ドラマ「美しい彼」と私の美しい想い出
「美しい彼」というドラマを見た。
ツィッターで話題になった時、元来腐女子である私は最終話だけチェックしていた。
しかし最近原作者と私の推し(推しなどという軽い言葉では言い表せないほどに好きな方)が被っていることを知り、また全話再放送されるとのことで1話から録画して見てみたわけである。
素晴らしかった。
要するに陰キャな主人公、平良が高校のクラス替え初日、遅れてやってきた美しい同級生、清居に信仰にも似た想いを抱いてしまうというお話だ。
色々あって美しい清居にパシられる平良。
いや、冷静に考えればパシられているだけであり半分いじめなのでは?とも思えなくもない。
だが、清居は美しかった。
平良は美しい清居に用事を頼まれることを喜びジュース買うために渡された小銭すら美しい彼が触ったものは使えないと自分のとすり替えて彼の小銭は自宅保管するなどかなりキモい行動を取っている。
いや、気持ちはわかる。だって清居は美しいから。
美しい故に普通なら「パシられてるだけやん!」
と突っ込むところ、こちらも平良に感情移入できるのである。
清居が美しくなければなにもかも全て成立しない
まさに最高にして至高のタイトル「美しい彼」
第一話、平良は別の特に美しくないクラスメイトにパシられかけるが清居は怒りクラスメイトを恫喝する。良い場面だ、だが冷静に考えたらどっちもパシろうとしているのは変わらない。理不尽w
だが仕方ない美しいは正義なので。
私自身「美しい人間」を見るのが好きという癖があり、何度も言うが平良の気持ちが分かりすぎるほどわかる。
私には今まで生きてきて忘れられない人が二人いる。
一人は、
中学時代、二つ上の憧れていた同じ部活の先輩だ。
先輩は部活の内容とは関係のない壮大な夢を持っており、その夢に向かって毎週習い事をしていた。
先輩は良い意味で少し変わっていた。キザでかっこよくて、学校祭では主役に選ばれ暇があれば踊っていて、そんな先輩を教室に覗きにくる子は沢山居た。私はこっそり部室にカメラを持ち込み先輩の写真をパシャパシャと撮っていた。
先輩は「いつか僕が成功して有名になったら、この写真は高く売れるよ」と笑った。
先輩が語る壮大な夢をただのキザな中学生の大言とはにすぎないなどと私は思わなかった。この、部活で部長を務めるほどの腕前で、なんでも出来る人とは違うキザでかっこいい先輩なら叶えられるんじゃないか。
中学生の私はそう思った。
卒業式の日、先輩が即興で描いた絵をコピーして一枚もらった(私以外も皆欲しがったので原本は学校に遺し、私たちはコピーになった。)
時を経て大学生になった頃、たまたまテレビを見ていると先輩が写っていて、私は先輩が夢を叶えた事を知った。
先輩の絵のコピーは今も私の部屋に貼ってある。
今も先輩の活躍をテレビや新聞で知る度、
先輩と過ごした、先輩の人生のモブとして過ごしたたった1年間の楽しかった日々を思い出す。
先輩は部活の沢山いた後輩のひとりでしかない私のことなど覚えていないだろう。でも、私はずっと忘れない。
二人目は高校の二つ下の後輩だ。また部活だな。
新入生として入部してきたその子はものすごく可愛かった。まるでアイドルみたいに目が大きくて、綺麗な声をしていて、長い髪をゆるく三つ編みにした姿はまるで少女漫画から出て来たみたいだった。
学校祭で白いゴスロリ服を着てお姫様を演じる彼女は本当に可愛かった。ただ、彼女は少しだけ、物事に対してえっ?というような、女王様のような意地悪な言い方をしたりすることがあったけれど、彼女はあまりにも美しく可愛いいのでそんなことはもうどうでも良くなった。
美しい とはそういうことなんだと思う。
美しい故になにもかもが特別に感じ、なにもかもを許せる。
美しさはもはや暴力なのだ
「美しい彼」を見ていて、そんなことを思い出した。
もう一人、私には現在進行形で追いかけている美しい人がいる。あるスポーツのゆるいファンな私は将来有望なキッズだった頃から、試合観戦でその人を知っている。そして大成した。大成したその人の技術、美しさ、会見などでなんの淀みなく話す姿を見ているだけ、いや、この世に存在してくれているだけで幸せだとすら思う。
美しい故に人の目を引きつけ放さない人はいる。
美しい故に崇めざるを得ない。
もはや宗教だ。
一般人の自分には手が届かないと認めざるを得ない
3話以降、清居があんなに平良に矢印出してるのに平良がな~んにも気づかないのは判らなくもないのだ。
あり得ない
はいあり得ないんだよ普通は。
手が届くとは思っていないし考えもしない。
はいそれが普通!
という平良寄りな思考の人間な私ですが、
それでも清居視点を見れば平良~!平良~お前ーっ!
と何も気付かずアクションも起こさない平良に苛立ちを感じてしまったのでいやほんと、このドラマはすごいな。
とにもかくにも素晴らしすぎる。
このドラマ、とにかく美しい。
清居の外見的な意味での美しさ
平良の清居への想いの美しさ
なにもかも美しい。
とにかく全人類は早く見るべきである。