日本と韓国 結束できるか(5)

日本と韓国 結束できるか(5)
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」151/通算583 2023/3/15/水】パイプスモーカーの師匠パイプマン氏からメールを頂いた。「このところの寄稿には、独裁覇権主義中共への強い敵愾心が滲み出ていないので些か寂しい」とのご叱正・・・中共は習近平3期目に向けて大きな会議をしていたから暫く様子を静観していたのだが、3/13に終わったから週末にはバッシングを再開しよう。以下のアドバイスも受けた。

「督戦隊の件ですが、戦史を読むと督戦隊を置いて敵前逃亡する弱兵を機銃で容赦無く射殺した国は、ソ連、中共、国府、韓国が有名です。民族性か何かに共通するものがある感じがします。一度おまとめになって、ご健筆を振るわれたくお願いいたします。
ドイツは敵前逃亡した国防軍兵士を、後で武装親衛隊や秘密国家警察が捕まえて処刑していましたが、戦場に督戦隊を置いたという戦史は読んだことがありません」

ドイツ→ヒトラー→ゲシュタポは政権に従わない国民をサボタージュ先導者、共産主義者、反動主義者、敵性国民、ユダヤ人だとして大量拘束、大量殺戮した。独裁政治の「奴は敵だ、敵を殺せ!」はおぞましいが、独裁者は軍隊あっての権力だから、ヒトラーも軍部を手なずけるのに苦労したよう。武装解除された戦後の日本でも為政者が「昔陸軍、今総評」と言うほど軍部(&アカ)の力は大きかったのだ。

毛沢東は「政権は銃口から生まれる」と軍事力を重視していたが、軍を掌握し続けるのには随分苦労したよう。毛沢東でさえ軍が離反すると閑職に追い込まれ、起死回生で若者を煽って味方につけ、文化大革命と称して4000万人を殺し、ようやく復権に漕ぎつけた。

「わば、21世紀の毛沢東になるだ」を目標とする習近平。彼が一番恐れているのは政権の生殺与奪を握る軍部である。ロイター電「中国の発展は安全保障が基礎、軍事近代化が必要=習主席」から。

<[北京3/13ロイター]中国の習近平国家主席は13日、全国人民代表大会(全人代)の閉幕に当たって演説し、中国の発展には安全保障が必要だと述べた。軍を近代化し、科学技術の自立と強靭さを高めなければならないとした。
台湾を巡っては、独立・分離派の活動や外部勢力の干渉に反対しなければならないと述べた>

時事通信3/13「習氏3期目、台湾統一に決意『外部勢力の干渉反対』米国を牽制 中国全人代閉幕」もこう報じている。

<【北京時事】中国の習近平国家主席は13日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕に先立ち演説し、台湾問題について「外部勢力の干渉と『台湾独立』分裂活動に断固反対する」と述べ、名指しを避けながらも台湾への関与を強める米国などを牽制した。「祖国の完全統一の実現は中華民族全体の共通の願いだ」とも語り、3期目指導部の本格始動に当たり、中台統一に改めて強い決意を表明した。

全人代開幕の5日に公表された政府活動報告は「外部勢力の干渉」に反発する表現がなく、4年ぶりに「平和統一」の文言が復活し、比較的穏健なトーンだったが、習氏は自らの言葉で米国に対する強硬な態度を示した形だ。

一方で、習氏は「両岸(中台)関係の平和的発展を促進する」と強調。昨秋の共産党大会で言及した「武力行使を決して放棄しない」との言い回しは避けた。来年1月の台湾総統選を見据え、従来の方針は維持しつつ、台湾民意の離反を避けようとする狙いがあったとみられる。

習氏はまた「強国」という言葉を繰り返し用い、今世紀半ばまでの「社会主義現代化強国」の実現を訴えた。「安全は発展の基礎だ」として、軍の「現代化」をはじめ、国家の安全保障能力を高めるとも表明した。習氏は、国家主席として2期目入りした2018年の全人代では45分近く演説したが、今回は約15分だった>

経済回復か、台湾強奪か、同時にはできないからどちらを優先すべきか・・・習近平は経済回復を優先したいが、中共軍は米欧がロシアのウクライナ侵略に目を向けている今こそ台湾侵略の好機だ、今を外すと米欧は軍事力を倍増させるから台湾侵略の好機を逃す、と焦りまくっているよう。

全人代終了の前日、「解放軍報」は「栄光と夢の遠征が始まった」と大喜びをしていた。ハムレット習近平は軍事予算=カネをばら撒いて軍を手なずけているが、好戦的な“戦狼”中共軍をいつまで抑えられるか怪しいものである。西側諸国は軍事力強化と対中経済封鎖を一段と高めるべし。
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さて、前回に続いて「朴正熙選集」から主旨の引用を続ける。今回は同書の「序」を紹介するが、軍事クーデターから9か月後の1962年2月付け。どうすればまともな国になれるのか悪戦苦闘していた時期だ。(補足)は小生による。

<疲れ切って夜半目を閉じ、我が民族の歩んできた多難な道を振り返る。我々が担っている遺産は酷く重く、行くてを遮るようだ。ことに(第2次世界大戦の日本敗戦による)8.15解放後の民族受難史は骨身に染みるものがある。2つの政権(李承晩と尹普善)の腐敗・不正は「貧困の悪循環」という今日の危機を招いてしまった。

我が民族には更生の道、欠点の多い民族性を正して健全な福祉民主国家を立てる道はないのであろうか。虚偽を排し、事なかれ主義、安逸主義の生活態度を清算し、勤勉な生活人への「人間革命」を期し、社会改革を通じて「飢える者のない国」「栄える国」にする道はないものであろうか、と様々考えてみた。

必ずや道はあるはずである。屈辱と悲しみと辛さにさいなまれてきたこの民族の前途には、必ずや更生の道があるはずである。「叩けば開かれん」という言葉もあるではないか。

革命という手段だけで患者が元気を回復するものではないし、病因を取り除くだけで健康になるものではないということを知った。再び病に侵されぬよう、恒久的な方策と基礎工事を施しておかなければならない。その道はきっとあるはずだ。

眠られぬままに念頭に浮かぶ事柄をメモし、それを整理したのがこの小著となった。叙述は粗削りで拙いが、私が言わんとする意は断片的にせよ現れていると思う。

今我々が当面している問題は次の三つに要約できるであろう。
第一は、民族史上の悪遺産を反省し、李朝党争史、日帝植民地奴隷根性などを潔く清算して、健全な国民道を確立することである。人間が革命されずして社会再建は不可能である。

第二に、「貧乏から解放」されなければならない。特に我が農民たちの長い貧困の歴史を終息させ、福祉農村のために全力を傾注すべきだ。累積された貧困を一つずつ追放し、工業化された近代国家の土台を構築しなければならない。

自由社会は、経済の自立なしには不可能である。経済計画を完遂し、「漢江辺の奇跡」を創り上げることが、共産主義への勝利の道である。北韓集団は無理な経済発展を強要して「千里馬/チョンリマ」運動を展開しているが、これは国民の自由権を侵害し、民主主義と自由を抹殺する悪辣なやり方と言わなければならない。我々は、正しい経済発展は民主主義的な自由と創造性の中でのみ可能であると考える。中途で挫折する「ウサギ」よりも、辛抱強くゴールに達する「カメの道」を選びたい。

第三に、我々は健全な民主主義を再建しなければならない。解放後(大戦終了後)に直輸入された民主主義が韓国の底深くに根を下ろすことができずに失敗した歴史に照らし、韓国化された「福祉民主主義」の土台を構築しなければならない。「国民による支配」は国民の自治精神なしには不可能だ。

李承晩自らが(保身のために)創った「自由党」統治下の韓国を見た外国記者は「韓国で民主主義が成功することを期待するのは、ゴミ箱の中にバラの花が咲くのを望むようなものだ」と言ったが、我々は過去の失敗を肥料としてバラの花を咲かせずにはおかないと決意している。

我が革命政府は「民生復旧」を約束した。累卵の危機にあった民族に対する無限の愛情と、祖国を守る燃える情熱をもって革命軍は炬火(きょか、たいまつ)を掲げた。繁栄する民主主義国家を願う一片丹心(一途な思い)の他は何もなかった。民生(民の暮らし)復旧にあたっては、祖国が再び腐敗、不正に染まった旧政治家に委ねられることのないよう、良心的な政治家が育成され、彼らが責任をもって国政を運営できる国になることを目指した。

革命は改革であり、前進でなければならない。剔抉(てっけつ、抉り出す)した傷跡が塞がるまでに再び病菌が進入することを恐れる。それだけに若き世代の健実(健全)な指導力が台頭し、新しい政治を行ってくれることが望まれる。人間革命とは、国政を担う新しい指導勢力への交代をも意味するのである。

1960年以降、世界は「後進国の覚醒」「経済戦争」の時代へと入った。我が国にとっては「民族ルネッサンス(再生、復活)」の好機を迎えたと見ることもできよう。進んでこの好機を活かすか、再び破局の轍を踏むか、厳粛な選択が我々を待っている。

正道を辿り前進しなければならない。我が民族にも必ず道があるだろう。広く明るい大道が待ち受けているはずである>(以上)
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朴正熙は側近の凶弾に倒れたが、暗殺理由は今なお判然としない。1961~1979年までの治世18年間で韓国経済を強固にしたが、早すぎる晩年には「開発独裁」的な傾向があったようで、「正道を辿り前進」を続けることに対して容共左派勢力の反発が高じていたのではないか。暗殺以降、韓国に対する日本人の評価は「何をするか分からない国、信用できない国、距離感をもって付き合うべし」となったようだ。

産経2023/3/14「未来志向と反日繰り返す韓国 慎重な対応求められる日本」は不信感をこう報じている。
<岸田文雄首相は16日の韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との会談で、韓国側が発表したいわゆる徴用工訴訟問題を巡る解決策を評価する考えを伝える。

ただ、日韓の首脳はこれまで何度も、歴史問題の解決と未来志向の関係構築で合意しながら、韓国側の政権交代や世論の反発を受けて覆されてきた。岸田首相には新たな謝罪表明といった譲歩を繰り返さない対応が求められる。

最も良好な日韓関係を迎えたのは、日韓共同宣言で「未来志向的な関係」を約束した1998年10月だ。2004年7月、当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は小泉純一郎首相に、歴史問題を任期中に提起しない意向を示した。

ところが8カ月後、小泉氏の靖国神社参拝などを巡り反発を強めた盧氏は態度を翻し、国内での演説で「過去の真実を究明して謝罪し、賠償することがあれば賠償し、和解すべきだ」と日本を非難した>

1998年の「日韓共同宣言」は小渕総理と金大中大統領が新たな日韓パートナーシップを構築するとの共通の決意を宣言した文書。ところが2001年7月、韓国議会は日韓共同宣言の破棄を韓国政府に求める全会一致の決議を行った。

つまり日本にとって韓国は「ご都合主義で決して信頼してはいけない国、掌返しが得意技、為政者の気分次第で主義主張や外交方針、国際公約を平気で覆す国」である。まるで詐話師、詐欺師。

「日本と韓国 結束できるか」・・・対中露北の戦争で日韓が同盟を組むのは必要だろうが、韓国国民は近現代史だけを見ても中露北に親和性があり、日本に対しては昔から蔑視と憎悪が激しい。日本も半島人を「支那の属国、潜在敵、信用できない」と思っている人が多いだろう。

日韓はまるで「犬猿の仲」。同盟を組むのなら、まずは韓国の左巻き=共産主義勢力を規制するために、朴正熙が1961年に制定した「反共法」(1980年に全斗煥が廃止)を部分復活すべきではないか。あるいは日米韓豪加などで拡大安保条約を結ぶなど、親中臭い韓国がお得意の掌返し、ちゃぶ台返しをできないフェイルセーフ条項を設けるなど検討すべきだと思う。(以上)
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