初めてのドライブ②

屋根を開けてドライブするならどこかいい感じの道がいい。実は一つ心当たりがあった。国道413号、道志みちだ。
高校の時に森林伐採のボランティアをやったときに、ここの道の駅で休憩したのだが、たくさんかっこいい車が止まっていたので、そういう場所なんだと記憶していた。一個ヘンテコな車が止まっていたが今ならわかる、あの車はロータスヨーロッパだった。

どうせなら一筆書きのようなルートにしたいので、googlemapを見ていた。すると山中湖小山線(県道730号線)というのがあるらしいのでそこを通って帰ることにした。

当日の朝は雨だったが、11時くらいになると晴れてきたので出発した。行きの東名高速は混んでいて、30キロくらいしか出ていなかった。(これでもマシな方だ)相模愛川で降りて、道志みちの手前の広い駐車場のあるコンビニでMR-Sの屋根を開けた。

格別であった。家の近所で屋根を開けて走ったことは一度あったが、恥ずかしくなってやめた。しかし道志みちでのオープン走行は素晴らしい。風や鳥と一緒になって、まったりとドライブする。これほど楽しいことが世の中にあったとは。

割と後ろから車が来るが、2、3回カーブを挟むともうミラーの中で小さくなっていた。しかし、どうし道の1.5車線区間で一度だけトラックと正面衝突しそうになった。MR-Sの小ささ、ブレーキ性能に救われた。

最初に目指したのは「どうしの湯」だ。温泉ではないが、その代わり入浴料が安く、食堂もついている。道志みちからそれると狭い道に入るので、注意が必要だった。しかし、奥まったところにあって静かで、景色もかわいらしい。温泉ではないが露天風呂があり、いい気持ちだ。風呂上りにざるそばを食べて出発した。

どうしの湯から先はその手前ほどいい景色ではなかったが、最後は富士山がバーっと見えるのでそこだけはよかった。山中湖につくと、そのまま折り返すように山中湖小山線に入った。なかなか気分のいい草原の上り坂だったが、メインは別にある。パノラマ台だ。駐車場はほぼ一杯で、何とか止めることができた。ここからの富士山はまるで教科書のような富士山だ。しかも斜面の途中にあって自分の愛車と富士山を写真を収めることができる。

これだけでもこの道を通った甲斐があったが、さらに素晴らしいのはこの先の下り坂である。かなり曲がりくねっていて坂も急な危険な道だが、相模原を一望できる素晴らしい道だった。位置は少し違うが大山から見た景色を彷彿とさせる。

山中湖小山線は楽しかったが、このあたりで時間は15時を過ぎており、そこからの246号線は渋滞していて、楽しくなかった。しかしもっとひどい目に合うとは。

実はこのドライブの日に友達が北海道に引っ越すのでみんなで見送ることになっていたのだ。googlemapのナビは問題なく間に合うといっているのだが、ここまで来るのに、なぜかナビよりも2倍近くかかっている。つまり時間が押していたのだ。そして秦野中井PAで休憩した後、度肝を抜かれた。進まないのだ。

悪名高き海老名の渋滞である。進んでは止まり止まりは進んで、時間の感覚がなくなってゆくのだ。子供のころの思い出がよみがえる。お出かけ先でぐずぐずしているとパパがイラついてくるのだ。
「早くしないと渋滞に捕まる」
そして僕は捕まっていた。20年物のMT車で。

もうめんどくさくて仕方がない。時間がどんどん過ぎていくが、動かないものは仕方がない。もうとっくに集合時間は過ぎていた。渋滞を抜けたころにはもう日は沈んでいて、あと少しすると友達は検査場に向かう時間だった。
だが何とか5分前に到着できて、いってらっしゃい、 ということはできた。よくやったMR-S。



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