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レイカーズオーナーのジェリー・バスの功績

ドクターバスことジェリー・バスは極めて優秀なレイカーズのオーナーだった。幼い頃は貧しい中で育ち、勉学に励むと物理化学の博士号を取得して教員になる。だが安定して資産を増やすことに関心があった彼は不動産投資を行いそれが成功。その財を利用して1979年にレイカーズを買い取っている。

当時マジック・ジョンソンがレイカーズの発展を支えたのも間違いないが、ドクターバスの功績は計り知れない。

まずハリウッドスター達へ無料でチケットを配布するとコートサイドへ座らせ、ファンへ自分達もあんなふうにクールに観戦したい、スターと一緒に観戦したいというイメージを作らせた。

またチアリーディングを導入し、リーグから何度も注意を受けながらも継続。今では各球団チアリーディングが当たり前となっているが、タイムアウト中などチームを華やかにさせる役割を持つ彼女達をNBAに持ち込んだのはドクターバスのアイデアだった。

さらにドクターバスはよりレイカーズを知ってもらえるように自らテレビ局を作り放送も行った。こうした徹底的なマーケティングでファンの母数を増やしていったのは間違いないと思う。

彼はまた判断力も迅速だった。それまでチームの売りだった速攻を封印し緻密なハーフコートオフェンスに無理に方向転換した指揮官、ポール・ウェストヘッドとマジックがシーズン中に衝突。メディアの前でマジックはコーチを痛烈に非難した際は翌日にジェリー・ウェストとパット・ライリーらと共にミーティングを開き、ウェストヘッドを解雇した。

その後チームの飛行機のチケット手配、メディア対応、荷物持ちなど、あらゆる雑用を経験して下積みをしていたライリーの能力を見抜くと彼をヘッドコーチへ昇格。最初は指揮官として現場経験のあるウェストと2人でコーチとされていたがウェストは辞退し、ライリーが就任した。

それからショータイムレイカーズと言われる時代が到来し、4回のリーグ制覇を達成している。

またコービーとの有名なエピソードもある。2009年から連覇をする前、彼はチームがなかなか補強をしないことに我慢の限界に達しトレードを志願。かなり本気だったがドクターバスは自らコービーへ歩み寄ると、“君はいわば4カラットのダイヤモンドだ。なのに1カラットのダイヤモンド4つとわざわざ交換すると思うか?価値は全く同じだと思うか?答えはノーだ”というような回答をし、最終的にコービーを残留させた。結果的にその後トレードでパウ・ガソルの獲得に成功し、2連覇を成し遂げている。

オーナーでありポーカープレイヤーとしても大型大会で結果を残したドクターバスの抜群の洞察力は、間違いなくレイカーズの運営と発展に大きな影響をもたらしている。静かにチャンスを待ち、勝負時にオールインをする。娘であり現オーナーのジニーは父のことをそう説明する。

今は亡き偉大なドクターバスの精神を受け継いで、現レイカーズオーナーのジニーは2020年以来の優勝を今後達成出来るか注目されている。

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