福という犬

実家で飼っていた愛犬を3月に事故で亡くしました。

亡くなった3月から今回帰省するまで
毎日思ったことをぽつりぽつりとメモに記していてかなりの量になった。

比較的自由な時間で仕事をしている両親と地元にいるけれど離れた場所で一人暮らしをしている弟で主にお世話をしていて私は回数にすれば1度しか会ったことがないけれど監視できるカメラを設置してくれて暇さえあれば見ていたのと週に1度母と電話する時の話の中心は愛犬のことで

失敗やできるようになったこと、成長、どんなことでも家族を笑顔にしているのだと感じ取れ、側にいるような気持ちだった。
犬自身が幸せであれば良いっって思って付けられた名前の「福(ふく)」でどこかどっしりとして人をよく見ていてかなり用心深く家族一人一人に対して遊び方も違った。20cmくらいの段差は結局降りられずこだわりも強かった。

わたしが産まれる前から犬はいて、
同じ犬種は2代目で、前の子は老衰で亡くなったけれど外でトイレを覚えさせたので動けなくなっても外へ行こうとして辛いだろうと今回の子はこの先来るであろうその時を思って完全に室内でトイレにした。

監視カメラで毎日何回も掃除して綺麗にしている父と母。その度に遊びたいから伸し掛かる福を見て私が両親のことも心配して声をかけても毎日お世話をしていた。

買い物に行く度に犬用のおもちゃを買ったり何種類もおやつを飼ってどれが好きか毎回変えたり溺愛していて私から見てもバディなんだろうな、という存在の弟とと親バカだよね、と話題にしていた。

それだけ毎日本当に毎時間家族が思っている子だった。
体調を悪くして同じ犬種を飼っているかかりつけの病院でも見つけられなくて
大きな病院へ行ったら即手術になり半日以上かかった。

そこから「安楽死」というものが方法としてあることを伝えられてあんなに家族で愛して話の中心になってくれる良い子で何かはとんでもなく意地悪くて現実ってこんなに酷いんだ。って思った。

あの時の気持ちを思い出すとまだまだやるせなくて酷い気持ちになる。

「事故」と書いたのはもしかしたら防げたんじゃないか、って側にいない私が一番に思うことだったから。

亡くなった知らせを聞いて言いようもない悲しみと一緒に心配になったのは弟のことだった。

もしかしたら両親を責めてしまうんじゃないか。って姉の私が抑えてあげなきゃ。

って考えて電話した。でも自分の口から出てきたのは「お父さんもお母さんも犬飼う資格ない人だったんだよ」って荒く言ってしまって本当に自分でも驚いてしまった。逆に弟に宥められてしまった。これは今でも私は酷いことした、って思ってる。
だから4月に帰省する予定があったけれど正直怖くて普通にはできないかもしれない。
って思った。なんなら自分たちをとても責めている両親に対してまた更に酷い言葉をかけてしまうかも。家族を壊してしまうかも、って本当に怖かった。

どうしようもできないのでどんな時でもどんな場所でも泣きたい時突然泣いて良いことにした。

周りの友人たちのおかげもあってなんとか今回帰省することを決心した。

10日以上実家にいたのにそれまで全く話に出せなくて東京に戻る前日に母と二人で福のことを話した。一緒に泣いた。ほんとどこでも泣けるようになっちゃった。

母が話してくれたのは
「福が深夜手術している時に夢を見た。福が赤ちゃんになっててお水が欲しいって言うからあげるんだけど上手く飲めなかった、そのまま抱っこしながら時間を過ごしていたら病院から電話が来て福が亡くなったって。最後に会いに来てくれたと思ってる。」

このことが聞けた時何度も私も今日まで思い浮かべていたことがあって福の手術は病院の先生が頑張ってくれて命は一度助かったけれど体力が持たなくて3時頃亡くなった。
福が家族のことがもし嫌いだったらもっと早くに力尽きていたんじゃないか。
好きだったから会いに来たんじゃないか。

両親のことを責めてしまう気持ちが浮かんだ時に福の気持ちを勝手に考えるようにしていた。
みんなで福に与えて福は愛されていた。

都合がいいかもしれないし今でも悲しいし書いている今も泣きまくってる。

思い出しては「もういないんだ。」って気持ちで福の2度目の死をさせないようにしている。
福はいたし沢山与えてくれたし家族だった。
悲しいって気持ちはずっと底にあって。
時間は過ぎていくんだけど
そのまま転がっているおもちゃやサークルを見て居なくなったことの実感を繰り返して
居たこと、与えてくれたことを思い出す。

やっぱりいい子だったって福のことを思い出す。

本当に都合がいいとは思うしエゴだなあとは思うんだけど

辛いし悲しみを慣らして生活するしかできない。できることしかできないから今を過ごしている、家族のことを思いやるしかできないのが今の支えです。
離れている私でもこんなに悲しいので両親、弟の悲しみは計り知れません。弟は辛すぎて実家になかなか帰って来られなくなってしまった。
父と母の間でまだ福の話はできないらしい。
後悔って言葉が今でも出てくる。
その度また書いてあることの思いの繰り返し。

いつも犬の話や猫の話をしているのに動物と一緒に暮らしている人たちにはなかなか報告もできなくて申し訳ないです。
一緒に悲しんでくれるのが想像でもできる素晴らしい友人たちです。理解をしてくれるだろうし言葉をかけてくれることを想像するだけで自分がダメになっちゃいそうだった。
今回実家に帰省してやっとダメにならないかも、って思えてる。

一緒に時間を過ごしてくれる動物は尊いし飼い主の気持ちはそれぞれ沢山あってどんな方向でも愛だな。と基本的に思えるのでみんなの一緒に過ごしている動物の話を聞くのは今でも大好きです。

だから今後もどんどん聞かせてくれたら嬉しいな。

なかなかまとまらないし、これを書いている最後まで分からないままで自問と自答を繰り返しているけれど今の気持ち。以上です。

ありがとう。

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