見出し画像

2020年、野球、クラフトビール

ご時世もあって、2020年はなかなか外で飲む機会に恵まれず、貴重な「誰か一緒に飲む」という機会の記憶が残りやすかった。その中で最も記憶に残った横浜スタジアムでのクラフトビール体験を書き残しておこうと思う。

ベイスターズとクラフトビール

横浜ベイスターズでは球団が各醸造所に依頼してクラフトビールを製造しており、スタジアム内の売店やビール売りのお姉さんから球団オリジナルのクラフトビールが買える。

レギュラーラインナップは常陸野ネストで有名な木内酒造が醸造する「ベイスターズラガー」と、関内に店舗を構える横浜ベイブルーイングが醸造する「ベイスターズエール」の二つ。

このビールは本当にうまい。味がうまいのはもちろん、飲めば思い出す「これまで横浜スタジアムで味わってきた感情」がある。

強烈な西日で乾いた喉を潤すように流し込み、声出して応援して枯れた喉を癒すように流し込み、ホームランが嬉しくてハイタッチしながら流し込み、とにかく流し込み、勝ったり負けたりしながらしこたま飲んできた。

画像1

1回目の横浜スタジアム

行けたのは8/14のヤクルト戦と10/24の広島戦の2回。人数制限もありチケット入手は困難、今年は無理だろうなと思っていたので非常に嬉しかった。

1回目は無観客試合が終わってしばらく経った頃、第2波の真っ只中ということもあり規制が徹底していた。

外野席は販売されず、内野席も1列に2-3人しか座れず応援もなし。声を出せば警備員さんが飛んできて、プレイ中でもセミの声が響き渡り、ベンチから選手の声が聞こえてきて、投手の投げた球がミットにおさまる音が聞こえてくる。

スタジアム全体がどこか冷静で、でもスタジアムに来れたことが嬉しくて、いつもとはちょっと違ったビールだった。ちなみにこの日は今季2ケタ勝利を達成した大貫が登板して勝った。

2回目の横浜スタジアム

2回目は客数を収容数の80%まで上げる実験期間に当たった。自チームの攻撃時には応援団がリモートで応援する音がスピーカーから届き、声は出せないものの1回目に比べると球場全体から伝わる確かな熱気があった。

この日はビールが本当にうまかった。しこたま飲み食いして、途中でビールを2回ひっくり返すくらい幸せだった。10月半ばのシーズン野球はこれが最初で最後だろう。

この日は負けたけど、コロナ前の野球が戻ってきた感じがしてとてもポジティブな気持ちでビールが飲めた。

おわりに

画像2

期限付きの酒類小売業免許が設けられるなど世間の後押しもあり、ビアバーでグラウラーにクラフトビールを詰めてもらって家で飲むなど、新たなスタイルで新たなビールとの出会いもあった。

それはそれでよいのだが、やはりお酒をよりおいしくしてくれるファクターとして「誰かと飲むこと」というのが確実にある。

来年は誰かと飲むことが当たり前になりますように。野球観戦に行って応援できますように。一緒にグラスを掲げてくれた人と来年も楽しく一緒に飲めますように。乾杯。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?