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ライスボール「景 -ひかり-」【歌詞解釈】

おことわり
noteはJASRACと利用許諾契約を締結していないため、全歌詞引用の歌詞考察の掲載は著作権法上の疑義があることから、本記事では全歌詞を引用せず、解釈の部分だけを掲載することにしました。
Amebaブログに歌詞を引用した記事を掲載しますので、ご興味がありましたらそちらをご覧ください。↓

1 タイトルについて

「景 -ひかり-」は、アルバム「NIPPON」の中で一番好きな曲です。
切ないけれど、ちょっと前向きになれるメロディーと歌詞。
どこかのTV局で恋愛ドラマの主題歌として使ってくれないかな
多くの人が共感してくれると思うのですが…。

さて、
この曲のタイトルを見て、私はあれっと思いました。
長尾景虎(ながお かげとら=上杉謙信)のように、「景」は「かげ」の意味もあるからです。

歌詞を読んでみると「傷つけ傷つき大人になる」「思い出だらけの街が泣いてる」のように、「かげ」っぽいイメージのフレーズもあります。

愛すること、生きることの「ひかり」と「かげ」を「景」の一文字に込めたのかなと思いました。

ちなみに、
この曲をプロデュースした太陽(ひかり)さんは、タイトルについて
「多田さんに曲のイメージとして送った詞に風景とか景色というワードが多く入っていたので、『景』を使ったのではないか」
と言っていました。(オンラインリリイベDAY2)
こちらが正解ですね。きっと。

【2022.1.23追記】

2022.1.22の「多田慎也 Project ApplePOP(FM青森)」で、この曲のタイトルについて、多田さんがお話しされていました。

  • この曲をプロデュースしたライスボール太陽(ひかり)から曲の世界観を散文詩でもらった。

  • その詩の中の日常の風景描写がきれいで、独特の深みと透明感を曲にした。

  • 太陽の散文詩のいい意味での「かげ感」もこのタイトルをつけるに至った理由の一つ。

(おまけの情報)
「景」の成り立ちは、「日」(意味)+「京」(音)です。
もともとは、日の光を表す漢字で、かげという意味は後で付け加わったようです。

川口恭吾さんが「景~hikari~」という曲を2006年に出しています。
バラードで、こちらも「ひかり と かげ」のイメージに合います(個人の感想です)。

2 「景 -ひかり-」とRINGOMUSUME「夏ノ蜜柑」は問答歌

「景 -ひかり-」の歌詞の第一印象は、閉塞感が続く社会に向けたメッセージでした。

「愛するって光だ」「お願い 光って」「微笑って」「振り返らないで」…、つらいことだけ見ないで、他人を愛する心をもって明るく今を生きよう、そんな思いが込められている気がしました。

でも、歌詞を何度も読んでいるうちに、なんとなくRINGOMUSUME「夏ノ蜜柑」と描いている世界が似ていると思えてきました。

そして、ふたつの曲を問答歌のように関連付けると、別の解釈ができるんじゃないかと考えるようになり、
「夏ノ蜜柑」は「男性とのひと夏の恋を忘れられない」女性の歌。
「景 -ひかり-」は「いつか必ず戻るから、信じて待っていてほしいと願う」男性の歌。

というイメージが沸いてきました。

3 「夏ノ蜜柑」の歌詞解釈

「夏ノ蜜柑」 作詞・作曲:多田慎也 編曲:島田尚

この歌に出てくる君(男性)は夢を追いかけて世界を常に巡っている人で、私(女性)は津軽の人です。
ある年の6月頃、君は旅の途中で津軽を訪れて私と出会います。
一緒に過ごすうちにふたりは惹かれ合っていきます。
そして8月、ねぷた祭りの夜にふたりは一緒に出掛ける約束をしますが、君は現れません。
私が胸騒ぎを覚えながら待っていると、知り合いが通りかかり、君がリュックを背負ってどこかへ歩いていくのを見たと告げます。
えっ?旅の人だとは知っていたけれど、まさか黙って去っていくなんて…。
私は驚いて、祭りの人込みの中を駆け出します。
思うように進めない中、リュック姿の人を見つけて、一生懸命走って追いかけますが、それは祭り見物に来た観光客でした。
その間にもねぷたの山車は次々と通り過ぎていきます…。
あの日の記憶は、夏の熱い風と祭囃子だけ。
どこをどう探し回ったのか…。今となっては、もう思い出せません。

あれから、2年。
君は、今どこでどうしているのでしょう。
そして、あの日の別れをどう思っているのでしょう。
あんなに君のことを想っていたのに、だんだん忘れてしまいそう
君に恋をしていたあの日がずっと続いていたらいいのに。
君との何気ない日常がこんなに尊いものだなんて、あの頃は気づかなかった。
こんなに切ない思いをするくらいなら、君と出会わなければよかった。
君に恋をしていたあの日のことを胸の奥にしまう日が来るのかしら。
いいえ、出会わなかったことにするなんてできない。
君とのkissが忘れられない。
涙が乾くまで、どれくらいの時間がかかるのだろう。
そうやって、だんだん大人になるのかな。
君に恋をしていたあの日がずっと続いていたらいいのに。
今年もまた夏が来る。君に会いたいよ。

4 「景 -ひかり-」の歌詞解釈

「景 -ひかり-」 作詞・作曲:多田慎也 編曲:島田尚

旅をしていても季節は巡るのに、僕の心はあの夏の日のままだよ。
黙って去ったことで君を傷つけてしまった。僕もつらかったんだ。
離れ離れになって、僕は君を愛していると はっきりわかったよ。

愛するって光だ。
離れているけど、僕の愛を君に届けたい。
街で見かけたあの人たちも、みんな今を生きている
(君も過去を振り返らないで)

君が明るくいれるように 僕の愛を伝えたいよ
どんなことでもいい 僕と過ごした日々を思い出して
いつかきっと君のもとへ戻るから 微笑っていて
幸せになろうよ
だって君と出会えたんだから

「出会わなければなんて思わないから」→ 出会ったことを後悔していないから → なぜなら、君との愛を叶えるつもりだから。

君と僕の思い出が詰まった街で
きっと君は泣いていることでしょう
つらい思い出も遠い日のきれいな思い出に変えてみせるよ

「涙のプリズムを新しい愛の光が照らせば、つらい思い出も空にかかるきれいな虹になる」というイメージ

君との何気ない日常が奇跡だったと今はわかるよ。
君がいない世界なんて、もう考えられない。

離れていても 僕のことを愛していて
ふたりで過ごしたまぶしい日々を思い出して
いつかきっと君のもとへ戻るから 微笑っていて
過去を振り返らないで
ふたりは今新しく出会うんだ

君も僕も 人生を旅している。
変わらない愛を心に、一緒に生きていこう。

歌詞の「花」は生まれ育った場所で生きる女性の、「風」は世界を流浪する男性のイメージです。
(というより、このフレーズから男性のキャラを思いつきました。)

君が明るくいれるように 僕の愛を伝えたいよ
どんなことでもいい 僕と過ごした日々を思い出して
いつかきっと君のもとへ戻るから 微笑っていて
幸せになろうよ
だって君と出会えたんだから

あとがき

実は、別のパターンも考えていました。

  1. 男性が女性に対して、自分とのひと夏の恋は忘れて、別の人と新しい幸せをつかむように願う

  2. 風の便りに女性が別の男性と結婚していることを聞いた男性が、遠くから女性の幸せを願う

これはこれで、人生のひかりとかげなので、タイトルとはマッチしますが、私としては、ふたりの恋が実ってほしいので、こちらはボツにしました。

ていうか、
黙って去ったくせに、女性が自分のことを想っていると信じているところが、イタイですね。
設定が甘いなあ…🤔

いろいろとほころびがありますが、素人の妄想なのでご容赦ください。

歌詞の世界に浸っていると、つい感情移入してしまって、理屈が関係なくなっちゃうんですよね😅

おわり

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