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#1日1回サイコパス 親子丼

 カメカメハッ! どうもアマニタ・パンセリナです。

僕が一か月前からやり始めた #1日1回サイコパス という「サイコパスっぽい作品を投稿し続ける」企画。日にちを重ねるごとにたくさんの方々からの反応をいただき、今日に至るまでほぼ途切れることなく毎日継続することができました。本当にありがとうございます🙏

基本的に対象物の名称と画像だけのスタンスで投稿していたのもあり、言語が違う外国の方にもウケていたのが驚きでした。


例えばこちらの食パンにピアスを刺している作品はロシア人の方から「日本人は狂ってる!」とコメントをいただいたりしました。

個人が作った気狂いの小作品が日本人のイメージを背負った」という事実、感動ですね。Cool Japan。

—————しかし日本人がサイコパスというのはあながち間違っていないかもしれません。
なぜなら
日本料理には名称のインパクトが最強すぎるサイコパス料理「親子丼」が存在しますからね。

親子丼という名称から「鳥と卵って親子じゃん!なら、この料理は親子丼で決定!笑」と笑顔なのに目が死んでいる人の顔が容易に浮かびます

料理名の中に具材名とか調理法じゃなくて「親子」っていう"関係"を表す概念が入ってるの怖すぎるでしょ。しかも肉を鳥以外を使用した場合は「他人丼」というらしいです。便乗するなよ、こんなのに。

しかし、これがもし「鳥たま丼」とかだったら人気は地方のB級グルメ止まりだったと思うし、この「倫理観がないことに気づかせないほどに名称が親しみやすく、なおかつ美味い」という点が、いかにも頭のきれるサイコパスという感じがしてべスト・オブ・サイコパスといっても差し支えないでしょう。

というわけで本日は #1日1回サイコパス の一か月を記念し、実際に親子丼を作ってみました。


完成!
サイコパスは調理工程などには興味がないので省略しました。うまかった

あと、どんぶりっぽい器がなかったのでボウルに入れてみましたがこれはこれでサイコパスっぽくてよかったです。

作っていた過程で気づいたのですが、よく考えたら僕はスーパーに売っていた鶏肉と卵を適当に選んでこれを作ったので「この鶏肉と卵はほぼ確実に"本当の親子"ではない」という点です。
これに気づいたときゾッとしましたね。人間のエゴというのは恐ろしい…
なんだか動物系の番組で、喧嘩をしている猫の映像に「楽しいニャ!」とアフレコしているのと同じ感じがしました。アレ、怖いですよね。絶対言ってないでしょあんなの。


さて、ここで #1日1回サイコパス の話に戻ります。

さきほど作った親子丼と最初に出てきた食パンピアスは同じサイコパスらしさを持っていながら「まったく別のサイコパス感」があるのです。

これはどういうことかというと、親子丼は"親子という名称が料理につけられている事実"という精神的サイコパスなのに対し、食パンピアスは"食パンにピアスが刺されている不可解な光景"という視覚的サイコパスである、という点です。

僕たち人間は全く別の事を「サイコパス」という言葉でまとめているのです。


本来、サイコパスという言葉は「精神病質者」を指す言葉であり日常的には使われることのない心理学用語でした。が、いつからか若者の間で気軽に使用される言葉となりました。(実は年配者の方は"サイコパス"という言葉自体に馴染みがなく"メンヘラ"などの言葉も同様だと思われます。現に年配の方に「サイコパスってなに…?サッカー?」と言われました)

その使用法は「この絵、サイコパスっぽい」とか「お前サイコパスすぎて面白いw」など様々であり

・ホラー
・グロテスク
・シュール
・ナンセンス
・クレバー
・退廃的
・厭世的
・冷笑的

などの意味を包括していて、「ヤバい」と同じような表現で使用されることが多くなりました。

実はこれは非常に面白いことでして、僕自身がやり続けた #1日1回サイコパスサイコパスという言葉の多様性に挑む事をコンセプトとしてやっていたんですね。

なのでサイコパスという言葉本来が持つような動物を殺したりする直接表現はかならず控えて「犯罪や死を彷彿させるモチーフを可愛い物と合わせシニカルな笑いに変換する」「一つの事に固執する、あるいは効率性を求めた結果生まれるものを表現する」などを軸に、いかに"サイコパス"だと思えるものが作れるか日々スーパーやリサイクルショップに通いアイデアを練っていました(この時間が一番サイコパスだった)


と、このように普段私たちが使用している言葉を今一度考えなおしてみると、その言葉が持つイメージなどからまた違った面白さが見えてくるかもしれません。

言語の進化によって生まれるものはAIには到底奪えない素晴らしいものです。我々人類が持つ"言葉"という文化を大切にし、より楽しい生活が送れますように。

ありがとうございました

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