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【BAL】Samuel Basalloは捕手分業体制の夢を見せるか?

こんにちは、ジャンさんです。
ウィンターミーティングが終了し、FA移籍やトレードの情報がたくさん入り込んできましたね。私もそんな状況を楽しみつつ、贔屓にはどんな動きがあるのだろうかとヒヤヒヤしており、夜も7時間しか寝ることができません。

さて本題に入りますが、今回私が紹介する選手はSamuel Basalloサミュエル・バサロ(以下バサロ)、オリオールズ傘下に所属する19歳の捕手です。

球団内プロスペクトランキングにて5位につける有望株の彼はいったいどのような選手なのか?そして、彼が将来メジャー昇格した際、どのような効果をもたらしてほしいのかをここに記したいと思います。


1.プロフィール

本名       :Samuel Alexander Basallo
生年月日     :2004年08月13日
身長 / 体重  :190cm / 81kg (6' 3" / 180 lb)
出身       :ドミニカ共和国 サントドミンゴ
投打       :右投左打
ポジション    :捕手(一塁手 / DH)
ドラフト     :2021年 アマチュアFA
Pros.RANK        : 全体46位 / 球団内5位(2023)→全体17位 / 球団内2位(2024)
備考       :2023 All-MiLB Prospect 1st Team 捕手部門


2.成績と選手像(2023)

A  : 308 AB, .299/.384/.503, .887 OPS, 12 HR
A+: 96 AB, .333/.443/.688, 1.131 OPS, 8 HR
AA: 15 AB, .467/.500/.667, 1.167 OPS, 0 HR
Season: 419 AB, .313/.402/.551, .953 OPS, 20 HR, 61 BB, 91 K

2023年はAからスタートし、8/1にA+、9/12にはAAに昇格しています。年齢を考えるとかなりのハイペースで昇格しています。

打撃

いずれのLevでも結果を残していると言えるのではないでしょうか。ISOはAで.205、A+で.354を記録しています。素晴らしいパワーだぁ…(恍惚)
K%が22.4%なので少し三振の割合が多いのかなと感じますが、BB/Kは0.65なので大砲付き扇風機ではなさそうです。
24年シーズンはおそらくAAでシーズンを迎えると思われるので、まずはこの打撃成績を維持しながらAAA昇格を目指してほしいですね。
(21年にAAで.271/.392/.508, K% 15.4%, BB/K 0.96, メジャー昇格後23年にAL SS賞取った選手が同じチームで正捕手やってるってハードル高すぎねえ?)

守備

◆2023年守備成績(A,A+,AA合算)
C   68試合 Fld% .984, RF/9 11.61, CS% 33%
1B  28試合 Fld% .978, RF/9 8.40

◆ 参考:Adley Rutschman(21年AA,AAA合算)
C   82試合 Fld% .994, RF/9 11.32, CS% 28%
1B  28試合 Fld% .995, RF/9 8.00

現オリオールズの絶対的正捕手、Adley Rutschmanアドリー・ラッチマン(以下:ラッチマン)のマイナー時代と比べるのは酷ですが、バサロはまだ19歳と若く、まだまだ伸び盛りの段階だと思われますので、C/1Bとして伸びていってほしいなと思います。(比較対象が上手すぎるだけなような気もしなくもない)

4.捕手分業体制の夢

オリオールズのプロスペクトの中で、22年ドラフト全体1位であり、MLB公式プロスペクトランキングでも全体1位に輝くJackson  Hollidayジャクソン・ホリデイが、最もUntouchableな存在として言われており、そこに異論を唱える人はまず存在しないでしょう。
しかし、私はこのホリデイと同じくらいに、バサロもUntouchableな存在であると信じています。

私がバサロにこれほど期待している理由は、彼の選手としての能力に期待しているからだけでなく、23年シーズンから見えた、オリオールズが将来抱えるであろう課題に対する感覚も大きな要因です。

今後オリオールズは①正捕手ラッチマンの負担を軽減させることを今以上に真剣に向き合わなくてはいけないと考えていて、その方法論の一つに、②捕手を正捕手、兼任捕手、控え捕手(ベンチスタート)に分業する編成が必要になるのではないかと私は結論づけています。

そして、②の編成の完成はバサロに懸かっていると言っても過言はないと思っています。

23年のオリオールズは捕手2人体制、ラッチマンとJames McCannジェームズ・マッキャン(以下マッキャン)で捕手を回していて、マッキャン出場時、ラッチマンはDHとして出場していました。
確かに23年シーズンのラッチマンは打撃面でも相当な貢献をしてくれたと思います。結果捕手としてSS賞を受賞したのも記憶に新しいでしょう。
控え捕手のマッキャンもベテランの佇まいでしっかりとチームを支えてくれました。藤浪晋太郎が無失点でBAL移籍後初SVを挙げることができたのは、マウンドで励ましの言葉をかけて奮起させたマッキャンのおかげでもあるでしょう。

しかしながらこうも思うわけです。ラッチマン、出場試合数多すぎでは?

◆ポジション : 出場試合数 / スタメン出場試合数, 出場試合総数
・Adley Rutschman(BAL)・・・C : 110/104, DH : 46/45, 154
・Jonah Heim(TEX)    ・・・C : 124/116, DH : 8/7 ,131
・Gabriel Moreno(AZ)      ・・・C : 104/94, DH : 1/0, 111
・Alejandro Kirk(TOR)   ・・・C : 99/84, DH : 17/13, 123
・William Contreras(MIL) ・・・C : 108/108, DH : 33/29, 141

baseball-reference.com内各選手ページより引用

比較対象として何人かの捕手を挙げましたが、明らかにラッチマンは出場試合数が多いです。DHが休養枠になっているように見えねえよ…
25歳の選手が2番打者、正捕手、リーダー役、そして再建脱出の要として多くの負担と責任を負っている現状は長期的にみて、健全とは思えません。せめて打力を持った選手が複数人スタメンに並ぶことで、ラッチマンを下位打線に押しやる余裕が生まれればと、今年の終盤戦やポストシーズンで特に感じていました。

これを解決するであろう②の分業体制を満たしていたチームの例をあげるとすれば、23年のTEXがわかりやすいでしょうか。

正捕手Jonah Heim、DHを兼任したMitch Garver、控え捕手のLeón/Huff/Hedgesといったように、それぞれ役割を持ちながら捕手という負担の大きいポジションを回していたようにみえます。特にHeimがIL入りした際に、PITから守備力の高いHedgesをトレードで獲得してきたときは流石に舌を巻きました。

23年TEXは私が考える捕手分業体制の理想形でした。
TEXは2021年にシーズン100敗超を喫しましたが、2年後の2023年に球団創設後初のWSチャンピオンとなりました。同じく2021年にシーズン100敗超を喫し、2023年ALDSでTEXに完膚なきまでに叩きのめされたBALが見習うべきことの一つに、この捕手分業体制があるのかもしれないと考えています。

バサロが昇格した際は、正捕手ラッチマン、兼任捕手バサロ、控え捕手マッキャン(or Another)の分業体制が見てみたいですね。きっとその頃にはヘンダーソンやホリデイ、メイヨやカースタッドという強打の若手選手たちが上位打線にいるでしょうし、ラッチマンの負担も減ることでしょう。(願望)

5.〆

ご覧いただきありがとうございました。
ポージーやモリーナの引退と時を同じくして、ラッチマン、アルバレス、ディアズらが台頭してきたことにより、新進気鋭の捕手の話題が増えてきた気がします。この乗るしかないビッグウェーブにうちのバサロも続いてほしく、この記事を書きました。
@BaseballAmericaさんも推してくれている19歳のドミニカ出身捕手がこれからどのように成長していくのか、行く末を見守っていきたいと思います。

参考文献

ヘッダー画像は1つ目の参考文献から引用