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蒼穹の見聞録-Lagra myth-15

光は互いの心を二乗させて輝き
闇は同等の邪道を極め無双する。

知識を超越した化学の概念に
囚われることのない永久機関、「魂」
無尽蔵のエネルギーが弾切れの
心配をする事なく放出され、炸裂する。

光側は残された砦を死守する為、
闇と闘い

闇側は自らの無を欲する為、
殲滅のかぎりを尽くす。

戦局を傍観する悪鬼。
どちら側につく訳も無く、無機質に呟く。

悪鬼
「書物の影響もある。手早く済ませるか」

悪鬼の狙いは残されたエノク書「天魔」

空間圧縮とも言える高速移動は

エノクの背筋の悪寒よりも速く悪鬼は
彼女達の背後を取った。

書物より俊敏だ。

怯えるエノクをまじまじと顔の無い大きな頭がエノクに詰め寄る。
無機質な声が再開を喜ぶと思いきや。
悪鬼は急にそっぽを向いた。

釣り上がった眼光
裂けた巨大な開口‥これは
正面だからこそ見える姿
だが立つ位置を誤れば魂ごと無に化す。
真っ黒な体に翼に尻尾?

滑稽‥

情報を与えるのは侵食者の得意分野だ。

正体すら知られる事なく闇に紛れていたのは
怪物の特権だからこそだった。

怪物は狡猾で感情が無い
そして正体不明である事
そして霊的に冷たい。

悪鬼は侵食者の正体をエノクに語る。

悪鬼は侵食者を招き入れた元凶ではない。
だとすれば、奴の目的は‥何?
訳がわからない。

私の知らない怪物が、ゆっくり不気味に両手を広げる。

狂ってる‥

侵食者もコイツも
一体何を喰ったら
こうなるの‥?!

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