182.ゲッターロボ賛(コンV否定論)

 玩具の出来って、そんなに重要ですかね?

 「玩具でもTV本編同様の合体(分離)が可能になった」と言う賞賛が有りますが…いやいや。当時の視聴者としては、大いにガッカリしました。ロマン要素が減ったので。

 それにしても、キャンベル星人のネーミングがジョン・W・キャンベル先生にちなむ事の方が重要だと思いますが。

 第3話で、アシモフ大陸、ハミルトン海、ハインライン太陽、そしてラインスター・ミラーと言う名称が出ている以上、キャンベル星人もSF作家由来でしょうね、間違いなく。

 これらは辻真先先生の「お遊び」でしょう(ガルーダの「キャラクター造形に歪みあり、廃棄」も。これらを長浜監督が取捨選択した結果が、後番組のボルテスVだと思いますが)。また、辻先生の脚本は(『勇者ライディーン』から引き続き)SF的、あるいはファンタジー的にも良い出来なのですが…(CSで やっと まともに観た際に確認)、当時はロボットのデザイン、ギミックに失望し、ほぼ見ていませんでした。なので「南原ちずる萌え」と言うのも理解できません(同じ上田みゆき氏ならボルテスの岡めぐみの方が)。

 コンVの「5体合体」は、「5機の分離マシン+1体の合体ロボ=6」で、ゲッターロボの「3体合体3変化(=6)」を意識しているそうですが…いやいや。数だけ合わせれば良いってものでも無いでしょう(商業的には正解ですけど)。確か、当時は超合金のコンVとポピニカのバトルマシンが発売されてて、バトルマシンを集めると合体できる…つまりバラ売りとセット販売が有った訳ですが、プラモデルもバトルマシン(バラ売り)が有って、集めると合体できたはずです。非常にツマラナイ仕様ですね。

 前作に当たるライディーンは、超合金でライディーンが(変形可能)、確かポピニカでゴッドバード(非変形)が発売されてて、ライディーンを買って「余剰パーツ」をドライバーで外したものですが。アニメならではの「実写で無理な描写」が売りのはずなのに、商業主義の「再現性」に屈服したコンVには失望です(例えば、アニメの少年キャラには女性が当てられる事が多いですが、実写では それはまず無いですよね?)。

 ゲッターロボの売りはロボットが3体出る、と言うよりも個性(地形適応含む)で、「ゲッター1で不利なら2で」と言う展開に燃えたものですが、コンVは合体すると形態が1つしか無いので、それは出来ません。また、ゲッターチームは全員がメインパイロットですが、コンVは合体後の2号機以下のパイロットはサブで、精神コマンド要員です(ゴッドフェニックスっぽい。こっちはジョーが目立ってたけど)。つまり、合体後に個性が出ない訳で、単なる頭数で有り、「メカの数が多い」のは「売上至上主義」でしか有りません。

 後にタイムレンジャー(等のスーパー戦隊)でタイムロボα、β、タイムジェットの3形態が出た時は「ゲッター値高いなぁ」と思いましたが。

 以後の合体ロボットアニメで唸らされたのは、ザンボット3とキングビアル、ダルタニアスぐらいで、ゴッドマーズとかダイラガーとかは「数のインフレ」で全く感心しませんでした(前者は原作レイ●)。この時期はガンダムブーム(ガンプラブーム)によるリアルロボット志向だったのも原因かもしれませんが。

 アニメでぐらい、夢を見ていたいものです。

追記:そりゃまぁ、超合金のマジンガーZが受けた(売れた)のは、劇中通りロケットパンチが飛ぶからで、ジェットスクランダーとの合体も再現されてるからです(確かパイルダーの分離も)。これは仮面ライダーの「光る! 回る!」変身ベルトも同様ですから「作品同様のギミック」が売りになるのは判りますが、商品(現実)に作品(ロマン)を歩み寄らせるのは悪しき商業主義で有り本末転倒かと。スケール小さくなりますからね、「3体合体6変化」みたいに(シルエットが変わらない)。

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