10/3 競争力CA 外資系企業による日本企業の買収について
記事
2024年8月20日 NHK「セブン&アイHD カナダの企業から買収提案」
〈https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240819/k10014552921000.html〉
セブン&アイ・ホールディングスは、カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたと発表した。発表によると流通大手のセブン&アイ・ホールディングスは、カナダで、コンビニやガソリンスタンドなどを手がけるアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けているということだ。仮にグループ全体を買収する場合、買収額は少なくとも5兆円以上の規模にのぼるとみられる。
2024年9月7日 Yahoo!Japan「セブン・アンド・アイ、買収提案を拒否 同社を『著しく過小評価』とコンビニエンスストアチェーン「セブンイレブン」を運営するセブン・アンド・アイ・ホールディングスは6日、カナダの同業アリメント・クシュ・タール(ACT)からの380億ドル(約5兆4000億円)の買収提案を拒否した。セブン・アンド・アイは、この買収提案は同社の価値を「著しく」過小評価しているほか、規制面での課題について適切に考慮されていないと指摘。買収が成功すれば、世界各地に10万店以上の店舗を展開するコンビニ大企業が誕生するはずだった。
NHK「東京メトロ株 国と東京都が来年度中にも売却開始へ」
〈https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240127/k10014337031000.html〉
国と東京都は保有する東京メトロの株式について、新年度中にも売却を始める方向で調整を進めています。東京メトロの株式は国が53.4%、東京都が46.6%を保有していますが、売却して完全民営化する方針が決まっています。
今回、私は「外資系企業による日本企業の買収」に反対の立場で立論するので、みなさんは賛成の立場から議論してください。
[事前質問]
Q.企業の規模感は?
A.大手企業
Q.外資資本の日本市場流入もふくむ?
A.含む
意見・論点
1 安全保障や雇用の懸念がある。
→外国企業が日本の重要産業やインフラ企業を買収が続くことで、安全保障にリスクが生じる。特に防衛関連、AI、半導体企業などの戦略的分野において、外国企業の影響が強まることで、国の安全保障や国益が脅かされるリスクが高まる。また、雇用の安定や日本企業特有の労働文化が損なわれ、従業員に負担がかかる。実際に、先行研究で、被買収企業の従業者数を見ると、外資M&Aから5 年後までの各年次において減少している傾向がある。例、東芝4000人の人員削減(10年で約半減)
Q.安全保障の懸念はないのでは?
A.ヨーロッパが中国経済に依存している現状があるため。国と都で50%ずつ影響が小さいわけではない
Q.
A.ヨーロッパでも規制があるうえでの現状。日本でも起こる可能性あり
Q.年功序列の雇用をなくしてもよいのでは?成果主義の導入
A.少子高齢化が進み企業における年上の割合も多い。いきなり外資系が参入して形態を変えるのは反対が起きる
Q.従業員にとってのM&Aのメリット 雇用、キャリアの幅が広がる
A.メリットがあったとしても解雇される人は一定数いる。その後の対応が整備されてない。雇用の不安定
Q.失業するのは会社にとって必要のない従業員
A.若者はそう思うかもしれないが高齢者の立場ではそう言えない
2.失敗事例が多い。
→フランスの大手スーパー「カルフール」は、2000年に千葉県に最初の店舗をオープンさせ日本に進出した。
また、2002年にはドイツの流通大手「メトロ」、2003年にはイギリスの大手スーパーの「テスコ」がそれぞれ日本市場に参入した。しかし、売り上げの伸び悩みや競争環境の激しさなどを理由に、カルフールは2005年に、テスコは2011年、メトロは2021年、それぞれ撤退を発表した。世界最大手のスーパー、アメリカの「ウォルマート」も2002年、業績の低迷が続いていた「西友」と資本提携し、2008年には完全子会社化でグループの傘下におさめて経営を行った。大量に仕入れた商品を低価格で販売する手法で立て直しを進めましたが、ネット通販との競争が世界的に激しくなるなか、2021年には保有する西友の株式の85%を売却した。
→先行研究によると被買収企業の売上を見ると、外資M&Aから 5 年後までの各年次において減少している傾向がある。外資企業が相対的に良い日本企業を合併買収している点に対処した場合、外資M&Aから4年後と5年後では売上減少が大きくなる。被買収企業の粗利益を見ると、外資M&Aから3年後までは有意な影響が見られない一方で、4年後から5年後までに減少している傾向がある。
→東芝も成長戦略は描けておらず難路が続きそうだ。
3.技術やノウハウが流出するリスクがある。
→特に製造業や技術系企業が外国企業に買収されると、日本がこれまで築き上げてきた競争力が失われる可能性がある。例えば、川崎重工は中国に新幹線の設計の技術を教えたことで新幹線車両「CRH380A」の車両技術で中国側が米国で国際特許出願の手続きを始めている。インドネシアへの高速鉄道の案件で日本は中国に負けた。
Q.日本の車両技術は品質が高い。車両を売ったからと言って技術、競争力が失われるとは考えられない。M&Aとは関係ないのでは?
A.
予想される反論・再反論
1 グローバル化は避けられない現実であり、外国企業との協力は不可欠である。
→グローバル化の重要性は認められるものの、買収が必ずしも日本企業の競争力向上に繋がるわけではない。外国企業が自国の利益を優先し、日本市場や日本の消費者のニーズを軽視する場合、日本企業は逆に劣勢に立たされる可能性がある。外資と協力するための方法は、買収以外にも提携やパートナーシップなど、より対等な方法が存在する。
Q.外資に日本企業が買収される→ 日本企業が海外の企業を買収できるようになっていけばいい。海外へ市場を大きくし、日本企業のパイを増やしていく方がいいのでは?
A.世界でのM&A事業は縮小している中日本国内では拡大している。 グローバル化の波に乗っていくとはちがう。
Q.中国など人件費が安い国で工場を立てて発展してきた 工場を作られてきた海外の技術を要して中国は発展してきた 今度は日本が過去の中国のように外資を取り入れていってノウハウを蓄積したうえで日本経済を大きくしていくべき
A.失敗事例が多い
Q.何をもって失敗を多いとする?
A.研究によって、外資の営業利益は減少していることから
Q.自国には入ってほしくないのに自分の国の企業は他国には成り立たない
A.
2.市場開放が競争を促し、イノベーションを生む。
→確かにイノベーションが生まれるが、販売戦略や経営戦略において日本の市場にあった決定ができるかは不明である。また、過度な競争は、特に中小企業にとっては厳しい環境をもたらし、逆に日本の産業基盤が弱体化する恐れがある
Q.外資系企業による救済 日本企業の弱体化の救済措置としてM&Aが存在する
A.
買収するされる 企業を株式で考えすぎ
少子高齢化が進む中外資系企業での働き方は受け入れられないのでは 成果主義反対という意見ではない
上の世代が退職し、世代が交代すれば考え方も変わってくるのでは?10数年で変わっていく
競争力はなくなるかもしれないが雇用の救済措置は可能
参考文献・URL
1 2024年8月20日 NHK「セブン&アイHD カナダの企業から買収提案」〈https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240819/k10014552921000.html〉
2 2024年9月7日 Yahoo!Japan「セブン・アンド・アイ、買収提案を拒否 同社を『著しく過小評価』と」
3 NHK「東京メトロ株 国と東京都が来年度中にも売却開始へ」〈https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240127/k10014337031000.html〉
4 PRESIDENT ONLINE「円安進行で買収のターゲットにされる日本企業…日本人がわかっていない"外資系ファンドの意外な効果"」〈https://president.jp/articles/-/81267〉
5 田中 清泰 ジェトロ・アジア経済研究所「外資企業による日本企業のM&A効果」
6 JETRO日本貿易振興機構「安全保障を理由とした外国投資規制の強化が拡大、新型コロナも影響」
7 KPMGジャパン「EUの外資規制が日本企業に与える影響とは」〈https://kpmg.com/jp/ja/home/insights/2023/12/economic-security-issues05.html〉
【先生からのコメント】
国家が経済を邪魔している
どこの国であろうが経済が発達すればよいのでは
国家が指示をして技術を盗もうとしていることが問題
表面的にオープンに保つことは大事
経済安全保障を確立しある程度は厳格化することが大事
国を縮めることは国の縮小につながる ある程度の開放は必要
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