フィリピン社会から見える幸せの在り方(5)

今後の日本人の方向性

今まで見てきた中で、現状の日本人は何が辛くて、どこを修正すればいいのかという点が朧気ながら見えてきたと思います。それはマズローの欲求5段階説でいう第3層である社会的欲求をどう維持していくのかという点です。では、考えられる施策を上げてみます。

1、婚姻率を上げる
20代、30代の独身の人達に、独身であり続けることの危うさを地道に伝えていく必要があります。ただ、これはかなり前から行われてきている印象ですが、全く効果が見られません。一般的にはFacebookなどのSNSの影響で、友人同士の見栄の張り合いが影響して、誰もが理想の結婚を追いかけているので、多くの人が結婚できないようです。改めて、独身の人達に「40代、50代になった時に、独身でいる覚悟があるかどうか」を確認したいところです。また自分が40代になった時に、5段階のどこが満たされていて、どこが満たされていないのかを想像させる必要があります。

2、大家族に戻る
政府でも3世帯住宅を税金で優遇するなどの施策を行っているので、多少は効果が出るかもしれません。ただし、これはお金持ちの家にしか関係ない話なので、効果は限定的かもしれません。仮に本気で取り組んでも、フィリピンのようになるには50年、100年以上はかかりそうです。

3、会社の仕組みを家族主義にする。
家族主義に戻せば、従業員は会社に属している間は幸せを感じやすくなると思います。ただ、今の社会情勢とは、逆行しているので、これは完全に望み薄でしょう。今後は、むしろリストラされやすい方向に向かっていくと思います。

1、2、3は所謂、昭和的な時代の人生です。そのような方向に戻ればいいのですが、現実問題として大幅に改善されるとは思えません。他には何か方法はないのでしょうか?

4、フルサトを作る
一般的には故郷といえば実家を表します。でも、あえて、ここでフルサトとしたのは、それは実家を表すのではなくて、家族より緩い共同体を表しているからです。これはニートであるPhaさんが提唱しています。具体的にはこの本に書かれています。イメージで言えばこんな感じです。
つながりの強度(友人 < フルサトの共同体 < 村社会 < 家族)
社会的な目的を持った友人という位置づけになるのでしょうか。例えば、家を建て替える時に、会社に頼むとすぐに数百万円という費用がかかってしまいますし、会社側も所得に対して税金を払わなければいけません。それを友人同士ということで無料でやってもらい、手伝って貰う側も何らかの形でコミュニティに貢献する必要があります。こういったコミュニティでは、一芸に秀でた人達が集まると上手くいきやすいかもしれません。そうしてお互いが必要とされるような関係を築くことによって、生活が便利になることは勿論のこと、社会的欲求も満たされるようになります。「糸島シェアハウス」などはそういった感じで若者同士が集まって、あまりお金をかけずに田舎暮らしを楽しんでいるようです。セブ島に暮らしている「海洋民族のバジャウ族と住んでいる松田君」なども似たようなコンセプトな気がします。村社会になってしまうと、窮屈さが残ってしまうので、距離感をどのようにするかは思案のしどころです。そのため、一個人としては複数のフルサトに属すると感じでちょうどいい気がします。
フルサトのポイントはこういった感じになるのでしょうか?
・お互いに必要される関係を築く → 社会的欲求を満たす。
・お金があまりかからない形にする → セーフティネット的な役割を果たす。
自分自身でもどういった形が理想なのか思案中ですので、楽しいアイディアがあれば、是非、教えて下さい。

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