コーダ あいのうた

「コーダ」とは、耳の聞こえない親をもった子どものことをいう言葉らしい(別の意味の音楽用語でもある)。

映画「コーダ あいのうた」の主人公は、耳の聞こえない父、母、兄をもつ女子高生・ルビー。
高校で合唱部に入って、顧問の先生から歌の才能を見いだされるのだけれど、家族には彼女の歌は聞こえず理解もしてもらえない。

発表会でデュエットを披露することになり、個人レッスンも始まった。でも、ルビー自身、家族に頼まれると断りきれず、歌の練習より家業を優先してしまう。
遅刻ばかりすることを叱る先生に、ぽつりとルビーが言う。
「家族としかいたことないから」。
家族がルビーに依存してるんだと思ってたけど、共依存だったのか…。

合唱部の発表会の日。家族が見にきていた。
ルビーの歌は素敵だった。のびやかで、美しく、感動して涙する観客もいた。

その途中、音が消えた。
家族が見ている風景を、私も体感する。
ルビーは歌い続けている。
でも、わからない。姿を眺めることしかできない。

発表会後、何かを感じた父が、彼なりのやり方でルビーの歌を聴いてくれた。このシーン好き。
もっと好きなのが、そのあと。ルビーが家族にむかって歌うところ。家族に「聴いてもらう」術を見出だしたとき、それが伝わったとき、私が号泣してた。
やっと、聴こえたんだ! よかった、本当によかった。

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