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気象予報士試験対策 学科 一般知識 局地風

本日は、局地風の話。
🔵海陸風
 海と陸では太陽から吸収する熱量が大きく異なります。太陽熱で海面と比べて比較的温まりやすい陸地はその上ある空気を温めます。温められた空気は上昇します。陸地で空気が上昇すると海上から陸地に空気が流れ込みます。
 日中は海上から陸上に向かって吹く風(海風)が吹きます。
 一方、夜間は陸地の方が海面と比べて温度の低下が早いため、海上の方が暖かい状態となります。そこで夜間は陸上から海上に向かって風が吹きます(陸風)。
 1日周期で海風と陸風が交互に吹きます。これを海陸風と言います。
海陸風は水平方向で10km〜100km程度。東京湾から関東地方内陸にかけて吹く大きなスケールのものもあれば、瀬戸内海地方でも観測されます。夕方になると海風と陸風の方向が入れ替わりますが、入れ替わる前に無風の状態となります。瀬戸の夕凪という状況が生まれます。
 海風と陸風の強さですが、温度差が大きい海風の方が風は強く吹きます。
 海風が風速5〜6m/sであるのに対して、陸風は2〜3m/s程度です。
 海陸風が観測されるのは穏やかな天候の時であり、低気圧が接近しているような状況では低気圧による風の方が卓越するため海陸風を感じることもできません。

🟣山谷風
 日中に平野から山の斜面に沿って空気が上昇することを谷風と言います。
 逆に夜間に山の斜面から平野に向かって吹き降りてくる風を山風と言います。

🟠おろし
 山から吹き降りてくる強風を「おろし」と言います。「おろし」の前に土地の名前がつきます。阪神タイガースの応援歌の「六甲おろし」も六甲山から吹き降りてくる強風と関連があります。
 吹き降りてくる風が平野部の気温よりも低い場合を「ぼら」と言います。寒気が山を超えて吹き降りてくる時に乾燥していれば断熱昇温しますが、寒気がそれ以上に強力であれば平野部の気温よりも低いままで吹き降りてくることになります。
 反対に、吹き降りてくる風が平野部の気温よりも高い場合を「フェーン」と言います。
発達した低気圧が日本海を進む時、太平洋側からの暖気が山脈で上昇して雨を降らせたのちに、乾燥して山を降る時に高温をもたらし、災害を発生させることがあります。

🟢山岳波
 強風が山岳を越える時に山岳の頂上付近で上昇した空気が山岳の風下で上昇・下降を周期的に繰り返す動きをすることがあります。山岳の走向と平行に筋状の雲が発生することがあります。これは山岳波の影響です。

🔵災害をもたらす日本三大局地風とは
「広戸風」岡山県北東部(津山市東部、奈義町)
「清川だし」山形県
「やまじ風」愛媛県

このほか、日下博幸、西暁史「日本の局地風」日本風工学会誌第37巻第3号、平成24年7月 に局地風が紹介されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jawe/37/3/37_164/_pdf

最後までお読みいただきありがとうございました。

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