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さよならは笑って

終わった。
私の3年が終わった。

大好きでどうしようもなくて、苦しくて、何度も後悔した恋が、終わった。


楽しかったね。幸せだったし、大好きだったよね。って言い合って別れた。

別々の道を車で帰る。
たぶんもう会わない。道でバッタリなんてことはない。そんな距離感の町だ。


よく分からない話し合いをした。
とにかく、もう好きじゃないのだ、と彼にしては珍しく誠実に伝えてきた。
それだけで、ああ好かれていたんだなと思えるくらいには、それを伝える彼の表情が辛そうだった。


ぐちゃぐちゃだ。
私はやっぱり泣けなかった。泣けたら良いのに。
失恋して悲しくて泣けたら良いのに。

どうにもできないまま、なんの整理もつかないまま、頭の中は悲しいでいっぱいなのにどうしてだろう。

明日から本当の意味で彼のいない生活をしなきゃならないのに。
美味しいものを食べても、綺麗なところに行っても、その感動を彼に伝えることはもうないんだ。
ああこれ彼が好きそうだな、とか。
これ一緒に行きたいな、とか。
仕事で聞いて欲しいことがあっても、風邪をひいて心細い夜も、もういないのだ。


いない、のだ。




最後笑って別れた。
グダグダ言って縋ってみたし、結局物分りよく終われなかったけど、でも笑ったのが最後だ。


どうか、彼の中で最後の私が笑顔であって欲しい。
彼といるときは楽しくて仕方なかった、彼に恋をして可愛かった私であってほしい。

出来ればたまにそれを思い出して欲しい。


痛い。まだ。
大好きでどうしようもない。

ずっと好きでいられるかな。いられたら良いな。

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