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【BAL】起用方針とロスターの穴が生んでいる悲劇

※ヘッダー画像はオリオールズ公式Xより。
※全ての商用的あるいは著作権侵害の意図を放棄して投稿します。


最初に断りを入れますが、今回はかなりネガティブな内容になります。
選手あるいは指導者陣や組織に対する誹謗中傷の意図はございませんのでご了承ください。


どうもこんにちは、ジャンさんです。
ヘッダー画像のとおり、4/6(現地日付)のBALvsPIT@PNC parkで延長戦の末サヨナラ負けを喫しました。
長いシーズンではこういった結果の試合もありますし、この敗戦で長い連勝が止まったわけでもありません。結果だけ見れば162試合のうちのよくある負け試合の一つに見えるでしょう。

しかしながら、この試合はBALが以前から抱える問題によってもたらされた負け試合だと私は思います。今回はそのことをnoteにまとめました。
冒頭にも書きましたが、以下かなりネガティブな内容を記します。ご理解の上でお読みください。


◾️絶不調に向かわせているとしか思えない選手起用

KC戦の申告敬遠がなければOPS1割台ってマジ?

BALのレギュラー(?)LF、オースティン•ヘイズの打撃がSTから通して深刻な状況となっています。K%は30.4%,ISOは.000ととにかく当たらない空振る飛ばないの三段活用になっている状態です(STではOPS.539, ISO.172)。

SS正面へ弱々しいゴロを何度も転がす姿を見せつけられて、Ground Ball Revolutionでも施されたのかなHAHAHAと面白くもない冗談でも言わなければこちらも心が持ちません。
しかしながらヘイズはこのような状況にも関わらず、スタメン起用されています。今日の上記PIT戦やKC戦(SP:Cole Ragans(L))でも変わらずスタメン起用でした。そしてGB革命の成果が出ていました(笑えない)。

このような状況もあってか、流石に対RHPのときはコルトン•カウザーやライアン•オハーンがスタメン/代打起用されることもあります。
しかし、なぜか上記PIT戦の7回表無死2,3塁のチャンスでPITマウンドにはRHP(Ryder Ryan)なのに、カウザーorオハーンを代打で使わずヘイズにそのまま打席に向かわせるという場面がありました。結果はSSゴロ。1点は返せたけどLF専はここで長打打ってもらわんと,,,

打撃がダメなら守備で,,,と言いたいところですが、同日xBA.030のフライを落球しました。
余談ですが、4/5(現地日付)のPIT戦では体調不良のためスタメンを外れましたが、なぜか代打で出場し凡退。その後守備についてさらに2打席目も凡退しました。

起用し続ければいつか,,,とか、チャンスの場面で一本出れば波に乗れるかも,,,と誰しも思います。
しかしながら、STからずっとずっとずーーーっと続いている低調不調が一本出ただけで変わるのでしょうか?そしてその一本を出すのにどれだけの打席と期間を費やすのでしょうか?そもそも復調したところで、それまで積み重ねたマイナスを覆せるに至るものなのでしょうか。
このままではチームの勝利だけでなく、ヘイズの選手キャリアにダメージを与え続けることになるだけのように思えます。

ハイド監督をはじめとしたBAL首脳陣は、選手を信じ続けて辛抱強く起用するきらいがあります。昨年のヘンダーソンやリリーフのペレス、藤浪晋太郎に対してもそうでした。

しかしながら、ヘイズより遥かに少ない機会でカウザーやオハーンは結果を出し続けている状況です。同じ右打者なら傘下マイナーAAAのコナー•ノービィが、OFならへストン•カースタッドやカイル•ストワーズが昇格を待ち構えています。
昨年までのような代替できる選手がいないから起用せざるをえない状況とは訳が違います。
幸いヘイズにはマイナーオプションがまだ残っています。今は辛抱強く起用して復調を待つより、一度オプション行使して状態を確認してみるのが良いのではないでしょうか。
あと復調しないと売り手に回った時売れないじゃん。

P.S.
まあ、ヘイズ以外にも低調な人はいるんだけどね。マリンズとかサンタンデールとか。流石にヘイズほど酷くないから詳細は割愛するけど、代替可能でFAも近いって意味で立場的にはそこまで変わらないと思うよ。
あと殊更にヤバい状態の選手他にも何人かいるんだけど、おそらくDFAされるのを待つだけの状態なのでそっとしておきます。ヘイズよりはスタメン起用されていないけど、そもそもロスターにいること自体が不可解な選手なので。


◾️補強なしで穴まみれなロスター

今年のBALは主力となれる野手補強を一切しませんでした。現有戦力で一年を戦う余裕がある見込みなのでしょう。
また、豊富なプロスペクトのうちの何人かを課題が残っているとし、AAAスタートとしました。
主要三媒体のプロスペクトランキング全てで一位となったジャクソン•ホリデイもLHPとの対戦機会や2B守備に課題があるとして、AAAスタートとなっています。MLS manipulationとか言わない約束だろ?

しかしながら、昨年とほぼ変わらぬロスター構成なので、選手層の穴も変わらず残っている状態です。
上記のPIT戦で、その穴による問題が露呈しました。

9回表1点ビハインドの中PITクローザーBednerを攻めたて同点に追いつきます。
ここで3塁ランナーはオハーン、打席には代打でカウザーが向かいました。結果はSSゴロでオハーンが本塁アウト。続いて今日スタメンのマテオに代打ケンプ。結果は2Bゴロで3アウトチェンジ。

どうでしょうか?この場面、おかしいと思わないでしょうか?おそらく少しでもBALのロスターを覗いたことがある方はこの違和感に似たような感情を抱くと思います。

①本来ほぼ代走専門のマテオを2Bスタメンで起用しなければならず、
②オハーンに代走マテオを出せないため、本塁突入でアウトになる。
③そして最後の代打にほとんど打力に期待できないケンプを起用。

はっきり言いますが、ロスターをほとんどアップデートしなかった結果、選手の特性や能力を活かしきれない起用しかできなくなる上記のような状況が生まれています。

現状だと3Bウエストバーグ,SSヘンダーソンとした時に、2Bスタメンをウリアス/マテオ/ケンプから選んでスタメンにするという当落線上レベル同士のプラトーン起用をしなければなりません。9番にほぼ自動アウトの選手を必ず組み込まなければいけない縛りプレイをセルフで行なっている状況です。

トムジェリのチーズぐらい穴空いてる

そもそも前年とほぼ変わらないロスターやスタメンを組むということは、前年と同じような活躍がないとチームとしてクオリティが保てないってことでしょう。
現にそんなことはできておらず、前述のヘイズのような状態の選手や2B地獄のプラトーン問題に直面しているのに、信頼という名の放置プレイをかましているようにしか今は見えません。

プロスペクトたちのMLB昇格を見送ったことに今更異議は唱えませんが、少なくとも何かしらの決断をする時期は近づいています。
Norfolk Tides (BAL傘下AAA) が毎日のように試合で二桁得点を叩き出している状況をみて今後(4/13以降?)何もトランザクションを起こさないのなら、コービン•バーンズとクレイグ•キンブレルが今年加入した意味は0に等しくなるでしょう。

若手やプロスペクトを昇格させて起用することには確かに何かしらのリスクを伴います。身体が出来上がっていなかったなんてこともあります。
そもそもメンツを入れ替えて良い結果が必ず出るとは限りません。

しかしながら、すでに結果の出ていない、調子の上がっていない、上がる気配もない選手を起用し続けて得られるものはなんなのでしょうか?
すでにヘイズやウリアスのfWARはマイナス値を叩き出しています。このままマイナスを重ね続けると挽回することも難しくなり、本人たちの調停や契約にも悪影響を及ぼします。

2023年はボルティモア•オリオールズにとって、本当に躍進の年だったと思います。しかしながら、多くの課題を残した一年でもありました。
今BALに必要なことはその昨年掴んだ101勝の栄光を捨て去る覚悟を持って、次の行動に移すことではないでしょうか。



参考文献