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気象予報士試験 気象業務法 法規 予報と警報の種類と伝達  Vol.6

本日は、予報と警報の話です。天気予報とか注意報・警報など日々の生活で耳にしたことがあるものですが、気象業務法上、どのような定めになっているのか見ていきましょう。

予報・警報
(予報及び警報)
第13条 気象庁は、政令の定めるところにより、気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。第十六条を除き、以下この章において同じ。)、津波、高潮、波浪及び洪水についての一般の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。ただし、次条第一項の規定により警報をする場合は、この限りでない。

ここで政令で定める予報・警報は 定時又は随時に行うこととなっています。具体的には
「天気予報」「週間天気予報」「季節予報」「地震動予報」「津波予報」「波浪予報」「地震動注意報」「火山現象注意報」「土砂崩れ注意報」「津波注意報」「高潮注意報」「波浪注意報」「洪水注意報」「気象警報」「地震動警報」「火山現象警報」「土砂崩れ警報」「津波警報」「高潮警報」「波浪警報」「洪水警報」です。
天気予報は1日3回。その発表時刻と頻度などは専門科目での出題になります。

また第2項で上記以外の予報・警報をすることがあります。政令で定められています。具体的には、
「海面水温予報」「海流予報」「海氷予報」「浸水予報」「浸水警報」です。

航空機と船舶に対する予報・警報
航空機と船舶に関する予報・警報lは第14条で決まっています。
第14条 気象庁は、政令の定めるところにより、気象、地象、津波、高潮及び波浪についての航空機及び船舶の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。
2 気象庁は、気象、地象及び水象についての鉄道事業、電気事業その他特殊な事業の利用に適合する予報及び警報をすることができる。
政令で定める航空機と船舶の予報・警報は「飛行場予報」「空域予報」「飛行場警報」「空域警報」「海上予報」「海上警報」です。

気象関係者以外ではパイロットや空港関係者、船員や船舶代理店関係者の方しか耳にしたことがないかもしれません。個人的には飛行場警報などは、どのようなものか大変興味があります。

気象庁ウェブサイトから引用


🟢水防警報
第14条の2 気象庁は、政令の定めるところにより、気象、津波、高潮及び洪水についての水防活動の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。
2 気象庁は、水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)第十条第二項の規定により指定された河川について、水防に関する事務を行う国土交通大臣と共同して、当該河川の水位又は流量(氾濫した後においては、水位若しくは流量又は氾濫により浸水する区域及びその水深)を示して洪水についての水防活動の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。
3 気象庁は、水防法第十一条第一項の規定により指定された河川について、都道府県知事と共同して水位又は流量を示して洪水についての水防活動の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。この場合において、同法第十一条の二第二項の規定による情報の提供を受けたときは、これを踏まえるものとする。
政令で定める予報・警報は、「水防活動用気象注意報」「水防活動用気象警報」「水防活動用津波注意報」「水防活動用津波警報」「水防活動用高潮注意報」「水防活動用高潮警報」「水防活動用洪水注意報」「水防活動用洪水警報」です。


🟢特別警報
第13条の2 気象庁は、予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合として降雨量その他に関し気象庁が定める基準に該当する場合には、政令の定めるところにより、その旨を示して、気象、地象、津波、高潮及び波浪についての一般の利用に適合する警報をしなければならない。
政令では、この警報の種類を次のように定めています。
「気象特別警報」「地震動特別警報」「火山現象特別警報」「土砂崩れ特別警報」「津波特別警報」「高潮特別警報」「波浪特別警報」です。
線状降水帯による大雨の際に大雨特別警報の発表がありましたが、政令では気象特別警報の一つとなっています。気象特別警報は4種類あります。それぞれ「大雨特別警報」「暴風特別警報」「暴風雪特別警報」「大雪特別警報」です。

気象庁ウェブサイトから引用
出典:気象庁ウェブサイトから


警報の伝達(特別警報を除く。)
気象庁は警報を行った場合(特別警報は別に規定)、警報事項を次の🟢又は🔴に掲げる機関に直ちに通知しなければなりません。
🟢の機関はそれぞれ→に示す相手先へ通知するように努めなければなりません(努力)。
🔴の機関は直ちに放送しなければなりません(義務)。

🟢警察庁   →🟢関係市町村長       →🟢公衆及び所在の官公署
🟢消防庁   →🟢関係市町村長       →🟢公衆及び所在の官公署
🟢国土交通省 →🟢航行中の航空機
🟢海上保安庁 →🟢航海中及び入港中の船舶
🟢都道府県  →🟢関係市町村長       →🟢公衆及び所在の官公署
🟢東日本電信電話株式会社 →🟢関係市町村長 →🟢公衆及び所在の官公署
🟢西日本電信電話株式会社 →🟢関係市町村長 →🟢公衆及び所在の官公署
🔴日本放送協会 →🔴直ちに気象庁から通知された警報事項を放送

特別警報の場合
気象庁は特別警報をしたときには警報事項を直ちに🔴に掲げる機関に通知しなければなりません。
🔴警察庁    →🟢関係市町村長  →🔴公衆及び所在の官公署
🔴消防庁    →🟢関係市町村長  →🔴公衆及び所在の官公署
🔴海上保安庁  →🟢航海中及び入港中の船舶
🔴都道府県       →🔴関係市町村長  →🔴公衆及び所在の官公署
🔴東日本電信電話株式会社 →🟢関係市町村長 →🔴公衆及び所在の官公署
🔴西日本電信電話株式会社 →🟢関係市町村長 →🔴公衆及び所在の官公署
🔴日本放送協会 →🔴直ちに気象庁から通知された警報事項を放送

伝達において義務が課されているか否かについての正確な知識習得が必要です。
過去問においてよく出題されています。過去問との関係は次回に。
特別警報の運用も制定当初にあった「避難勧告」が度重なる豪雨災害等の気象災害の住民への避難指示等のタイミングが見直され、最新のものでは「避難勧告」というものはなくなり、「高齢者等避難」などの改められています。古い過去問を解いたりする場合には注意が必要です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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