統計を見る習慣をつけよう〜国力とコロナ


地理で「地図を見ること」と同じくらい大事にするのは「統計を見ること」。


地図帳の後ろの方にちっちゃいフォントの数字がいっぱい並んでる、あのページを見ることです。


ここは情報の宝庫です!


たかが10ページほどの分量ですが、地球上の、世の中の大事なことがけっこう書いてあります。


気候や産物から言語や宗教、独立年月日までわかります。


特に私が授業で頻繁に見るのが、「人口」と「一人当たり国民総所得」の欄です。この二つの数字は「国の力」を思い描くのに一番わかりやすいものです。


中国をイメージすればわかりやすいように、「人口」が大きければ労働力も市場も大きくなり、国の存在感、パワーは上がります。


一方、「一人当たり国民総所得」は「国全体の力」では見えない「国民の生活」が見えてきます。この数字が高ければ、ざっくりと「国民の財力が高い≒豊か」ということになるわけです。もちろん「格差」まではわかりませんが。


ここにちょうど10年前(2012年1月発行)に使っていた地図帳があります。


日本国の人口は「1億2706万人」、一人当たりの国民総所得はアジアの国の中でダントツトップの「37,050ドル」となっています。ヨーロッパ諸国の中でも日本より高い国はノルウェーとスイスくらいなものです。ちなみにその時の中国は「13億6044万人、1,500ドル」、韓国は「4,838万人、14,000ドル」、シンガポールは「449万人、24,760ドル」です。



さて、今年使っている地図帳ではどうなっているでしょうか。


日本国の人口は「1億2678万人」、一人当たりの国民総所得は「38,000ドル」となっています。え?上がってませんよ!!!(このことは以前のブログにも書きました。) 西ヨーロッパの15カ国くらいに追い越されました。ちなみに中国は「14億1598万人、8,260ドル(約5倍!)」、韓国は「5,144万人、27,600ドル(約2倍)」、シンガポールは「561万人、51,880ドル(約2倍)」です。



マスコミではこんな数字の比較はあまり聞いたことがありませんが、高校生の使う、ごく普通の、誰でも持っている地図帳に載っています。


そうそう、人口でいうと、日本はアジアの中で何番目の国だと思いますか?


中国、インド、インドネシア、パキスタン、バングラデシュに次ぐ6番目です。でもおそらく数年後には、フィリピン、ベトナムには追い越されるでしょう。


日本はそんな感じの国です。


私たちは「Japan as No.1!」だと思って育った世代なので、「まさかここまで」と感じる人も多いのでは?と思います。


さて、ここで、「今の話題」。


今日はコロナの死者数を国立社会保障・人口問題研究所の統計で見てみました。



1月10日現在の「新型コロナウイルス感染症死亡者数」は18,397人だそうです。年齢非公表数を引いた15,505人のうち14,443人が60代以上でした。割合にすると93.2%です。逆に言うと50代以下の死者数は1,062人、20代以下に限れば25人です!(もちろん非公表の中に多くいる可能性はありますが)


一方、ワクチン接種直後死者(ワクチンとの因果関係が認められたわけではなく、厚労省に製造販売業者が副反応疑いとして届け出て受理された数)は厚労省の資料によると1,326人です。年代等はわかりませんでした。


50代以下のコロナによる死者数より多い数字なのです!!


びっくりしました。


統計をちゃんと読み込むことは、地球上のことを知る「地理」の基本中の基本です。


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