子どもの定型発達/発達障がいについて

ベビーシッター歴10年以上の経験から見て


乳幼児を中心に小学校低学年までの子どもたちをベビーシッターとして見てきて感じる事は、「困った子ども/扱いにくい子ども」というレッテルを大人が貼ることで余計に大人にとって困った行動が加速されるという事です。


《大きく分けてこうした大人の対応には2パターンあります。》


2【厳しく躾しようとしすぎる】

「大人が甘やかすからこの子は調子に乗って我儘な振る舞いをするんだ」と思い込んで、必要以上に子どもの自由を奪って厳しく制約してしてしまうパターン。

前回は「甘やかす」ことの危険性についてのお話第3弾でした。

今回は「甘えさせる」についてです。


「甘やかす」事は百害あって一利無しということが前回までの記事で分って頂けたかなと思いますが、今回は「甘えさせる」ことの大切さについて述べていきたいと思います。


多くの大人は「甘えさせる」って「甘やかす」事と同じじゃないの?
と疑問を抱くかもしれません。

言葉はとても似ていますが、中身は全く違います。


前回までで「甘やかす」とどうなるかを書いて来ましたが、

「甘やかす」とは「何でもあなたの思うように、好きなようにやっていいよ」と言って世の中のルール的にダメな事も、倫理的にダメな事も宗教上ダメな事も全てにおいて「どうぞ」と子どもの本能の赴くままにやらせることです。


「甘えさせる」とは、子どもが新しい経験などを積んだ時に気持ちが揺れたりして誰か(大人)に頼りたくなった時に声を掛けて安心させてあげたり、何も言わなくても抱きしめてあげたり、子どもの話を聴いて受け止めてあげ、子どもの気持ちに寄り添ってあげることです。


必要なときに必要なだけ大人(大体は保護者)に「甘えさせて」もらった子どもは、自分の中にあった不安や恐怖と向き合い、解決は出来なくても「自分には味方になってくれる/支えてくれる安全基地の大人(保護者)がいるから大丈夫!」と自分の心を奮い立たせてまた新たな環境に挑む事が出来るようになります。


この体験が幼少期に十分にさせてもらえないと、「自己肯定感が低い子」や「無気力な子」、「極端に怖がりで分離不安症な子」などになることがあります。

「それだけなら大したことないんじゃない?」と感じる方もいるかもしれませんが、上記のような状態になってしまった子はとても苦しみます。

「何で自分は他の子と同じように出来ないのだろう?」とか「何で自分は他の子のように新しいことに挑戦出来ないのだろう?」とどんどんどんどん自分を責めてしまい、精神的に参ってしまったりします。
そうなるとますます悪循環に陥ります。

子どもが小さいうちは可愛くて可愛くて仕方なくて、それなりの年齢になれば子ども自身で判別がつくようになるだろうと甘やかしてばかりいる大人が意外と多いのですが、そういう大人はご自身が他力本願であり、自分で責任を取るということを考えていないのだと思います。
子どもに対して「小さくても一人の人間だから、しっかりした人間になるように育てよう」と大人が思うことがあれば子どもが可愛いからといって「甘やかして」ばかりはいないはずです。
つまり、大人が精神的にはまだまだ子どもだから漠然と「誰かが責任を取ってくれるだろう」と思っていたり、
「子ども自身で責任を取ることを覚えて欲しいから」などともっともらしいことを言うフリをして責任転嫁していたりするわけです。

困った子どもは困った大人が作り出していることもしばしば見受けられます。
このパターンの時は子どもが「発達障がい」なのではなく、大人が原因です。

「発達障がい」の子どもは甘やかされてるわけではなく、そもそも視野がとことん狭いことが多く、「自分のしていることが周りからどう見られているか」などを考える発想が無いのです。(もちろんこのタイプに当てはまらない子もいます)
上辺だけ見ているとただ「甘やかされている子ども」と「発達障がいの子ども」は見分けがつかないと思いますが、その子どもの「背景」を注意深く見ることでどちらなのかが自ずと見えてくるのではないかなと思います。
もちろん、診断を下せるのは「医者」だけですので私たちはどちらかな?と考えるだけなのですが。。。


ただ「甘やかされている子ども」は周りの大人たちの声は聞こえています。
でも、自分に都合が悪いため聞こえないフリをしているんです。
なので強制的にやめさせられた場合などは大人の目を見て怒ります。

反対に「発達障がいの子ども」は周りの大人たちの声は全く聞こえていません。
なので、強制的にやめさせられた場合などは大人に一瞥もくれることなく、目的のものを見つめながらその静止の腕を振り切ろうとすることが多いです。


話しが「甘えさせる」から少しズレてしまいましたが、「甘えさせる」というのは子どもの要望を何でも叶えるのではなく、子どもが「不安」になったときや「怖い」思いをしてしまったときなどにその気持ちにそっと寄り添い、気持ちを落ち着かせてあげることだと私は思っています。

大人は「子どもの心を強く育てよう!」と思うのであれば叱責してダメ出しするばかりではなく、子どもの感情が「揺れた」時にはそっと寄り添い、子ども自身が「もう大丈夫!」と思ってまた目線を外に向けるまで「待って」あげて欲しいです。

子どもが大人になっても「親」を頼ってくる姿は「頼られていて嬉しい」と思うこともあります。
が、何につけても頼られてしまっては情けなくなりますよね?
ぜひ、ご自身のお子さんを「情けない大人」にしないために「甘えさせる」と「甘やかす」の違いをご理解頂き、接して頂けたらなと心から思います。


拙い文章力に少しでもお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました♪

次回からは発達障がいの子どもの事例について書いていきたいと思います。





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