固定概念からの距離 仮説(5)

「意外性」があるものは人の心を掴む。
今回は、実例を踏まえながら「意外性」について考察する。

CASE1 W杯での影山優佳さん

カタールW杯で、日本がドイツ・スペインを撃破し、日本中が歓喜の渦に巻き込まれたことは皆さんの記憶に新しいと思う。
そんな中、男子顔負けのサッカー解説で注目を集めたのがアイドルの影山優佳さんだ。
アイドルなのにサッカーに詳しいという「意外性」が多くの人の心を掴んだ。

CASE2 企業のTwitter公式アカウント

企業のTwitter公式アカウントで「企業がそんなこと言っちゃっていいの?」系のツイートはバズりやすい。タニタとかSHARPのTwitterアカウントの面白い呟きがバズっているのを見たことがある人は多いと思う。
これも、お固いイメージの企業がカジュアルな口調で呟いているという「意外性」で説明できる。
(ちなみに、YouTubeショートやTikTokで会社のオフィスで料理する動画がバズっている。あれも、会社のオフィスなのに料理をしているという意外性で説明出来る)

CASE3 ウェザーニュース

ウェザーニュースYouTubeチャンネルの切り抜きで再生が回っているのは、お天気お姉さんがお天気お姉さんらしからぬことをしているものだ。
例えば、キャスターなのに「クソ暑い」といってしまったり、スタジオでサッカーボールを蹴っている動画などだ。
これも、お天気お姉さんなのにカジュアルな口調で話したり、サッカーボールを蹴っているという「意外性」で説明できる。

意外性があるということをより解像度を上げた言葉で表すと、それは「固定概念との距離」だ。これが大きいほど良い。
皆んなが思い描く「アイドル」「会社のオフィス」「企業の公式Twitter」「お天気お姉さん」との距離があったからこそ、それぞれ人気が出たのだ。
では、固定概念との距離をつくる、つまり意外性を意図的に作るにはどうすれば良いか。
公式は「〜なのに」だ。
「アイドルなのに」「会社のオフィスなのに」「企業の公式なのに」「お天気お姉さんなのに」
と、全てこれで表せる。
また、①知名度があり、②尚且つ固定概念が強固なもの、という条件もある。
皆んなが知っていないと固定概念はないし、公務員→堅いイメージ、というふうに固定概念が強固で無ければ難しい。

アイドルで考えてみると、「アイドルなのにスーツ」とか、「アイドルなのに株主総会」とかいうふうに、アイドル×固いものを意識的に作るといいかもしれない。

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