宗田理先生について

私が中学時代に貪るように読んだのがぼくらのシリーズでした。
大人に反抗したくて、有り余るエネルギーを発散したくて、年代を越えた友人のために駆け回る彼らが大好きでした。
シリーズの中でも強烈に印象に残っているのはやはり一作目のぼくらの七日間戦争です。
中学一年生の夏休みに子供たちだけで廃屋に立て籠るロマンに高ぶった感情は、今でも鮮明思い出せます。
大人たちの支配から逃れ、自分達だけで生活をしてしたいことをする。彼らがしたことは法治国家の観点から見ると誉められたものではないですが、それでも当時大人への微かな反抗心を抱いていた私の心を撃ち抜きました。
私には彼らのような勇気はなかったので出来なかったことを、彼らが代わりにやってくれているかのような爽快感も抱いていました。
彼らはきっと私の心の中の解放区であったのだと思います。
先生のご冥福を心よりお祈りするとともに、「おーい解放区ぅ、バイバイ」とはまだいわないでおこうと思います。