、あなたはとても痛い思いをするし、血がいっぱい出るんだよ。怖くない?もしかしたら死んでしまってもう2度とパパやママに会えなくなるよ。ママたち泣いてしまうよ?それでも良いの?」

などです。

ある程度のインパクトを持たせて想像力を刺激しないと、すぐに忘れてしまうという性質があるのです。

ただし、あまりにも過激な言い方や例え話は心の傷になるので避けてください。


ご自分のお子さんがあまり話を聞いてくれないタイプだなと思うことがあるなら、そのお子さんは保育園や幼稚園、小学校などでも同じだと思います。

そうなると、お友だちが離れて行ってしまったりして一人ぼっちになったり、担任の先生から「話を聞けない困った子だ」とレッテルを貼られてしまい、その子が学校に行くのが嫌になってしまうかもしれません。

これが不登校児に発達障害児が多い理由の1つです。

お子さんが小さなうちから「パパやママだけじゃなくて、先生やお友だちのお話をあなたが聞いてくれないとみんなが悲しい気持ちになってしまうから、ちゃんと聞いてほしい。」などと何度も何度もお子さんに伝えてあげることで改善されていくと思うので、諦めずに伝えて欲しいです。

何よりもそのお子さんの将来のために"今"出来ることを精一杯してあげて欲しいなと思います。

こちらの働きかけ方次第で発達障がいは度合いが改善していくものなので、保護者さんや保育者の方々には根気よく接してもらいたいです。

次回は別の事例について書きます!





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