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JONAGOLD「7号線」~最後に残った君の肩の匂い~

ジョナゴールドさん、ソロデビューおめでとうございます💐
そして、iTunes Store総合アルバムランキング初登場1位おめでとうございます。

曲もMVもすごくいいので、多くの人に聴いて、見てもらいたいです。

1 曖昧さと切なさと

※ 歌詞解釈ではありません。
 「7号線」の全体的な印象と出だしの歌詞について、とりとめないことを書いています。

失恋ソングは、「悲しい」「戻りたい」「どうすればよかったの」……のような「感情」が歌詞に入っているのが定番だと思います。

たとえば、RINGOMUSUMEの「夏ノ蜜柑」は、別れた彼に会いたい思いがあふれています。

でも、「7号線」はそうではありません。

主人公の感情をストレートに表現する単語が、歌詞にないのです。
(しいて言えば「悲しい歌を指先で飛ばす」ですが、これも「悲しい歌」であって、本人の気持ちそのものではありません。)

感情ばかりでなく、別れに至った理由も曖昧です。
「どこで誰と?」「答え合わせもない」「ため息も 嘘も」といったヒントはありますが、はっきりしません。

さらに言うと、失恋を忘れて、新しい生活に向かおうとしていますが、明確な未来が描けているわけでもありません。

すべてが曖昧で、ぼんやりしています。

もちろん、それが悪いと言っているわけではありません。
私自身は、行間(余白)から物語を想像させてくれる「7号線」の歌詞が好きだし、Jさんの歌い方も切なさを十分表現していると思います。

というよりも、
歌詞の行間(余白)の広さ、曖昧さゆえに、聴いている人それぞれが抱く切ない想いを受け止めてくれる曲になっていて、そこが「7号線」の魅力なのかもしれません。

2 最後に残った君の肩の匂い

(1) 生理学的な話

見えてたものから 忘れていくから
最後に残った 君の肩の匂い

「7号線」作詞作曲:多田慎也

いきなり現実的な話で恐縮ですが、

嗅覚とそれ以外の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)は、脳に信号が伝達される経路が違うそうです。
嗅覚は、それを感知する嗅細胞から記憶を司る海馬、偏桃体に直接つながっています。
一方、それ以外の感覚は、視床という部分で、一旦情報を整理してから、大脳に信号が送られるのです。
そういうことなので、
嗅覚が喚起する記憶は、論理的なものではなく、本能的、感覚的なインパクトが強いもの
なのだそうです。

また、女性は、遺伝子の型が遠い男性の匂いを好むという実験結果を聞いたことがあります。

だから、「君の匂い」の記憶が最後に残るというのは、科学的にも十分あり得る話です。

もちろん、多田さんは、そんな無粋な理由でこの歌詞にしたわけではないでしょう。

見たこと、聞いたことというのは意外と不確かなもので、無意識の記憶が実は一番確かなんだ、ということが言いたかったのかもしれません。

あるいは、
写真や手紙や音楽のファイルは、捨てたり、消したりできるけれども、だからといって、恋愛の記憶を簡単に忘れることはできない、ということなのか?

それにしても、「見えてたものから 忘れていくから」って、どうすればこんなフレーズを思いつけるんだろう?

(2) 君の肩の匂いの思い出

※ 私以外にはどうでもいい話です。

私は、若い頃に編み物にはまっていた時期がありました。

当時買った本。7、8着は編んだと思う。
もう、いまは編み物をする根気がない。

自分用ばかりでなく、当時付き合っていた彼女に、淡い緑の糸でサマーカーディガンを編んだこともあります。

編んでいる途中で、肩幅のサイズをチェックするために後ろから当てがったときに、そんなに長い時間ではなかったのに移り香があって、彼女が帰ってから続きを編もうとして、それに気づいて急にドキドキしたものです。

今でも、ニットの匂いで、(彼女の匂いはしないのに)そんなことをふと思い出すこともあります。
彼女の肩は、華奢だけど柔らかだったなー・・・・・。

今、おっさんがこんな話をしてもキモいだけですね……🙇‍♂️

おわり

昔の和歌にも
「あなたの匂いが移ったこの袖で涙を拭いています」
とか
「あなたの香りが消える前に逢いに来てください」
なんて歌がたくさんあります。
これって、日本人だけの感覚なんですかね?


MVの[Special Thanks]青森ダイハツモータース 弘前城東店なので、Jさんが乗ってるクルマはこれでは?

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