北大に出現する韓国人宗教団体に着いて行った話
昨年冬。
道を歩いてたら韓国人女性3人組に声をかけられた。
ウッキウキで応じると、「北大を案内してほしい」と。テンションがちょっと下がった。
少し話を聞いてみると、彼女らはキリスト教の学生団体なんだそうだ。
それで、「明日パーティーがあるんだけどよかったらきませんか?」と誘われた。
テンションが爆上がりした。
おいおいこれは。ヤバめの宗教の勧誘じゃないか。「キリスト教系の学生団体」とか。どう考えても「それ」じゃん。
大学生になったらこういうの経験してみたいと思っていたんだよ。ずっと待ってたこの機会、逃す手はない!
ということで二つ返事でパーティーに参加した。
韓国人学生約20人に対して、日本人は3人くらい(うち1人は団体所属者)のパーティーであった。
ゲームをして、ごはんを食べて、おしゃべりをして楽しんだ。ソン・フンミンとかイ・ガンインの話はとくに盛り上がった。
…という感じで総じていえば、異文化交流ができるフツーの会だった。
フツーではなかったこともあった。
ひとり、やけにベタベタくっついてくる女の子がいた。
「かっこいいね」
「かのじょいる?」
「すきすき」
「あいらぶゆー」
テンションが最高潮になった。
おいおいこれは。ハニートラップじゃないか。
まるで教科書通りの流れがきている。
さあ、いつ勧誘されるんだ…!?
…。
そしてぼくたちは解散した。何事もなく。
お、終わり…?
ただ楽しんだだけ?
テンションがかなり下がった。
しょんぼりしていたその夜、ハニトラちゃんからDMが来た。
「うちのチームで明日観光名所に行くんだけど、あなたと一緒に行きたい」
!!!
まだ終わっていないじゃないか!
いやーそうだよなそうだよな、大学でも注意喚起されてる通りだ。
はじめのうちは宗教色は出さないで、仲よくなって後戻りできなくなってから…ってやつだよな!
すぐさま「yes of course」と返信して、ワクワクしながら眠りについた。
翌日、北海道神宮に集合。
韓国人20人に対して、日本人はぼくただひとり。完全アウェー。絶好の機会。
ぼくは「日本の文化」のスペシャリストとして、神社についてのありがたい御高説を彼らに与えながらのんびりと神宮をまわった。全部知ったかぶり。
「神社おもしろい!」と話を興味深そうに聞いてくれたが、ぼくとしても興味深いことが多かった。
彼らは神社の鳥居で頭を下げることは憚られるようだ。ちゃんとしてるなあと思った。(深々と頭を下げる背信者もいた。「ちょっと何やってんの!」と小突かれてた。ふざけてるなあと思った。)
ひととおり神社をまわって、カフェでだらだらと世間話をして、ジンギスカンを食べて、解散した。とてもたのしい1日だった。
…?
ぼくたちは解散した。何事もなく。
そして、彼らは帰国した。
帰ってしまった。
これでは勧誘は難しいだろう。唖然。拍子抜け。
何も…なかった。
いやかなり楽しかったけれども。
ハニトラちゃんとか。
カフェでのおしゃべりとか。
…カフェでの会話を思い出す。
「Georgeハ、ケツダンリョク、アリマスカ?マヨウコト、アリマスカ?」
「めっちゃあるー。自分ですぐ決めたくなっちゃう。選択で迷うことは…あんまりないかなあ。」
「サイキン、ナヤミ、アリマスカ?」
「悩みかー、ほんとにストレスフリーで生きてるからなあ。あ、単位がやばい笑」
「マワリニ、タヨレルヒト、イマスカ?」
「いるー。というかいつも他人に頼ってばっかりだよ〜。」
「Georgeハ、 ヨイcommunityアリマスカ?」
「めっちゃある!サークル10個くらい入ってるんだ〜!」
フラグ、めっちゃあったじゃん。