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屁という漢字には、比べるという字がある。
昼過ぎ、会社のトイレに行った。
5つある個室のうち、奥からふたつ目だけ閉まっており、小便器は誰も使っていなかった。
チャックをおろし、いざ出さんとしたその時、個室から「ぷり」と音がした。
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一瞬の静寂。おそらく、屁のこき手はやや汗をかいていたことだろう。
そこでおれはすかさず、「ぶり。ぶりり」とやや大きめの屁を返した。
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先ほどよりやや
お前の好きな色はなんや?覚醒
勢いよく起き上がったはいいものの、肝心の脳みそはまだ寝転んでいると錯覚しているようだった。脚がよたよたとおぼつかない。一旦ベッドに座り直して、体を重力に慣れさせる。意識と身体は繋がってなどいない。毎朝それを感じる。意識はきっと別の次元に存在していて、そこから命令を肉体に送っているに過ぎないのだ。おそらく死んだ後は、意識は宇宙のどこか遠い場所に飛ばされ、そこで現世で得た記憶が蓄えられるのだ。この人生
もっとみるおれは上手く話せない
#1 .始まりはいつも無音
「吃音症」
その言葉の意味は、その言葉を覚えるより前に知っていた。最初に自覚したのは小学4年生の時。塾の夏期講習で、発表しようとした時だった。手をあげて、答えを言おうとした。が、上手く言葉が出てこない。それが、おそらく最初の記憶。自分の話し方が変だと、小学校を卒業する頃にはとうに気付いていた。
中学生に入り、事態はより深刻化する。忘れもしない、初めての英語の授業。新品
「お前の好きな色は何や?」 反抗
幸彦はその後もしばらく学生時代の記憶を旅していた。そのおかげでモーニングルーチンであるヨガをする時間がなくなってしまったが、そんなの些細なことだ。あえてやらない日を作るというルーチンにしようか、などとぼんやり考えながら、寒さを紛らわすためにあえて布団を思いきり蹴飛ばし、起き上がった。
幸彦は人と比べてよく頭が回る方だ。これは幸彦自身がそう思っているだけだが、あながち間違いではない。幸彦は幼い頃か
潔癖ないない
潔癖すぎて、公衆便所の便座の汚れを舌で綺麗に舐め取ってから用を足す
お前の好きな色はなんや?
無数の針が肌を優しく、それでいて確かに刺してくるような冷たい空気が身体を包み、その日は目を覚ました。その日は、というよりも、ここのところ毎朝同じような朝だ。1人で過ごすには幾分寒すぎる。瞳を世界に触れさせてやろうと試みるが、瞼は何かで貼り付けられたかのように重い。眉間を必死に上に伸ばしている今の顔は、きっと恐ろしく不細工であろう。この珍妙な顔を見てけらけらと笑う架空の恋人を想像しながら、幸彦は右手
もっとみるマジレスとツッコミの境界線①
先日Twitterでこのようなやりとりを見かけた
ツイート主「カドケシみたいなアパートがあったら、下にも横にも迷惑かけないから最高じゃん!」
リプA「でも空いてる空間がもったいないですね…空いてる空間にも部屋を作るというのはどうですか?」
リプB「いやそれ意味ないやん」
さあ、ここまで読むとあなたはどれがボケでどれがマジレスでどれがツッコミかわかるだろうか
言わずもがな、ツイート主は意見
アルティメット桃太郎
おじいさんは山で死ばかりに、
おばあさんは川で選択を。
すると、川の上の方から
“Don't black all, Don't black all.”(何者も穢してはならぬ。何事も塞いではならぬ。
という叫びと共に、幾千もの骸が流れてきました。
「爺、しくじりおったな…!」
おばあさんは強靭な脚に軽く力を込めすくりと立ち上がり、叫びました。
“Mom, you outlaw. On
金が大量に発見され銀と金の価値が逆になりました
雄弁は金、沈黙は銀、copperは銅
百聞は一見にしかずは、百見は○○にしかず?
百聞は一見にしかず
という故事成語がある。
「百聞」とは読んで自の如く、「百回聞くこと」である。
「一見」とは、「一回見ること」である。
つまり、「人から何度も聞くより、実際に自分の目で見た方がよい。」という意味である。
しかし、故事成語は何千年も前の中国の経験則からなるありがたいお言葉を、数百年前に日本語に直したものである。その言葉が、現代社会でも全く同じ意味で解釈・活用されるべきかと問わ
宗教問題が発展しきった後の世界のことわざ
豚に信者 猫に交番