1932/1/29(昭和7年) ロシア皇帝派による満州国の計画にシリル伯爵が関心を持っています

フランス BRIAC市 1/28.
以前は伯爵であり、ロシアの王位を主張しているシリルは、満州で独立国家を作ろうとしている(祖国を追われた)ロシア人の努力についてコメントしました。「私は彼らと付き合うことはできないが、非常に感心を持っている。」「満州で、15万人のロシアからの難民は、不十分な中国人の管理政策とそれによる満州の貧弱な経済状況を遺憾に思っています。また、彼らは日本人の保護領を受け入れる準備があります。」「彼等は、日本人は彼等をより幸せにすることができると信じています。」とシリルは説明しました。
 さらに彼は、「旧ロシアの元貴族であった多くの同胞を助けることは不可能です。私は彼等を助けることができないので、満州がよくなるであろう満州国に全ての希望を託しています」と付け加えました。

記事に対する所感
1917年にロシア革命が起きていて、その時に皇帝は殺されて、貴族階級の人達はロシアから満州に逃げてきたみたいですね。その数がなんと15万人。彼等の多くは、おそらくは大連とか旅順とかロシアに馴染みのある都市にきっと住んでいたんでしょう。でも、中国人の政府は信用できないから、日本が管理してくれた方が良いと言っています。こういう声をもっと国際社会に訴えて、欧米と協調しておけば未来は変わっていたかもしれません。当時、「赤化」というのはどこの国でも恐れられていたことですから。こうした感情的ではない、利己的な満州国擁護の意見を見ると、非常に感慨深いものがあります。13年後の1945年に、ソ連が満州に進行していますが、その時に15万の元貴族の方々はどういう扱いを受けたのか気になるところです。

ST. BRIAC, France, Jan. 28.
Former Archduke Cyril, pretender to the Russian throne, commenting today on the reported efforts of White Russians to form an independent State in Manchuria, said, "I cannot mix in it but I am much interested."
  "The hundred and fifty thousand Russian refugees in Manchuria deplore the insufficient Chinese control, to which they attribute the lamentable economic situation in Manchuria and they are ready to accept a Japanese protectorate," he explained. "They believe the Japanese are capable of bringing them greater happiness."
  He added that it was impossible for him to come to the aid of his compatriots, many of whom were of the highest nobility of old Russia, and "since I cannot help I put all hope in the League of Nations to regulate the Manchuria affair."

全文公開の投げ銭スタイルの記事です

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?