広がる世界
第五回 自然環境リテラシー学実習 10/29,30
実施場所:熊野市二木島
こんにちは、リンです。
自然環境リテラシー学最終回である漁業回に参加させていただきました。
最後の自然環境リテラシー学実習を、大いに学び、大いに楽しみ、二木島を肌で体感しました。
10/29
いつものJRに乗って約4時間。
駅に着いて、重い荷物を担いですぐそこのキャンプ地まで歩きました。
町はいわゆる漁師町で、右を向くと山の斜面に沿って並んだ家(おそらく空き家)と細い路地。左を向くと海と漁師の船。
前々回の菅島を想起させるような閑静な町でした。
ガイダンスを済ませると、今回の主題である漁業の説明を聞きました。
今回私たちが体験させていただいた漁法は定置網です。
大きな網を海に設置して入ってきた魚をとる受動的な漁法です。
環境には優しい分、獲れる魚が日によって違うため、収入が不安定であるとのことです。
グループ分けの結果、私は翌日朝4時に起きて漁をするグループになりました。
私たちのグループはまず櫓漕ぎボートをやる予定だったのですが、櫓が折れていて海に出られませんでした。
とても残念でしたが、舟の上からエイやハコフグが見えてよかったです。
その後キャンプに戻り、磯を歩いたあと、夕飯に使う焚き火をおこしました。
焚き火を起こすのは同じグループのメンバーに任せて、私はススキや枝木などの燃料を集めていました。
枝木を集める際に、細い階段や路地を通って山の方を軽く探検しました。
山のふもとから町を見下ろすと、密集した家の隙間を埋めるように軽く勾配のついた細い路地が並び、道路を挟んで向かい側の海には船が停まっていました。
人が住む町のこんなに近くに海があり、山があり、この町は人と自然が支えあって暮らしているのだなと感じました。
グループのメンバーの一人が焚き火を起こすのがとても上手で、ファイヤースターターでもすぐに火が付きました。
夕飯の時間になり、他のグループがとってきたキビナゴやアジを食べました。
昔からあまり魚の揚げ物が好きではなかったのですが、キビナゴの素揚げを食べた時は美味しくて驚きました。
幼い頃食べられなかったものが今になって食べられるようになって、ささやかな成長を感じました。
メスティンで白米を炊くのが苦手で、毎回失敗していたのですが、今回米のプロ(受講生のうちの一人)監修のもと初めて成功しました。
つやつやに光る白米を食べることができてうれしかったです。
翌日四時起きなので、当然早く寝なければならないのですが、全く眠くなかったので、夜釣りをしました。
釣りは父親と数回いったことがある程度で、そのときも準備は全て親にやってもらっていました。
薄暗い電灯の明かりしかない港で、この日初めて自分で糸に針をつけて釣りをしました。
釣果でいえば小魚数匹くらいのものだったのですが、それ以上の楽しさがありました。
周りに灯りが少ないおかげで星が綺麗で、流れ星も見えました。
その日初めて話した人と談笑したり、仲のいい友だちの話を聞いたりした11時半までの時間は、とても貴重な経験でした。
その後、宿でも友だちと軽く話をして、眠りにつきました。
10/30
朝三時に起き、四時に船で海へ出ました。
朝四時は町全体が寝ているような静けさがありました。
まだ頭が完全に活動していない状態で船に乗り、定置網が設置されている地点に着くまで空をボーっと見ていました。
海のど真ん中は港よりも灯りが少ないため、きれいな星や流れ星を見ることができました。
定置網の地点に着くと、漁師さんは網を掴んで船のモーターに取り付け始めました。
定置網を引き上げる手順としては、まず船のモーターを使って網の口を縛り、魚を逃げられなくします。
次に時間をかけて網を引き上げます。
私たちが手伝わせていただいたのは、その後で小さい網を使って魚をすくい、バケツにいれる作業でした。
正直、漁獲量はあまり多くありませんでしたが、漁師さんのリアルな働きを見て大変勉強になりました。
漁が終わると、日が昇ると同時に船で港に帰りました。
仕事が終わって朝日に照らされながら船の上で煙草を吸っている漁師さんの姿は、煙草嫌いの僕から見てもかっこよかったです。
漁が終わっても全く眠くならなかったので、また釣りをしていました。
早朝から釣りをしていると、時間の流れがいつもより遅いように感じました。
こういう時間を気にしない暮らしをしてみたいなと回らない頭で考えていたのを覚えています。
ゆったりとした時間を過ごしていると、昼飯の時間になりました。
私たちのグループがとってきたキビナゴと、もらったカジキのステーキを食べました。
カジキは初めて食べたのですが、肉と魚の中間のような食感で、とても美味しかったです。
午後はこの町の問題点や未来を考えるワークショップを行いました。
私たちの班は、この町の問題点と改善点について話し合い、意見交換をしました。
様々な意見が出る中で、私たちのグループは仕事場とこの町の二拠点生活をするという案が出ました。
この町にきて思っていた空き家が多いという問題も解消できるのではないかと考えました。
一つの町について、現状ある問題について正面から向き合うことは自分の町でもなかなかしないので、大変いい学習ができたように思います。
発表が終わり、解散した後、駅までの帰り道に見た町の景色は来た時の景色とは少し違って見えました。
海や船といった見たままの風景だけでなく、そこに住む人の生活も少し見えるようになったからかもしれません。
最後の自然環境リテラシー学がこの二木島で、このメンバーで本当に良かったと思います。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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