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蒼穹の見聞録-Lagra myth-5 hecto

 先生「不満か?」
エノク「はい」
 先生「フフ、素直だな」

私が不満の対象に目をやる。

対象は、優雅に空を飛ぶ練習をしている
こちらの気も知らずに。

私に忠実?
仮面の下でヘラヘラ
笑っているのでは?

 先生「気持ちはわかる」
エノク「先生‥」
 先生「奪い、奪われ、相互関係
    さえも。全て運命実体だ」
エノク「 」
 先生「運命を受け入れ、
    前に進むのだ。人も神も
    そこは変わらんよ」
エノク「はい。受け入れるには
    時間がかかりそうですが」
 先生「それで良い。完璧な人間
    などいない」

先生だから、わかってくれる。
相手は反面教師ではない。
神だから、私は先生と呼べる。

私の片割れ。

繋ぎ止められた神がこちらを凝視する。

仮面の下の表情など、先生の
言葉で何処か流せた気がする。


そんな私の気持ちを察した
先生の表情が
どこか穏やかに感じた。

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