映画 「フィールド・オブ・ドリームス」

あらすじ


アイオワ州に住む妻子持ちの主人公(レイ・キンセラ)は、
畑仕事中に謎の"声"を聞く。
「それを作れば、彼がやって来る」
妻のアニーには聞こえない、幻聴のような状態が続いた。
するとある日、レイは庭の畑に野球場と一人の野球選手の幻影を見た。
レイは野球場こそが、謎の声の言う"それ"
野球選手が"彼"だと考え、
仕事場でもある畑を潰し、野球場を作ることを決心する。
当然、アニーは冗談めいたレイの提案を却下したが、
「冒険することを全くしなかった父のようにはなりたくない」と説得。
アニーは夫の熱意と本気さに打たれ、農場の一部を潰すことに同意し、
娘のカリンと家族3人での野球場造りが始まった。

野球場が完成してから1年程が経ったが、生活に何ら変化は起こらない。
レイは同業者や親戚から"異常者"だと変人扱いされていた。
家計も苦しく、レイとアニーも野球場を手放そうと考えていた時、
夜の野球場に誰かの人影が見えた。
そこには、幻影で見た野球選手"シューレス・ジョー・ジャクソン"がいたのだ。
ジョーはホワイトソックスの選手だった。過去に無実の罪で球界を永久追放され、球界に復帰することなく亡くなった伝説のメジャーリーガーである。
レイが父と共に応援していたあこがれの野球選手でもあった。
何故故人がここにいるのかはわからないが、本物のジョーを前にレイは感激し、二人は野球を楽しんだ。
レイは家族を紹介し、家に案内しようとするがジョーはグラウンドから外へは行こうとしない。
ジョーは再会を約束し、グラウンド外のトウモロコシ畑へ姿を消していった。
数日後、生活に困窮しているキンセラ家にアニーの兄・マークが訪れ、土地を売るように訴える。
その時、グラウンドにジョーと共に球界から追放されてしまった、8人の選手が現れる。
彼らは野球ができる場所を作ってくれたことにレイに感謝し、野球を始めたが、マークには選手達のことが見えていないようであった。

その後、レイは再び謎の"声"を聞いた。
「彼の痛みを癒せ」
どうやら"彼"はジョーのことではないようだった。
声の示す人物を調べていく中で、レイはその人物が自分が父に反発するきっかけとなった作家"テレンス・マン"ではないかと考えた。
マンはかつて熱心な活動家であったが、現在は世間に絶望してボストンで隠遁生活を送っていた。
彼の著書には亡き父の事も書いてあり、マンも父と同じく野球選手になりたい夢があったが、挫折した人間の一人だった。
レイはマンと共に野球観戦をすることが"癒す"ことと考え、
マンの家へ半ば強引に押しかけ、ボストンの球場で野球観戦をするのだった。

観戦時に、また謎の声が響いた。
「やり遂げろ」
その時、電光掲示板にはある人物の名前が示された。
"アーチボルト・ムーンライト・グラハム"
メッセージを受け取ったのは自分だけだと思ったレイは
強引に連れてきたマンを返そうとするが、
マンにもグラハムの文字が見えていた。謎の声も彼に聞こえていたのだ。
二人はグラハムを探すことを決め、チゾムに住む彼を訪ねることにした。

チゾムにてグラハムはすでに故人となっていたことを二人は知る。
彼はサンフランシスコ・ジャイアンツの選手だったが、出場したのはたった1試合の守備機会のみ。打席に立つことなく球界を去った。
その後、チゾムに移り住んだグラハムは開業医となり、生涯を終えたようだ。
謎の追及に行き詰まる二人。夜になり散歩に出かけたレイが見たのは、
古いナンバープレートの車と、グラハムを知る友人たちが語る、彼そっくりの老人だった。レイはタイムスリップしたのだ。
グラハムは診療所にレイを招き、メジャーに思いを馳せていたことを語る。
レイは自分の野球場へグラハムを誘うが、彼はそれを拒否し、二人は別れるのだった。

レイはホテルへ帰り、先ほどの出来事をマンに説明し、
散歩中にアニーから電話が掛かってきたことをマンから知らされる。
レイはアニーに電話すると、マークによって土地が売られる危険があることをアニーから伝えられる。急いでアイオワへ帰ることにしたレイだったが、
マンも野球場見たさに同行することに。
帰路に就く二人の前に、若い青年がヒッチハイクをしていた。
青年は仕事の合間に野球をしていると語る。名前はグラハム。
顔を見合わせた二人は、青年の姿になったグラハムを乗せ、アイオワへ向かった。
アイオワに着き、マンは野球場でジョー・ジャクソン達の試合を観た。
グラハムもジョーに招かれ、共に野球をした。
レイと家族、マン達は夢がかなった選手達の試合を観て、熱狂し、感動するのだった。

翌日、マークが家と土地を手放すよう忠告してきた。
断るレイ達。そこでカリンとマンは、この野球場に観客たちが大勢やってくることを予言し、それによって生活も救われることも語った。
選手たちの姿が見えない兄は、レイ達に対して激怒するが、
その拍子にカリンがベンチから落下してしまった。
気を失うカリン。急いで救急車を呼びにいこうとするアニーだったが、
何故かレイはそれを呼び止めた。こちらへグラハムが近づいてくる。
グラウンドから外に出たグラハムは、青年からあの時の老人の姿に変わり
手には医療バッグを持っていた。
医者としてカリンを診るグラハム。幸い、大した症状ではなかったカリンは意識を取り戻した。
"こちら側"に出てきたグラハムは、もう"向こう側"の姿となってプレイすることはできなくなっていた。
レイや選手達に礼を言って、トウモロコシ畑に消えていくグラハム。
マークはその一部始終を見ていた。そして、試合をする選手たちの姿も見えるようになり、土地は絶対に手放すなと態度を一変させて帰っていった。

ジョー・ジャクソンが"向こう側"に来ないかとマンに提案する。
レイはなぜ自分ではないのかと文句を言ったが、マンはレイに対して、
「君が残ることに意味があるのかもしれない」と説得。
家族を持ち、夢の世界で生きられないレイは不服ながらも納得し、
トウモロコシ畑へと満足げに消えていくマンを見送った。

その時、ジョー・ジャクソンはレイにこう告げた。
「それを作れば、彼がやって来る」
あの謎の声の言葉。ジョーが指す方向の先には、若い選手の姿があった。
若き頃の父の姿、レイが生まれる前のジョンがそこにはいた。

ジョンは自ら成しえなかった夢をレイに託した。
だがレイは父に反発し、10代のころに野球をやめて家を出たっきり、今際の際まで父に会うことはなかった。
生前に会わすことができなかった自分の家族を父に紹介するレイ。
アニーは気を利かせて二人をグラウンドへ残し、カリンと家へ戻っていった。
「父さん」と声をかけるレイ。
それに応えるジョン。
陽が落ちたアイオワのグラウンドの照明に照らされ、キャッチボールをする二人。
そのグラウンドへの道は、沢山の車のヘッドライトがキラキラと続いていくのであった。

レビュー


野球を題材にした、89年のアメリカ映画。
小説が原作。原作を書いた人はレイと同じキンセラ性。
キーパーソンであるジョー・ジャクソンや彼が連れてくる選手たちは
実際に起こった「ブラックソックス事件」に関わった実在人物らしい。
野球に詳しくないので細かいことは分からないが、
ざっと見ると賄賂を受け取って八百長試合をして追放されたようだ。
劇中では明確に否定されているが、史実では諸説あり。
ここは鑑賞後に調べて少しがっかりした。

謎の声やタイムスリップ、故人との再会など、ファンタジー色が強めだが
違和感や不快感を感じさせない、いい塩梅になっていると思う。
展開が読みやすい欠点もあるが、ストーリーの展開もシンプルなため、いい意味で素直に観れる作品。
幻聴を聞き、野球場建造~旅へ突き動かされる主人公に対して、
終始一貫して支えた奥さんがとても素敵だった。
「声が聞こえたから土地売って野球場作るわ」に対して
「やりたいことをやればいいんじゃない?」と返せる器の大きさよ。
まだ幼い娘もいるのにとんだ決断である。
兄のマークも野球場の選手たちが見えてから「絶対に売るな」と釘を刺すなど、登場人物たちに嫌味がなかったのも好印象だった。
最後の父との対峙は予想できても感動せずにはいられない場面。
強いて言えば過去のエピソードの掘り下げがもう少し欲しかったところ。
父との関係は冒頭のモノローグでしか語られないので、
本編中にエピソードがあったら、主人公の野球に対しての想いが
より説得力が高いものになったかも。
観終わった後すがすがしい気分になれます。
この映画を見てからレビューにチャレンジしてみたくなったので
挑戦意欲に掻き立てられたい(?)人にもおすすめです。
俺的ジャンル:ほっこり系

あらすじを長々と書いてしまった。
文章の練習も兼ねてるので大目に見てください。
書いてて結構時間掛かったし苦しかったので、
多分次回からは短くなります。


レビューなので星でも付けたいところだけれども、まだ記事数がないので
後ほど追記でもしてみようかなあと思ってます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?