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ユダヤの商法

みなさんどうもこんにちは
ビジネスマインドチャンネルです。

みなさんは藤田 田という男をご存じでしょうか?
日本マクドナルドを設立し、わずか10年余りで日本の外食産業での売上1位を達成した超大物経営者です。

今回は、そんな藤田田の著書、ユダヤの商法について解説していきます。
本書は、経済を動かすユダヤ人の知識が学べる一冊になっています。

それではさっそく本書の要点を3つお伝えしますね。

要点1
ユダヤ商法が「78対22の法則」の大法則に支えられている限り、決して損をすることはない。この法則に則って商売をするユダヤ商人は、世界を支配しているといっても過言ではない。

要点2
金融業と商業を武器に世界に君臨する存在となったユダヤ人の人生の目的は、「おいしいものを心ゆくまで食べること」である。イデオロギーや国籍の違いをものともせず働き、金を儲けるのもそのためである。

要点3
日本のマクドナルドから、国際的視野をもった新しい「ユダヤ商人」を生み出していくことができるだろう。

なんとも面白そうな法則が出てきましたね。
それではより深堀していきます。

チャプター1!ユダヤ商法「78対22の法則」

著者は、ダイヤモンドからナイフやフォークといったものまで、多様な貿易で世界のユダヤ商人相手に取引をしてきた。そんな著者自身が商売の手本としてきたのが、まさにその相手であったユダヤ商人の考え方であり、本書はそれを世に広めるための一冊である。

ユダヤ商人の商法は、まず「78対22の法則」という大法則によって成り立っている。これは、人間の力ではいかんともしがたい大自然の宇宙の法則とイコールだ。例として、正方形とその正方形に内接する円の関係がある。面積が100㎡の正方形の場合、その正方形に内接する円の面積は78。円の面積を約78とすると、正方形の残りの面積は22だ。
それ以外にも、空気中の成分が窒素78に対して酸素等が22の割合であることはよく知られている。
また人間の体も、水分が78、その他の物質が約22だ。78対22は、人間がどうあがいても曲げることはできない、不変真理の比率であることがわかるだろう。ユダヤ商法が、この「78対22の法則」の大法則に支えられている限り、決して損をすることはない。

著者自身も、この大法則に則って成功した経験がある。
それはデパートでダイヤモンドを売り出す商いで、当初は誰もが懐疑的だった。しかし著者の考えはこうだった。世の中に出回っている金の、78%を握っているのが金持ちの層であり、この金持ちクラスを相手に商売をすれば儲かるのは明白なのだ。案の定、ダイヤモンドの売上は予想を超え、各所で数億円を上回った。

すごいのが出てきましたね。
78対22の法則。
ちなみに調べてみると、海と陸地の面積の比率も78対22
コカコーラのビンは、縦と横の比率が78対22
肺呼吸と皮膚呼吸の割合は78対22
腸内の善玉菌が78%に対して、悪玉菌が22%が理想的
足裏の体重負荷率は78対22
お金持ちと一般人の比率も78対22

とにかく78対22の法則に則っているもの多すぎました。
続きもどうぞ!

チャプター2!世界を支配するユダヤ商人

ユダヤ人、と著者がいうのは、ユダヤ民族のことである。
彼らは世界中に散らばっており、当然ながらそれぞれの国籍は様々だ。
ただし、世界の全ユダヤ人が集まっても、その人数は一三〇〇万ほどで、東京一都市の総人口とさして変わらないくらいである。

人数は決して多くないのに、歴史上の重大発見であるとか、人類不朽の名作などはユダヤ人の手によるものが多い。
ピカソ、ベートーベン、アインシュタイン、マルクス、イエス・キリストなど、こうした人物は皆ユダヤ人である。

それ以上に重大なことは、欧米の名だたる商人の大半が、ユダヤ人であるということだ。貿易商として欧米で商売をしようとすれば、好むと好まざるとにかかわらず、ユダヤ商人を窓口とする以外にない。ユダヤ商人は、世界を支配しているといっても過言ではないのだ。

そんなユダヤ商人の相手をしてまず驚かされるのは、彼らの判断の確かさと速さだ。

ユダヤ商人は世界をまたにかけて飛び回っているから、最低二カ国語はマスターしている。自国語でものを考えながら、同時に外国語でも考えることができるということは、物事を違った角度から幅広く理解できることにつながる。自国語しかしゃべれない商人よりはるかに的確な判断が下せるようになるわけで、これができるユダヤ商人は、国際商人としては大変強い。

またユダヤ商人の判断が迅速なのは、彼らが暗算の天才であることによるものだ。例えば、日本の工場の係員が、工員の月額給与から一時間当たりの賃金を計算するのにたっぷり二、三分はかかるところ、ユダヤ商人はあっという間に答えを出したりしてしまう。それどころか二、三分あれば、生産能力や原料費の数字まで入れて、生産物一つあたりの儲けまではじき出してしまうのである。

おそるべしユダヤ人ですね。
ユダヤ人の教育や背景が気になりますよね。
そんなユダヤ人の成り立ちについてここからは解説していきます。

チャプター3!契約は神様との約束

ユダヤ商人は、いったん契約したことは何があっても破らない。それだけに、契約の相手方にもその履行を厳しく迫り、そこに甘えやあいまいさは許さない。

これは、ユダヤ人が信奉するユダヤ教が、「契約の宗教」ともいわれるところに象徴されている。ユダヤ教の教典、旧約聖書が「神とイスラエルの民の契約の書」とされているとおり、人間が存在するのは神と存在の契約をしたためであると彼らは信じている。神様と交わした契約を破るなどもってのほかであるし、それは人間同士の契約であっても同様なのだ。

だからこそ、ユダヤ商人にとって「債務不履行」という言葉は存在しない。債務不履行が起こったような場合には相手の責任を厳しく追及し、容赦なく損害賠償要求をつきつける。日本人はユダヤ人からなかなか信用してもらえないが、それは契約を守らないからである。

チャプター4!ユダヤ商法のバックボーン

本書ではユダヤ商法のバックボーンとなっている、ユダヤ人の考え方や歴史的背景、教育についても紹介されている。

ユダヤ人が人生の目的を問われたら「おいしいものを心ゆくまで食べること」と必ず答える。ユダヤ人が働くのは食べるためであって、ユダヤ人の最高の楽しみは、タキシードを着て最高級のレストランで贅沢な食事をすることなのだ。

約2000年にわたり、迫害され、差別され、しいたげられてきたユダヤ人ではあるが、一方でユダヤ教における選民としての誇りは胸中深く抱き続けた。そして金融業と商業を武器に世界に君臨する存在となった今、それで得た金力とユダヤ人としての誇りを誇示する絶好の機会が、贅沢な晩餐なのである。

ユダヤ人は晩餐にたっぷりと時間をかける。5分や10分で食事をかきこむようなことは絶対にしない。ユダヤ人はこの幸福を味わうためにお金を稼ぎだすのである。

世界で商売をするユダヤ人は、小さい子どもの頃から徹底した金銭教育を受けている。その例が、子どものこづかいだ。ユダヤ人の家庭ではだいたい、こづかいは月決めにも週決めにもなっていない。また、年長者の方が多いという形にもなっていない。こづかいの額は、同一労働同一賃金の原則の元、完全な能力給であり、歩合給なのだ。

例えば、「庭の芝刈りの手伝いで10ドル」「朝の牛乳を運べば1ドル」といった具合である。

またユダヤ人は、他人種や他民族の生活や心理、歴史に対しても専門家以上の好奇心を示して、その民族の裏側まで見ようとする。そのためには徹底して学習もしてくるし、わからないことがあればとにかく質問することを厭わない。

これは、ユダヤ人の長年の放浪と迫害の歴史からくる他民族への警戒心であり、自己防衛本能からくる悲しい習性かもしれない。しかしこうした好奇心が、ユダヤ商法の大きなバックボーンとなっていることは間違いない。

ユダヤ人との食事のときには、著者が自分の食事もろくにできないほどの質問攻めにあうという。汚れが目立つのに、なぜ日本のタビの色は白いのか。スプーンのほうが食べやすいのになぜハシを使うのか。ユダヤ人は納得するまで質問する。そして同様に、彼らは取引の場でも、納得してからでないと取引をしないのである。

チャプター5!儲けはイデオロギーを超越する

ユダヤ人にとって、資本主義や共産主義といったイデオロギーの違いは、どうすれば人間がしあわせになるかという見解の、ほんのちょっとした違いに過ぎない。キリストもマルクスも同じユダヤ人であるし、どちらも「人を殺せ」などとは言っていないと考えるのだ。

よってユダヤ人は、儲かる相手に対しては、その相手のイデオロギーや国籍は全く無視する。アメリカ系ユダヤ人もソビエト系ユダヤ人も、全世界に散らばっているユダヤ人同士で、常に緊密な連絡を取り合っている。そうしてアメリカ系ユダヤ人が、中立国スイスのユダヤ人を介して、ソビエト系ユダヤ人と自由に貿易するようなことまでも、当たり前のように行うのだ。

ユダヤ人の背景がすごいことが良く分かりましたね。
最後はそのユダヤ商法を駆使して日本マクドナルドがどのように功績を残したのかを紹介していきます。

チャプター6!ユダヤ商法とハンバーガー

最後に、著者の功績として良く知られている、日本マクドナルドの成功過程と、それから広がるユダヤ商法について触れていく。

著者とアメリカ最大のハンバーガー・チェーンのマクドナルドが50対50で出資して設立されたのが、「日本マクドナルド社」だ。著者が取締役社長に就任し、昭和46年7月、その第一号店が銀座三越の一階に開店した。

当初の計算では、売り上げ予測は三越側の一日15万円に対し、著者は30万円。ところがフタをあけてみれば、売上は連日一日100万円だった。キャッシャーも、製氷機械も、シェークマシンも、機械の能力の限界を超えて稼働したために壊れてしまうほどの繁盛だった。

一方で店内の広さは50平方メートルしかなく、これだけ繁盛してしまうと、売ることはできても全員に店内で食事をしてもらうことは不可能だ。しかし場所は銀座三越で、目の前を国道一号線が走っている。ハンバーガーを片手に三越からあふれ出た人たちは、この公道でハンバーガーを食べた。とくに日曜日には歩行者天国となるので、さながら公道がマクドナルドのレストランに一変したかのようだった。日本一地価の高い銀座の広い土地を、一銭の権利金も払わずに自分の店舗として活用してしまえるわけで、著者は踊り出したいほどであったという。

ただ、マクドナルドの開店に当たっては、懸念や引きとめの声を、実に様々な人から聞いたことも確かだった。「米と魚を食べる日本人に、パンと肉のハンバーガーなんか売れやしない」といったことなどである。

しかし米の消費量が年々減少していることは、数字上に見えていた。時代は変わりつつあり、日本人にもパンと肉のハンバーガーは必ず売れるという自信はあったし、実際に成功したのだから、そこは先見の明があったといえる。また同様に、三越にも先見の明があったということだ。海のものとも山のものとも分からないハンバーガーに対して、伝統あるデパートの一角を貸したことは、歴史に残る大英断といえる。

こうした先見の明は、既成概念にとらわれすぎている人には、絶対に備わっていないものだ。よって、脳みその中は常に柔らかくして、今持っている既成概念は吹っ飛ばしてしまうことが大切だ。

マクドナルドは世界に2000軒のチェーン店を持っている。チェーン店の大半は、マクドナルド本社が買い取った土地建物の内部を改造し、さらに機械を据えつけた上で、それを約300万円の保証金をおさめた人に、二割の利益を保証して営業させている店舗である。日本全国にマクドナルドのチェーンを広げていくにあたっても、この方法にするつもりだという。

ただし保証金は形式的に10万円とし、脱サラリーマンを真剣に考えている人を、100人程採用する構想も練っている。その人たちにユダヤ商法と巨億の財産を保証して、国際的視野をもった新しい「ユダヤ商人」を生み出していくのもよいだろうと、著者は考える。

まとめ


本書からは著者の強烈な反骨精神がうかがえ、中には過激な主張もありました。
しかしそうした主張の根底にあるのは、日本人に国際スタンダードである「ユダヤの商法」的思考が大きく欠如しているがために、富が外国に流れてしまっていることへの強い問題意識です。
だから著者自身は強く「ユダヤの商法」を信奉しながらも、あくまで自分は日本人であり、日本にとって良かれと思って述べていることが推察される一端もあるのです。

全体をお読みいただくことで、世界をまたにかけて活躍する実業家としての著者の誇りがお分かりいただけると思います。

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