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創作怪談「花」

ある日の事、その集落にある白く咲く花が全て真っ赤になった。
現在なら解明できるであろう偶然に、集落は慌てふためいた。
すると、一人の女性が手をあげてこう言った。
「私が死にましたらた収まると思います。火柱にかけて下さいませ。ただし、今から10日後にございます。それまでは我が家を、村民あげてもてなして下さいますよう願います」そうして、頭を下げた。

それから女性の家を中心に宴が催された。村民は踊り、酒を飲み10日間騒いだ。皆が笑顔になりながら、女性は火柱に掛けられた。

結果としてその村の住人はは全員死んでいた。家畜も、人も含めて。

全員が喉をかきむしるような苦悶の表情を浮かべて死んでいる中、一人微笑んで死んでいたのは、全身が炭になった女性だけであった。
女性の名前は花。

彼女が何をしたかったのかは今もわからない。


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