子どもの定型発達/発達障がいについて(続き2)

ベビーシッター歴10年以上の経験から見て


乳幼児を中心に小学校低学年までの子どもたちをベビーシッターとして見てきて感じる事は、「困った子ども/扱いにくい子ども」というレッテルを大人が貼ることで余計に大人にとって困った行動が加速されるという事です。

《大きく分けてこうした大人の対応には2パターンあります。》


1【触らぬ神に祟りなし】

「この困った行動は本人の幼さ故でいずれおさまるだろう」と見て見ぬふりをし、子どもがゴネた時などに放っておいてしまうパターン。


前回はプラスの言葉がけを心がけてください。
というお話でした。


私が担当してきたお子さんたちの保護者さんで【触らぬ神に祟りなし】の方はまだ他にもたくさんいらっしゃるのですが、

今回は2【厳しく躾しようとしすぎる】のお話をしていきたいと思います。


2【厳しく躾しようとしすぎる】

「大人が甘やかすからこの子は調子に乗って我儘な振る舞いをするんだ」と思い込んで、必要以上に子どもの自由を奪って厳しく制約してしてしまうパターン。


「我が子が将来恥をかかないように」、「我が子が悪目立ちしないように」、「親の顔が見てみたい」と言われることの無いように。。。
など思いの根源は様々だと思いますが、「我が子にはちゃんとして欲しい」という名目のもと、出来ないことは出来るようになるまで決して甘い顔をすることなく半ば強制的に出来るまでやらせるという手法をとってしまう保護者さんですね。


私は保育士やベビーシッターをする前に自身の子育てをしていましたが、振り返って考えてみると概ねこのタイプの保護者だったのではないかなと思います。

かなり厳しかったと今でもたまに自身の子供に言われます(笑)

私個人の見解ですが、躾をある程度厳しくするのは本当に子どものためになるので、良いものだと考えています。

ただ、やはり全ての物事に言えますが、〈やり過ぎ〉はよくありません。


定型発達だとしても、発達障がいだとしても、幼い子どもが身近な大人に甘えることが出来ないということは「正常な愛着関係が築けず、情緒不安定になりやすくなる」という状況になりやすいです。

特に発達障がいがあると、「自分以外の人間の気持ちを予想する」という事がすごく難しいです。

コレは大人でも難しい方がいると思うのですが、発達障がいがある子どもならその何倍も何十倍も難しいと思って下さい。

定型発達の子どもの場合は発達障がいがある子どもに比べ、年齢が上がるにつれて状況判断能力が大人に近づいてくるため、ある程度は修正がきく事もあります。

ただ、幼少期の愛着形成が不十分だと物事に対する考え方が偏り、マイナスに考えやすくなってしまいます。

マイナスに考えやすくなると、「自己肯定感」が育たないので、「私/僕なんて」、「自分には出来ない」、「どうせ上手くいかない」、「自分は何も成し遂げられない」とまだやってもいないことを「自分には出来ない」と決めつけて最初から諦めるようになってしまいます。

これでは子どもにとって必要な「経験」を積むことが出来ません。


では大人はどう対応したらいいのでしょうか?


まず以下の二つの事を徹底して欲しいです。

1.「ダメ」な事は「ダメ」だと教えること。
2.「公共のルール」を教えること。

1からですが、例えば「赤信号で道路を横断してはいけない」とか「外を歩く時は大人と手を繋ぐ」などです。

コレは守らないと命の危険がある行為なので、出来ている保護者さんが多いのではないでしょうか?

子どもは大人と違い、子ども自らが周囲を観察して「今なら赤信号で道路を横断してもいい」とか「今なら大人と手を繋がずに歩いても大丈夫」などと判断することは出来ません。

更に、昨日は「絶対手を繋いで!」と大人が言っていたのに、今日は同じ状況でも何も言われない。。。というのは一番子どもが困惑するので絶対にやめて下さい。

大人は常に一定の行動を心掛けて欲しいです。

ただ、子どももいずれは一人で出来るようにならなければいけないので、子どもの年齢が上がるにつれて「あなたがお姉さん/お兄さんになったから、もう少ししたら一人で出来るようにならないといけないから。。。」と言葉で説明しながらサポートの度合いを下げていくのはとても良いと思います。


2は「電車やバスに乗ったらアリさんの声(小さな声)で話すこと」、「スーパーや遊園地などに行った時は勝手に走り回らないこと」、「遊具の順番を守ること」などです。

子どもは自分の声が相手にどう聞こえているのかは一切認識していません。

なので、あらかじめ〈お約束〉をしておく事が大切です。

勝手に走り回るについても、子どもは自分が〈勝手〉だとは思っていません。

なので、「あなたが迷子になってしまったら保護者(お父さん/お母さんなど)はとても悲しい気持ちになるから、必ず手を繋いで歩いてね」とお約束しておくと子どもは「私/僕が居なくなったら保護者は悲しむのか」と理解して保護者が困っている状況を想像でき、保護者の手をしっかり握ってくれるようになる子が多いです。

公園などで遊んでいる時にキチンと順番待ちしている他の子を差し置いて、我が子が順番抜かしをしてしまったらとても恥ずかしい気持ちになりますよね?

なので、これらの躾は子どもが一歳を過ぎたら根気強く何度も教えて出来るようにしてあげて下さい。

一度で出来るようには絶対にならないので、大人は辛抱強くその都度その都度言い聞かせてあげて下さい。

出来なかった時も感情的に怒るのではなく、「◯◯はやってはいけないよ」と伝え、何故ダメなのかを簡単に説明してあげて下さい。

長い説明は子どもは覚えいられないので簡潔に伝えましょう。

出来なかった時に「良いよ、仕方ないよ。まだ出来ないよね」と甘やかすことだけはしないで下さい。


では、子どもを「甘やかす」ということと、子どもに「甘えさせる」ということが全く別のものであると認識している大人がどれくらいいるでしょうか?

私が子育て真っ最中の時にお付き合いのあった他の保護者さんや現在も仕事で関わる保護者さんを見ていると、「甘やかす」と「甘えさせる」の違いが分かる大人が少ないのかもしれないなと感じます。

これについてはまた後日載せます。





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