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871ンスタライブ #018(w/岸本優二さん)


#871ンスタライブ #018
2020年12月28日(月)

テキスト:宙組

主催:柳井貢(以下:871)
ゲスト:岸本優二(以下:岸本)

(871) こんばんは。今日は、岸本優二さんをお呼びして色々話してみようと思います。関西でライブハウスに行ったことある人だったらBIGCATとかLIVE SQUARE 2nd LINEとかMusic Club JANUSとかROCKTOWNとか大阪MUSEとか行ったことあると思うんですけど、僕らはそういったライブハウスを勝手に“アーム系列”って呼んでいます。正式名称、アームエンタープライズっていう会社に勤めている方ですね。

(岸本) こんばんは!

(871) こんばんは!今日、忙しそうでしたね。

(岸本) 十代白書のやつやってたからね。

(871) 十代白書って正確にはどういうことなんすか?

“ライブハウスとの出逢い“をテーマに掲げる「十代白書」


(岸本) うちのライブハウスの子達の中で、「10代を集めたイベントをやりたい」って話が出たのがスタートで。結局もう10年やってるんだけど、神戸大会とか、京都・滋賀大会とか、南大阪大会とか、各地のライブハウスで予選をやって、決勝を心斎橋BIGCATでやると。

(871) 十代白書出身の人って誰ですか?

(岸本) 『BURNOUT SYNDROMES』とか、『Age Factory』とか『Shout it Out』とか。あのあたりも皆、十代白書だね。

(871) なるほど。高校生くらいの時に出てたんですか?

(岸本) “10代”やから高校生も出れるし、大学1年生くらいまでは出れるかな。

(871) “オーディション”になるんですかね?

(岸本) オーディションっていう言い方あんまりしたくないけど、結果的にはそうなるかな。10代のうちにライブハウスと出逢ってほしいっていうのはテーマとしてある。結局今は、音源を作ってどっかに送ったり、SNSで発信できる時代だから、ライブハウス通らないでいいっていう可能性も絶対ある。でもライブハウスは楽しいところなので出逢ってほしいなって。だからグランプリばっかり狙ってるんじゃなくて、出逢いを求めてる感じかな。

(871) 「ブッキングいつでもやってるし来てや〜」っていうよりは、「こんなんもやってるからよかったらどう?」みたいにコミュニケーションをとりやすいのもありますよね。

(岸本) そうそう。「もう10代だし出ときいや」みたいな、凄くハードルを低くしてるよ。2曲あれば出れるから。それこそ俺が関わってた『Rick Rack』とか『FERN PLANET』 とかも高校生の時に出てたから。

(871) なるほどです。

871と岸本さんの出逢いと懐かし話

(岸本) すごいね、これ(配信)。

(871) とりあえず100回やるって決めたんですよ。

(岸本) なるほど。(会話の)タイムテーブルとか別に考えてないんでしょ?

(871) 配信をやる理由の1個に、アーティストのプロモーションを違う角度からする、みたいなのがあって。自分の担当してるアーティストとかでも、「聞かれたら答えれるけど、SNSで自分から毎日発信するのはちょっと度胸いる」みたいな心理状況ってあるじゃないですか。それをマネージャーが呼びつけて、「あれどう思ってんの?」みたいに聞くことによってそこで告知するっていう(笑)
そういう目的がある時は、例えばあきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES・Ba/Cho)と配信やるってなったら、次のベース塾の話はしようとかそれくらいのことは決めてるけど、裏方さんとか他所の人と喋る時はあんまり決めてないですね。

何かを発表して実行するまでの間に、“告知の中だるみ”みたいなのってあるじゃないですか。発表したてと活動間際は告知しやすいけど、その間はもう散々言ったし言いづらいな、みたいな。(笑)ちょっと自ずからは言いづらい話を掘り出したりとか。

(岸本) なるほど。いいっすね。そう考えたらあなたは昔大阪で、ハイエースで泊まってましたからね。

(871) ははは(笑)でも今はどっちかというと、そういうのやってるスタッフとかいたら、「ちょっとさすがにやめておこう」って言う立場になってるので(笑)

(岸本) そっか(笑)昔の話ですよ、昔の話。

(871) でも、あれ?優二さんおいくつですか?

(岸本) 46歳です。厳密に言うと、45歳かな。

(871) じゃあ僕と5つ、6つくらいしか変わらないんですね。
ON AIR OSAKAのイベントで、DJブースに絵を描いて好き勝手やらしてもらった時が初めましてですね。

(岸本) そうだ。

(871) その後、優二さんが2nd LINEにいる時に、あるバンドの解散ライブに行って、ベロベロに酔っ払って、ただの客で遊びに行ったのにステージに上がって歌ってダイブして。その時はclub STOMPで働いてたと思うんですけど、散々暴れて後日電話で謝るっていう。

(岸本) ははは(笑)そうやっけ?!(笑)

(871) そうそう(笑)当時ね。僕が大学生時代からお世話になってるから、もう20年経つってことや。

(岸本) だって俺が2nd LINEを作ったのが26歳とか27歳とかやから。

(871) そこから20年くらいってことですもんね。2nd LINEってなんで2nd LINEなんですか?

(岸本) LIVE SQUAREっていうのが尼崎のビルの中に入ってたんだけど、経営が危ないからテナントから出てってくださいっていう話になって。でもその時、音響機材とか買いたてやったから、勿体ないしどこか場所探そうかってなって。(大阪市の)福島の高架下の物件を見つけて。で、2個目やから“2nd LINE”っていう。
あとは、うちの社長が「英雄を称えるのもセカンドラインって言うねん」って言うてた。なんかそんなんで2nd LINEっていう名前になってたね。

(871) なるほどね。ちょっと優二さんに何個かどんどん質問していきますわ。

(岸本) はい!分かりました。是非、宜しくお願いします。

(871) ピンキリなのは分かってるんですけど、優二さんの思う、小さかろうがライブハウスやぞ!って胸張って言えるライブハウスを作ろうと思ったらいくらかかるんすか?

ライブハウスを作るには

(岸本) まず、場所とどれくらいのキャパのスペースを作りたいかっていうので絶対的に変わってくる。あと防音をどこまでするか。それだけでもう2,000万~3,000万変わるんじゃないかな。

(871) 防音の設備工事で2,000万~3,000万かかるんすか!

(岸本) ホンマにちゃんとしようと思ったらね。やるべき音の止め方みたいなのがあるから。

(871) なるほど!しかも今、換気周りも大切ですもんね。防音も関わってますけど。

(岸本) そうそう。ライブハウスが地下に多くなった理由は防音でしょ。

(871) 確かに確かに。じゃあ例えば、電車である程度行けるところで200~300人くらいのキャパがあって、ゼロからやるってなったら、どんだけ手を抜いても2,000万くらいはかかるってことですね。

(岸本) そうじゃない?絶対トイレもいるし、ライブハウスってそもそも飲食店申請だから小さくても厨房はいるんだよね。ってことは水周りが絶対必要だから。

(871) そうですね。ライブハウスにとって、大事なもの3つ順番に教えてください。これ僕も使う側として言うんで。

(岸本) うーん…。めっっちゃあるけどな(笑)
でも、やっぱりコンセプトによっても作り方が全然違う。お客さんとの距離が近い方が良いライブハウスもあれば、ある程度エンターテイメントを魅せる為の空間が必要やと思うこともあるだろうし。本当に全く無い状態から作ろうと思ったら天井の高さも欲しいなと思うけど。

(871) そうなんですよね!そもそもテナントの選択肢が分からないですからね。

(岸本) 元々立ってる建物に作っちゃうから。こんなところにいらんやん、っていう柱がライブハウス内に立ってるのは建物の問題やから。ライブハウスとしてはそりゃ削れるもんなら削りたいやろうし。それで言うたら2nd LINEなんて高架下やけど、ステージどこに作る?っていう所からスタートしてるから、そういう設計は楽しいっちゃ楽しいけどね。

(871) わ、思い出した。最近なかなか聞くことなくなったから忘れてましたけど、ちょっと面倒くさいこと聞いていいっすか?

(岸本) 良いですよ。

(871) ノルマ制度ってまだあるんですか?

ライブハウスのノルマ制度について

(岸本) もうほぼ無いんちゃうかな。

(871) ノルマ制度が無くなっていった理由とか経緯ってどういうことやったんですか?

(岸本) ノルマっていうのは、例えば「20枚売ってください」とか、4バンドいたら「それぞれ20人呼んで、80人のお客さんを前にライブしましょうよ、だから頑張ってお客さん呼びましょうね」みたいなルールなんだけど、お客さん呼ばなくてもノルマさえ払えばライブ出来るっていう考え方が出てきてしまって。今はないけど、昔はお金だけ払う人もいれば、めっちゃお客さん呼ぶ人もいて、そこで凄い差が生まれてしまって。お客さんを呼ばないバンドにとって旨みがあるのは、ライブとしておかしいやんっていうのがあるから、ちょっとノルマを取った方がいいんじゃないかっていう空気があった、俺は。

じゃあ何でノルマが無くなっていくかっていうと、やっぱりライブハウスの数が凄く増えていってる中で、バンドの数はそんなに増えてない。その需要と供給のバランスの中で、昔は例えば20人くらいお客さん呼べるやろって思ったけど、どんどん呼べなくなっていってる。特にインディーズのアンダーグラウンドの人達で、グッドミュージックを掲げてると呼ばれたら出ちゃうから、毎回毎回ノルマで縛ることは出来ないし、じゃあこのバンドはノルマなし、このバンドはノルマありってしてたら、そもそもルールがおかしい。っていうところでノルマ制度は無くなっていった気がしますね。

(871) なるほどね。でも自然な流れやったんかなと思いますね。当時がちょっと不自然やったというか。

(岸本) でもやっぱり、お客さん呼んだらチャージバックがあるっていうのはバンドも分かってた方が良いと思います。たまに、お客さんいっぱい呼んでもギャラもらわれへんとか聞いたりするとそれは違うなって思う。
あとは昔、ライブハウスのブッキングに入るオーディションを日曜日の昼間とかにしてたからね。

(871) ブッキングで出るっていうことのハードルがまず高くて。

(岸本) そうそう。昔はね。

(871) むっちゃ上からのビジネスモデルですね。でも今で言うと、固有名詞は言えないですけど、ダンスグループの事務所さんとかがスクールを経営して月謝を貰って、スクールで育ててそこでデビューさせて両方美味しいやんっていうのもありますもんね。ちょっとバンド界隈では信じられへんけど。成り立つんかな?それ、みたいな(笑)。

(岸本) ね。成り立ってるんやろうね。昔、20枚とかのノルマあった時って、先に買い取りやったからチケットを渡しに行ってたからね。

(871) ライブに出るって決まった時点で、先に20枚分のチケット買い取って、売った分だけ小遣いなるよってことか。“パー券”っていう言葉も今も存在してるか分からないですけど。

(岸本) 今は存在してへんで(笑)

(871) 思い出した。固有名詞は出さないですけど、1000人ぐらい集められるバンドのワンマンライブのチケットを2nd LINEの店頭だけで売ったりしてましたよね。

(岸本) あー!はいはい。

(871) 僕が先輩に、「お前並びに行ってこい」って言われるみたいな(笑)

(岸本) 彼等がそういう売り方をしたいって言ってもらったというのもでかいよね。

(871) 土地に根付くみたいなことの雰囲気も変わってきましたよね。

(岸本) そうやね。1990年後半くらいからライブハウスが始まって。「このバンドと対バンできるから頑張ってお客さん呼んでおいで」っていうライブハウスの考え方から、ちょっとずつライブハウスとバンドの関係性も変わってきてるのもある。ライブハウスごとの特色が出てくるようになってきてるかもしれないけど。

(871) そうですね。ちょっと話の角度変えると、今、ライブハウスで働きたい人って結構いるんですか?

「ライブハウスで働き続ける」という選択肢

(岸本) この前、関西のとある大学の講義をちょっとやらせてもらって。終わってから学生の子が「ライブハウスってどうなんですか?」みたいなことを聞いてくれて。“あ、ライブハウスに興味持ってくれてんねや”っていうのは凄い感じた。でもライブハウスで働く子って、元々ライブハウスに行ってる子がそのまま延長で働いてるみたいなイメージがあるかな。だから2nd LINEで働いてた時も、受付のすぐ後ろが事務所やから、「バイトしたいんですけど」って聞こえたらすぐ俺が出ていって、「おお!やろうや!」ってよくやってた気がするな(笑)。

(871) よく来てくれる上になかなか帰らん、みたいな子とかね(笑)ちょっと喋ったりしてるうちに、「あ、働きたかったん!」みたいな(笑)。

(岸本) そういうのあるね。よく言ってる話やけど、当時大学の子達が沢山お客さんとして来てくれてて、そのうちの1人の子が自分でイベントやりたいとか、友達と一緒にイベントやりたいとか言ってくれて。下北チームを呼んでくれたりして。結果的にその子が働くようになってもう20年近く経ったけど、今は俺の会社のデスクやってくれてる。そういう出逢いが確かにあるかもしれないね。

(871) ちなみに、僕、ずっとはclub STOMPにいられへんなと思って転職したんですけど、ずっとおる優二さんはどんな感じですか?

(岸本) 良いも悪いも、俺もずっとこのライブハウスにいなさいって言われたらちょっと厳しいんじゃないかなと思う。でも勿論、色んなバンドに出逢ったし、色んなイベント一緒やったり、色んな仕事出来るようになったっていう事実があって。うちの会社は、たまたまこうやって何軒もライブハウスがあるから、この会社の中に新しい部署ができるとか、新しい仕事が出来るっていう可能性を感じた。それこそバンドと一緒に東京行った子もいるし、今東京のライブ制作してる子もいるし。そんな中でうちの会社としては、例えばラーメン屋としたら「このラーメンは一生作っとけよ!」っていうのはちょっと厳しいのかなって。俺はそういうタイプやったから、俺はJANISを作ることもできたし。結果、関西で面白いことを発信できたら、ってチームでやれることが凄く有難いなって思ってます。

(871) 確かに。ライブハウスっていうカテゴリーだけでは全然ないですもんね。

(岸本) HEADLINEの仕事は、それ以外の仕事が多くなってるね。

例えば昔ライブハウスで働いてた人達はライブハウスが好きやから働いてる人が多くて。帰れよ!って言っても帰らへん人が結構おったけど、今は働き方改革もあるし、こちらとしても、やっぱりオンオフをしていかないとなっていう気もするし。そこはちょっと気を遣ってるっていうか寄ってしまうよね。今どう考えてる?みたいな(笑)

(871) こっちが勝手に探っちゃうみたいなところもあるんすよね。「帰りたいって思ってないかな…?」みたいなことを(笑)意外と本人はそうでも無い、みたいな。

(岸本) そうそう(笑)飯誘うのとかもめっちゃ気遣うもん。コロナの時は行ってないけど、去年とかは1人で店行って「俺この店おるけど、来たい人どうぞ」っていう謎な誘い方やって(笑)来なくてもいいぞ、っていう空気を作りながら。あれ?俺そんな気遣ってんねや、って。

(871) 業種違うけど多分僕も同じです。でもそれって受け取り側も、どっちなん?みたいになってるんすよ。僕ら本当はむっちゃ来て欲しいと思ってるじゃないですか(笑)。でも、「来いよ!」って言うと強制になっちゃうから「もしよかったら来たら〜?」みたいな感じで言っちゃうんですけど、それでは伝わってない、っていうジレンマがおこる(笑)。

(岸本) 究極質問するもんな。「お腹すいた人ー?」みたいな(笑)。

(871) でも、「出前取ってくれるんですか?」って言われるみたいな(笑)。

(岸本) 「……ほんなら出前取ろうか?」みたいな(笑)。

(871) そこに行き着く予定ではなかったけど、おじさん世代は皆思ってることですよね。

(岸本) でも若い子でもガツガツしてる子もいっぱいいるだろうし、人によるかなとは思う。だからめっちゃ行きたい子もいるかもしれないし。まあでも、コミュニケーションとりたくない人はそもそもこういう仕事は難しいと思うから、(行きたくない人は)あんまりいないと思うけどね。

(871) 今、アームグループとHEADLINEと、京都MUSEも別の会社になったんでしたっけ?

(岸本) これからどうなっていくか?っていう話やな。アームは全部で今、関西は8軒ぐらいライブハウスあるけど、皆がみんなちょっとずつ考えていかなあかん時代になったねって感じ。

(871) 契約社員とか正社員とか契約スタッフとか色々あると思うんですけど、ざっくりアルバイト以外のスタッフって何人くらいいるんですか?

(岸本) 制作はアームやけど、音響・照明は別会社やったりするから。そこも全部入れたら、いわゆる契約社員以上は50人とか60人とかいるんちゃうんかな。アームの店舗だけやったら店長も含めて社員が1店舗3人、4人いたりするから。

(871) 今年、休業補償がどうのとか大変や。

(岸本) そうやね。ほんまに。HEADLINEに舞台のチームとか照明のチームとかもいるから、その子らはその子らでライブハウスだけじゃなく、舞台監督の仕事とか照明の現場の仕事にも行けるようにしてて。それはさっき話した「このライブハウスにずっとおるのどうなんやろ?」って話とリンクしてて、違う仕事の空気を中に入れるとか、チームのマインドを外に出すとか、そういう動きをしないといけないかなっていう気はしています。

(871) 僕も、「マネージャーの仕事って新卒で受からへんかったらどうしたらいいんですか?」みたいなことを聞かれるんですけど、全然裏口入学の人もいるし―入学って学校じゃないけど。ライブハウスとかCDショップとかコンサートアルバイトとかそういうところから来る人も多いんですけど、ライブハウスもそういうとこありますよね。

(岸本) ライブハウスは結構そういう方が多いんじゃない?

(871) 横見渡すと、ライブハウス出身の人めっちゃ多いですもんね。

(岸本) 結局ライブハウスってバンドやってた人も多いじゃん。どのレベルまで真剣にやったかは別としても、今店長してる子達もバンドやってた人結構いると思う。大学卒業してライブハウスの店長になってますっていう人の方が少ないっていうか、ほとんどいないんじゃないかな。経験して、ライブハウスがやっぱり面白くて、人が楽しくて、コミュニケーションとったら色んな事が広がって結局今のポジションにいるとか。俺も絶対そうやと思うし、誰かと出逢ってないと絶対こういう風にはなってないから。

結局、ライブハウスで何が大事か?って“人”かな、と思うけどね。

(871) あぁ!そこに戻ったわけですね!

ライブハウスにおける“人”の大切さ

(岸本) その人が作るライブハウスやから良い風に見えるし、その人がこだわってやってることがカッコイイって思ったら、その“人”じゃないですか。
だからライブハウスに大事なことは、“人”ですね。

(871) そういう意味でいうと、ここまで前振りを話してきて、それだけ確認した上で“ライブハウスに大切なのは人やな”ってなるのはむちゃくちゃわかるし、そうやな!って思うんですけど、僕多分、いの一番に“人かな”って言われてたら、「いやいや!キャパと会場費、費用対効果とかありますやん」ってなってたかもしれないです(笑)

(岸本) そうやな(笑)だから結局、人で制御できひんキャパまでいっちゃうとシステムやと思うねん。

(871) そうやし、敢えて言いづらいことを面白いので言ってみると、僕そんなにJANISをガンガン押さえないじゃないですか。

(岸本) そうやね。

(871) 純粋にキャパ欲しいなって思う場面で、JANISを使わないっていうのを、優二さんなりJANISの皆はわかってるから「JANIS使ってや!」みたいなの全然ないじゃないすか。それを踏まえた上でどういう会場にしていくのか?どういう人達、アーティストとやっていくのか?っていうのもあるから僕、JANUS凄い好きなんです。やっぱり会場なので、魅せる場所として合ってるかどうかとか、お客さんにこの音楽をどういう場所で見てもらうのが良いのかとか、どういう部分で選んでもらうのが良いのかっていうそれぞれの環境に合わせてどう運用していくのかなので。それに、プラス“人”、みたいな感じですね。これが良い悪いとかではなくて。

(岸本) そうだね。でもライブやから、どんなに人が良くても見栄えとか場所とかキャパとか大事やし。俺がめっちゃ言い寄っても、俺がどっか違う島にライブハウス作ったら来にくいやろうし。

(871) 具体的なことは皆までは言えないですけど、正味な話、会場費のバランス、立地のバランス、曜日のバランスとか色んなところを緻密にコミュニケーション取ったり、やりくりするっていうのがライブハウスの妙やなぁと思ったりします。

(岸本) 俺は究極、“やってや!”って言うよりは“やりたい!”って言う人を探してる感じ。その為に色んな話をして、「それならJANUSいいんじゃない?」とか、「それやったらこの会場いいんじゃない?」とかを話して、「あ、それいいですね」ってなるような方法を作ってるかなと思う。

(871) 俺らと演者の関係もそうで。例えば俺がオーラルに「昔から俺が一緒にやってんねんから、俺のこと見捨てんなよ」みたいなこと言ってるとしたら、一瞬で辞めたらいいと思う。僕もメンバーにいて欲しいって言ってもらえるような役割を果たせるようにしたいし。人はもの凄く重要なんですけど、例えば僕が、人は物凄い良いけど全然算数できない人やったらマネージャーとして成立してないやろうし、各々の武器がそれぞれあって。でも僕は楽器一切触れないんで。

(岸本) でもそれは逆に言ったら、チームの中に楽器触れる人を入れられるってことやんな。チームの中に算数できる人を入れればいいってことやん。

(871) 僕らはそれで済むんですけど、ライブハウスは“場所”だから揺るがないじゃないすか。勿論スタッフの動きとかで考えると色んなライブハウスがあったり、さっきの「ライブハウス以外の仕事もしてる」って話も改めて、凄いなあ、むっちゃ大事やなって思いましたけど、1個のライブハウスっていうところでいうとハードウェアはそこまで柔軟にはできないじゃないですか。さいたまスーパーアリーナみたいに倍のキャパにします、みたいなことは出来ないじゃないですか。(笑)

(岸本) 皆が肩車せな無理やな(笑)維持費もお金かかるからね。

(871) 今は特にもうコロナで訳わかんなくなってしますけど、ハードウェアっていう制限がある中でそれをより面白くとか、より活かせる方法とかを考えると、「あの人とあの人仲良いからよくあそこでやってるやんな」みたいなだけになるのは、僕はあんまり好きじゃないっていうか。

(岸本) まぁ最低の繋がりはあるやろうけどね。出発地点としてはね。

(871) いやぁ、なかなかお客さん前でもしない話をしましたね。

(岸本) ははは(笑)これ、聞いてる人分かるかな。

(871) でもそういう話があってもいいかなと僕は思ってます。例えば今の話って、ある程度経験値のあるバンドマンとかは、「まぁそうやろなー」みたいな感じで聞けると思うんですけど、ライブハウスに出始めのバンドマンとか、ライブハウスで働こうかどうか悩んでる人達って、「実はライブハウス作るのいくらかかるかとか興味はあるけど、まだ全然先のことやから質問もしづらい…」みたいなのはあると思うので。そういう話をバンバン出来るのは良いなって思いますけどね。

(岸本) ライブハウスを経営しようって思ってる人がいたら凄いなって思うもん。自分でも思う。それくらい1人じゃ出来ひんなって気持ちもあるけど、やっぱり出発地点はライブハウスでいたいなってのはあるから。

(871) 比べるものじゃないですけど、最近独立してレーベルとか事務所とかをやる人達も出てきてるじゃないですか。それって、場所はマンションの1室でもできるので始めやすいかもしれないですけど、シンプルに印税計算できるのか、著作権登録管理できるのか。そういう僕らの仕事もある種ハードウェア的要素が必要で。

(岸本) 今は何が難しいのかも分からないくらい各自で発信できる時代になってるからね。

(871) どんどん自由になっていくんやろうなって気もしてる。インフラはインフラで凄く便利になっていくし。

(岸本) 音楽もそうだけど、色んなものが簡単になってきてる。俺らはCD聴く時代だったけど、CD聴く時代も飛び越えてもっとライトな音楽の聴き方になってきてるし、そこには色んなものが対応せなあかん。ライブハウスとしてもそう思うね。

(871) いや〜そうっすね。優二さん、貴重なお話をありがとうございます。

(岸本) いえ!こちらこそありがとうございました。

(871) また、来年も宜しくお願い致します!

(岸本) こちらこそ!宜しくお願いします!
ありがとうございました!

(871) ありがとうございましたー!

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