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「美しい彼」公式シナリオブックのはなし


さて、遅ればせながら「美しい彼、公式シナリオブックのはなしをしたい。」
発売日に手にしたものの、連日の暑さと体調不良でなかなか感想を書けなかった。

というわけで書きたい。
全て書くと長文になってしまうので私にとっての要点だけ挙げたい。※それでも長くなりそうだが…

シーズン1のシナリオ段階、清居は
「死んでも良いと思うほど欲しいものはないか」
と問われ平良を思い浮かべ
平良は「やりたいこと、焦がれ、自分の身を削ってでも手に入れたいと思うもの」
を問われ清居を思い浮かべた。

平良にとっても、清居にとっても、お互いがお互いを「手に入れたい、欲しい」
と心から望んでいたことがわかる。
お互いがお互いを想い合うから、苦しい。
ぜひブルーレイ得点に居れて欲しい。

あと個人的にツボだったのが誕生日の小山くんに平良、惣菜出してる
私は平良が清居にエビコロだの筑前煮だのたくさん手料理作ってるのをドラマと映画で散在見てきているので惣菜ってのに扱いの違いを感じて笑ってしまった…やはり平良にとって清居は特別だw

あと清居のクソデカ感情がすごい。
手にキスを許すのを「これはご褒美だ」と言い訳しまくる清居、卒業までの日々を
「人生の中で一番満たされた時間だった」
とか回想する清居、
「もっと見ろ、俺を見ろ」
する清居、
「卒業してもこんな時間が続けば良いと思っていた」
清居、

すごい

対して平良は清居を手放したくはないわりに諦めが早い。
諦めの早さの理由が清居に拒絶される恐怖から来ていたことをわたし、シナリオブック読んで初めて知ったよ。手が届かないからとかじゃなく、拒絶されるのが怖かったのか…なんという俺様。

あと、清居はガラス細工だ!繊細だ!してる平良、いや、これドラマでも見たかった。

あと、本編とシナリオの最大の違いシーズン1の最終会部分、城田、城田。うん、城田は全カットでよかったと思う。そしてシナリオの清居が平良の家を尋ねる展開から深夜の学校で追っかけっこさせることに変更したのはどなたのアイデアなんだろうか?

大正解だったと思う。
シナリオ段階のまま放送されていたならこのドラマはここまでヒットしなかっただろう。

「朝まで清居への想いを捧げようと思います。清居のことを想うのはこれで最期にします」
「新しい朝を迎えよう、そしたら忘れるんだ。一生分、愛した人を」

この台詞を考えたのは脚本家さんなんだろうか?それとも監督さん?演出のだれか?
私の好きなこの台詞がシナリオ段階では描かれていなかったことに衝撃を受けた。とにかくこの台詞を考えた方にボーナスたくさんあげてくれ…

シーズン2

ドラマシーズン2を見ていて常々思っていたのが、多分清居は平良が一生野村伊兵衛を取れなかったとしても許すだろうし、側に置くだろうなということ。
だから極端な話、平良はそのままでも、清居は許してくれたのではないか?
そんな風に私は思っていた。

このあたりがシナリオ段階では描かれていた
シナリオ段階、最初、平良は
「鼠と獅子が愛し合い永遠に共生する方法」
を模索していた。

清居は清居で手を繋ぎ歩く普通の恋人たちを見て
「きっと手に入らない」
とまで思い詰めていた。

なんと不憫な…

あと喧嘩して帰って来た時、平良おまえ清居にキスしようとしてたの…あの、なんて俺様
そりゃ清居も暫くキスとかしない言うわ。
でもちゃんと夢みたいに幸せで怖いと説明出来たのは偉いよ。

シナリオ段階では城田の言葉のおかげで清居が平良をずっと見ていたことを平良はやっと理解した

そして「今までと同じなら嫌だ」と思うに至った。
鼠と獅子が共生する方法ではなく自分が変わることを選んだ。鼠のままでいるわけにはいかないと、清居との時間を永遠にするために

で、チョコレートですがシナリオ段階では指環が現れていた。指環。!
びっくりしたけれどたしかにここで指環を出してたら映画まで行かず完結してしまうしなんなら契約のようなモノが成立してしまう。

あと城田、脚本家の方はやたら城田を推してますがこれは全カットで正解だったと思う。
城田から知らされないと清居の想いに確信を持てないなんて哀しすぎる。エターナルで、夢という名の現実で、最期のオーガンジーで、清居自身の行動を見た平良自身が確信する構成が最適解でしかない。

そしてエターナルですが

例のシーツについて最期まで止まらないで欲しかったっていう清居、いや、すごいですね。
清居の平良への要求地がすごい。

そこまで抑えられない「好き」を望んでる。

そしてシナリオのラスト、したいことを全部しろと神様なんて関係ないと平良に要求する。 

やはり清居奏という神は最初から全てを許していた。

「美しい彼」は
平良が、清居の平良への想いを信じることができて、伝わるまでの話なのだと思う。

清居を愛してはいても、共に暮らし寝てもなお、
清居の自分への想いを信じてはいなかった平良が、清居の手を引いて走り、俺だけの「美しい彼」と呼べるまでの。

そして、好きだと言ったことがなかった清居が
「すっげえ好きみたい」と言えるようになるまでの。

ほんとうに、尊い物語に出会えたと思う。

続編を希望する方は多いし私も見てみたいとは思う。
ただ、監督、脚本家、スタッフ、演者、
誰一人欠けることのない続編は難しいかも知れないうえに、美しく幕を閉じたこの実写版美しい彼はもう掘り起こすことなく、美しく眠らせておいたほうがいいのではとも思う。

シナリオブックを見て、
最終的に提供されたドラマと映画がどんなに完成度が高いものか、試行錯誤の末に最適解を見せて下さったことに感謝しかない。

特にシーズン1最終会、学校を追いかけっこさせることを提案した方にはボーナスをたくさんあげてほしい。
あれがなければ多分全ては違っていたから。

美しい彼、エターナル









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