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ZARD『お・も・ひ・で』
どーも、ゲッティです。27日。坂井さんの月命日ですね。
いつも寄り添ってくれるZARD/坂井泉水さんの歌、詞に感謝です。恩返しに少しでも皆さんにも興味を持っていただけたらと思い、曲紹介をします♪
今回は『お・も・ひ・で』をご紹介!
『お・も・ひ・で』
『お・も・ひ・で』(作詞:坂井泉水 作曲:寺尾広)は31thシングル『この涙 星になれ』のカップリング曲ですね。「チェンジ伊豆2000」のイメージソング、テレビ朝日系『贅沢な休日』のテーマ曲として使用されました。
坂井さんは『お・も・ひ・で』について以下のようにお話しされています。
『お・も・ひ・で』は哲学的な詩を書きたいと思っていたので、ちょっと俳句のような文章にしてみました。誰の心の中にもあるふるさとのように懐かしく思い出す場所、帰る場所……。
"故郷は遠くにありて思ふもの"という言葉を現代的に表現したつもりです。
Q:歌詞に伊豆の地名が出てきますが、坂井さんのお気に入りの場所があれば教えてください。
A:伊豆と言えばやっぱり温泉!露天風呂で景色を見渡しながらボーっとするのが最高ですね(笑)。あ、一度大室山にも行ってみて下さい。
Q:坂井さんにとって"お・も・ひ・で"とは?(実際に心にある場所、イメージ等なんでも結構です)
A:宝物
Q:坂井さんの宝物は何ですか?
A:一番が「命」、二番目が「ラブ」と「応援してくださる方々」かしら…?
坂井さんの一番の宝物が「命」…。なんだか切なくなりますが、二番目の「応援してくださる方々」や多くの人の心の中で生き続けてますし、次の世代にも、そのまた次の世代にも、ずーっと語り継がれていく存在であってほしいですね。
大室山
坂井さんが「大室山にも一度行ってみて下さい」というので、行ってきました!
夕暮れではありませんが、麓にあるさくらの里で桜とセットで見ました🌸
満開は過ぎていましたが、綺麗でしたね。
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リフトに乗って頂上へ
![](https://assets.st-note.com/img/1681892717196-8qel3aFHuo.jpg?width=1200)
天気も良く、頂上からは富士山も見れました🗻
![](https://assets.st-note.com/img/1681892734118-T4OFFA2ulk.jpg?width=1200)
坂井さんは大室山の頂上から何を見て、どんなことを感じていたんでしょうか?妄想がはかどりますね🥰
次は歌詞に出てくるように、夕日を見に行こうかな🌇
『お・も・ひ・で』を語るうえで欠かせないのが、室生犀星の『小景異情』という詩です。紹介します。
小景異情
坂井さんが仰っている”故郷は遠きにありて思ふもの”で始まる詩は室生犀星の『小景異情』という詩です。
ふるさとは 遠きにありて 思ふもの
そして悲しく うたふもの
よしやうらぶれて 異土の乞食と なるとても
帰るところに あるまじや
ひとり都の ゆふぐれに ふるさとおもひ 涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこに かへらばや
遠きみやこに かへらばや
この詩の訳がこちらです。
ふるさとは、遠く離れてなつかしく思い出して悲しく歌うべきもので、たとえ異郷で乞食(かたい)に落ちぶれても帰って来るべき所ではない。
ふるさとを遠く離れた都会で、夕暮れには望郷の念に涙ぐむのが常だが、その思いを心に抱いてまた都会に帰って行こう。
室生犀星の生い立ちとこの詩についてまとめてくださっていた方がいらっしゃったので、紹介します。
室生犀星は、複雑な宿命を背負っている詩人です。
その生い立ちを辿ってみましょう。
1889年(明治22年)、ある赤ん坊が金沢で生まれました。(後の犀星です)
実父・小畠弥左衛門吉種は、加賀藩の足軽頭をつとめたことがある人物です。
実母・ハルは、小畑家に仕えていた女中でした。
二人の間に生まれた赤ん坊は、無名のまま、赤井ハツという女性に手渡されました。
養母・赤井ハツは、雨月院の住職・室生真乗の内縁の妻でした。
ハルの私生児は、ハツの私生児として、照道と名づけられて届け出されました。
この生い立ちは、犀星の生涯に長々と暗い影をおとします。
幼少期の犀星の励みとなったのは、文学でした。俳句や詩などを書いて、新聞や雑誌に投稿するようになりました。
1910年(明治43年)、犀星は20歳で上京を果たしました。文筆で身を立てようとしましたが、自立するまでには時間がかかりました。養父からの仕送りに頼らざるをえなく、東京と金沢を行ったり来たりの生活が長く続きました。
戻りたくない金沢に嫌々ながら足を踏み入れて、そして書かれたのが「小景異情」です。
これは驚きました!都会にいて故郷を想っていると思いきや、実は逆で故郷に戻ってきてしまい、都会に戻ることを想っている詩だったとは!"故郷は遠きにありて思ふもの"の部分だけ見るとわからないですね。
『お・も・ひ・で』の歌い出しが「まばたきをした一瞬に思い出すあの都会(まち)」です。都会を「まち」と読むのはZARDあるあるですが、「なんで故郷のことを想っているのに都会なんだろう?」と疑問に思っていました。
この詩を知ってから「故郷でのことを思い出して頑張ろう」という視点ではなく、「上手くいかず戻ってきてしまったけど、再出発しよう」といった視点で『お・も・ひ・で』を聴くと感じ方が変わりますね。
この詩について知ってから、『お・も・ひ・で』でより好きになった部分があります。
ラスサビで「明日の風に向かって 歩き出そう君と」とあります。室生犀星は都会で孤独だったのかもしれませんが、坂井さんは再出発しようとする人を一人にせず、誰かとともに歩き出すストーリーにしてくれていますね!
坂井さんにとっての「”お・も・ひ・で”=宝物」が「ラブ」ですから、愛を感じられるストーリーになっていて、温かい気持ちになりますね💓
どんな時でも、音楽を通じて坂井さんが一緒に歩んでくれているのを感じることができて幸せです。
さて、ここからは『お・も・ひ・で』の好きな詞をご紹介♪
自分の考えや解釈を押し付けるつもりはありませんし、違和感を覚える方もいらっしゃるでしょうが、「そんな考え方もあるんだな」程度に思っていただけたらと思います。各々の感じ方や曲と結びつくご自身の思い出を大切にしていただけたら幸いです✨
好きな詞
その1:「十年後のアルバムを いつか開くように」
今しんどいことでも、乗り越えたり、対策したりできると、時間が経ってから「あんなこともあったなぁ」と思えることってありますよね。
室生犀星の詩から考えたら、10年後のアルバムはどこで開いているかわかりませんが、故郷に帰ることもあったなと思ったりして。
今やるべきことをしっかりとやりながら、未来から今を見たら「いい経験だった」と感じられるように過ごしていきたくなりますね!
もちろん、「今はしんどくても頑張ればいいよ!」と綺麗事ばかりいうつもりはなくて、今感じているしんどさや苦しさに寄り添っていけるようになりたいですね💓
その2:「見失う 昔の自分を取り戻したくて」
自分の状態が良くない時って「昔はこんなこと簡単にできたのに」とか「夢を見始めてた時の方が頑張れてたな」と感じることがあるんですよね。
昔には戻れないですし、変化はしてるので違った良さがあるのもわかりますが、とはいえモヤっとする時あります。
いきなり「昔には戻れないよ」と言われると「そりゃわかってるけど」と反発したくなりますが、「昔の自分になりたい時もあるよね」と共感してもらえると、「わかってもらえた」と思えて、「また頑張るか」と前に進めるなって楽になりますね😄
自分の状態に合わせて、坂井さんがいろんな曲・詞を通じて寄り添ってくれたり、背中を押してくれたりするのは本当に感謝ですね🥰
その3:「太陽が昇るように 前向きに生きたい」
「前向きに生きる」という言葉を「太陽が昇るように」という比喩を使うのは詩的ですよね☀
ありきたりな言葉かもしれませんが、「明けない夜はない」という言葉があるように、必ず太陽って昇りますし、苦しい時があっても、明るい時も必ずありますよね。
ただ前向きに生きるだけでなく、周りを照らしていくような、他の人にも自分のエネルギーでいい影響が与えられるような前向きさで生きていきたいです✨
その4:「自分らしく生きること 自分を愛すること」
「自分らしさとは?」「愛するとは?」誰もが一度は考えたことあるのではないでしょうか。
僕は「自分を愛する=ありのままの自分を受け入れる」だと考えているので、良い部分も悪い部分もひっくるめて、ありのまま=自分らしさを受け入れてあげようと思います😄
しんどい時ほど自分責めをしがちですが、そんな時は『お・も・ひ・で』を聴いて、坂井さんに受け入れるのを手伝ってもらいます💓
その5:ラスサビ
その笑顔忘れないで 経験重ねても
失いたくない夢の 色が塗り替わっても
everyday and night
明日の風に向かって 歩き出そう君と
短い期間でも本気で取り組んだり、いろんな出来事が重なることで笑顔が失われることもありますよね。「年を重ねる」ではなく、「経験を重ねる」というところに坂井さんの温かさを感じますね🥰
ラスサビは全体的に好きなんですが、特に「失いたくない夢の 色が塗り替わっても」がとっても好きなんですよね!
自分語りで恐縮ですが、どうしてもやりたかったことがうまくいかず、夢破れた経験がありますが、違う形の素敵な未来に出会えました。描いた夢と今やっていることは違いますが、伝えたい想いや満たしたい価値観は共通ですし、形は違えど叶っています✨
手段や形、色、大きさは違えど、夢そのものの本質をあきらめずに頑張ろうと思える本当に素敵な詞だなと思います。
最後の詞で周りにいる人や坂井さんが伴走してくれる感じもあって、また頑張るぞと思える曲の締めくくりで、勇気をもらえますよね!
終わりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
『お・も・ひ・で』は歩みを進めたくなる時、昔を懐かしみたくなる時に聴くことが多いですが、本当に素敵な曲ですね♪
室生犀星の詩についても知ったことで、また味わい深く感じられるようになりました✨
ぜひサブスク等で聴いてみてください(^^♪
坂井さん、これからもどうぞ、寄り添ってください。
(本文の歌詞は『お・も・ひ・で』作詞:坂井泉水 作曲:寺尾広からの引用)
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