電熱ウェアの正しい着用
冷え込みが厳しい季節だがカラッとした晴天続きでバイク乗りには気持ちいい時期でもある。
幸い関東地方は降雪や路面凍結などが起こりにくく、真冬でも週に3日から4日は3時間ほどバイクに乗ってツーリングに出かけている。
私のように電熱ウェアと電熱グリップで武装しているバイカーにとって寒さは走りの楽しさに加わる薬味みたいなもの。快晴だけど寒い日だから、、、と乗らないという選択はない。
快晴であれば出掛けるか出掛けないかを決めるのはあくまでもその日の気分だ。
そういう意味で電熱ウェアは絶対にお勧め。バイク乗車中もコタツに入った様に暖かい。(大袈裟ではない)
ただし、正しく着用している場合に限る。
たまに電熱ウェアに否定的な意見を聞くが、単純に使い方を間違っているのではと思われるので、この機会に参考として、私の電熱ウェアとの快適な付き合い方について書き残しておく。
私が使用しているコミネの電熱インナーウェア(長袖タイプ)のリンクを貼っておく。
電気用品安全法(PSC)物なのでネットで購入できる安い中華製はまだ信頼性に欠けると考え、PSC認証があり、日本企業がPL責任を持つ商品を選んだ。(手袋ならまだしも、インナージャケットだけに走行中に火でも噴いたらすぐに対応できないので軽傷では済まない)
さて、まずはこの電熱ウェアを2シーズン使い込んできた感想だが、もうこれなしでは冬季にバイクに乗れない程の快適さと言える。前述したようにコタツに入っているような暖かさが走行中永続的に続く。
この電熱ウェアを購入する前はユニクロヒートテック、ウールの厚手のセーター、ウルトラライトダウンにワークマンのイージスシリーズのバイクジャケットを重ね着していたので、日中外気温5−6度、1時間程度の走行であれば問題はなかった。ただ、高速道路事故渋滞に巻き込まれて日没となり、迂回路に出て真冬の下道を3時間くらい走行した時は耐えられない程の寒さを経験した。(体感はマイナス温度)
おかげで何度もコンビニに寄らないと身体が凍傷になりそうな程の寒さだった。
走行時間の経過とともに外気と走行風が服の中の熱を奪うという単純な理屈だ。
こんなことがあっても真冬に出かけたいので電熱ウェアを試すことにした。
しかし、着用方法を誤ると電熱ウェアは万能ではない。つまり着用さえすればあらゆる条件下で暖かいというわけではない。
コタツに例えたが、それと同じく温熱源と考えれば、机の状態のコタツを部屋に出して空気に晒してもエアコンのようには暖まらないことはお分かりだろう。
コタツは、コタツ布団の中を温める温熱源にすぎないのだ。
電熱ウェアも原理は同じ。
つまり電熱ウェアを包む様に(ある程度首元とウエストを締め付ける様なサイズ感)上着を着用しなければ熱が逃げる。
私の現在の冬装備は以下の通り。
長袖下着(ヒートテック)、薄手のウールハイネックセーター、電熱ウェア、ウルトライトダウン(袖なし)、革ジャン。あとはネックウォーマー。
これで昼間ならば5度程度の外気温でも走行中暖かい。10度になると暑くて汗をかくらい💦。
暖かさのモードは強、中、弱と三段階で選べるが、60kmで走行する下道ならよほど寒くても中で十分。バイクのバッテリーから直接電源を供給しているので時間の制約なしにいくらでも走れる。
ポイントは首元をネックウオーマーなどでしっかりと閉じて身体内部への走行風の流入を避ける事と、電熱ウェアが発する温熱源をダウンなどで体を包み込んで保温する事だ。(ちなみに間違えてダウンを電熱ウェアの下に着た時は熱源から遠くて身体に届かないので全然暖かくなかった。)
電熱ウェアの効果がわからないという人は間違いなく電熱ウェアと素肌の間を分厚い服等で遮ってしまい熱が体に伝わっていない、保温効果が得られない、体の中で外気が循環してしまう着方をしているからと思われる。
人の体は体温が温熱源だが、走行風により外気循環が起こると体温が奪われる。しばらくは体温と外気循環とのバランスが取れているが、常に体温が奪われる状況となると発熱するために体は震えるようになる。つまり寒いのだ。
熱源である体温を奪われては長く走行できない。
電熱ウェアは体温の代わりに服の内部に常に熱を供給し続けてくれている。
だから体温が奪われないのでいつまでも快適に走行できるというわけだ。
初夏の夜など、高い外気温と走行風で冷やされる身体の関係が釣り合っていると快適に感じるようなケースと同じ。
せっかく良い製品なので原理を正しく理解して正しく使おう。
ちなみにヒートテックの上に直接電熱ウェアを着ずに薄手のハイネックセーターを着る理由は保温もあるが低温やけどの予防である。(本当に低温やけどになるかは試していないし今後も試すつもりはない。)
この記事が電熱ウェアの購入に迷っているバイカーの参考になれば幸いである。
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