茨城県立医療大学 令和4年一般選抜後期 解説+解答例日程

茨城県立医療大学 令和4年一般選抜後期日程

【解説】
問1~3までは、大学が出している採点のポイントを参照すればそれなりに書けるだろう。
ここでは、問4のみの解説をする。
そもそもの原因を探る。
本文にもある通り、考え方の違いが根本にある。米国は個人の自由を制限しない国である。保険に加入しない自由まで認められるほど。入りたい人は、保険に入れば良いという感じ。
逆に、日本は国がなんとかしてくれている。パターナリズムといえる。個人の自由を尊重したいとも言えそうだ。それは、全体の利益を優先しているとも表現できるだろう。
なぜそのような違いが出るのかについては、他の機会に文化論を考えればよいだろう。
こうした考え方の違いがある以上、単に他の国の制度をそのまま移植したところでうまくはいかないだろう。だから、考え方は変えなくても可能な施策を考えていかなければならない。そこが本問の難しいところだろう。
米国の医療制度は良くないといっても、基本的には保険で賄われているのであり、本文事例でも知り合いの医療費も結局は保険で賄われている。
問題となっているのは、貧しい人は保険に加入できないということと、高額になると一部の富裕層しか支払うことができないということ。
これらについて解決策を提示すればよいだろう。

【解答例】
問1 30字以内
国民全員が加入している何らかの医療保険が医療費を支払う制度29

問2 150字以内
米国では医療費が高額なため、それを支払える一部の富裕層とそれ以外で受けられる医療内容が変わってくるという問題と、米国の保険会社は医療費支払いの上限を設けており、保険に加入していてもその保険から医療費の支払いを十分に受けられないという問題
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問3 250字以内
米国では、医療は患者が自分の責任で購入するサービスの一種とみなされ、国民には自由に保険を選ぶ自由が保障されていると考えられている。それが表れているのは、米国の保険会社は医療費の支払いの上限を定めており、ある限度を超える医療費については誰も助けてくれないという制度内容だ。一方で、日本は国民皆保険制度が整備されており、医療費は政府が決定し、ある限度を越える医療費については健康保険が負担する制度になっている。203

問4 400字以内
米国の大きく拡大した医療格差の問題を解決するにはどうすればよいだろうか。まず原因から考えてみる。米国は自由の国であり、基本的に国民の自治独立を尊重して個人の自由を制限しない。そのため、皆保険制度は採用されておらず、加入したい人だけ保険に加入することになっている。ただ、この場合に問題となるのが、貧しい人は保険に加入することすらできないことと、高額医療になると保険会社から医療費が支払われなくなり、一部の富裕層しか高度な医療行為を受けられなくなることである。まず、前者については、米国の伝統では富裕層の寄付によって基金が作られ、その運用によって救われる人がいる。しかし、基金等を知らなければ救済を受けることができない。そこで、長期滞在となった段階で国や州が強制的に公的保険に加入させる制度を作るべきだ。これにより傷病になっても治療を受けられないという状況を回避することができる。米国の理念には反するが、貧しい人々は国の基礎を支える労働者である場合が多く、必要な策である。また、後者については、基本的には行政の裁量的判断に任せれば良い。ただし、内容によっては不公平感を生ずる場合があるので、その場合は個別具体的に判断し、公的保険制度に組み込むべきである。525

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上記の解答例は、あくまで「解答例」なので、正解というわけではありません。
これをそのまま覚えても何の意味もありません。
自分なりの答案が書けるようにならなければ合格はおぼつきません。
そのためには、まず「書く」ことが大切です。
その上で、その書いたものを「添削」してもらうことも大切です。
「添削」と聞くと、赤ペンを入れてもらうことを想像しがちですが、添削者との会話によって、課題の内容について理解を深めた上で、自分の文章の構成を一緒に考えていくことです。そうすることで、書く力が上達します。

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