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TE@TER CHALLENGE 03はある意味締め括りに相応しい

前置き

みなさん、こんにちは。桜守歌織担当プロデューサーのジェノです。今回は先日発売された「THE IDOLM@STER THE@TER CHALLENGE 03」の「クルリウタ」とそのドラマパート「誰ソ彼ノ淵」について感想と考察書いていきます。流行りに乗って。いや、まだ考察できるほど実は聴き込んでいないのですが……。

発売から2日、TwitterのТLはこのTC03についての話題で持ち切りで、もうちょっと経ってから買おうと思ってた私もすぐ買いに走りました……。凄かったです、いろいろ。今トップ画像にしてる千鶴さんのカードイラストも自分で設定しておきながら見ていると何とも言えない気持ちになります……。マジで無理な人は無理なやつだと思うので聴かない方が身のためってツイートもちらほら……。

ここから下はネタバレを含むので、まだ聴いてない方はブラウザバックをお願いしますね。絶対ネタバレやら前評判やらに手をつける前に聴いた方が楽しめるので。





1.ざっと感想

これをアイドルのCDとして世に送り出すとか正気か?

一言で言って人間の心のない話でしたね。よくもここまでやってくれたなミリオンライブ。こんなのりっくんに見せられるかいばかやろう。しかもミリラジでは「よくこれOK出ましたね……」ってテンションのスタッフさんを見たという話も飛び出しましたし。

死ぬにしても地獄、生き延びるのも地獄。道理と欲望の板挟みです。最低。

ちなみに私はホラーは苦手です。見たいんですけど、体が受けつないようでダメなんですよね。

今回は次々に人の死の事実だけが耳に入ってきて、いつもなら恐怖や悲しみで泣いたり最悪リタイアしたりしてしまうんですけど、そんな感情を覚える間もなく、というか感情がついていけないまま淡々と物語が進んでいきました……。ただただ惨かった。
そして時間差で話を整理しようと思い出すとじわじわと恐ろしさが効いてきます。ご飯が食べられなくなるCD。

そういえばイベント開催時、Twitterでは早速「律子」と入力するとサジェストに「肉」と出てきて、ひぇっとなりながらまさかねぇ……と笑ってましたけどまんまその通りでしたね。惨い。

あ、ここから下はクソ長メモなのでご注意ください。


2.本編の内容

とりあえずドラマパートのまとめをね……。

生徒の茜やエレナ、引率の歌織先生や教育実習生の律子先生たちが乗っていた自然学校に向かう船は落雷によって、海に投げ出され気がついた時には孤島に流れ着いていた。
孤島には立派な屋敷があり、屋敷には主人の千鶴、娘の伊織、メイドの志保が住んでいた。千鶴の計らいで本土からの救助を待つ間4人は泊めてもらえることに。しかし、一晩経った翌日、律子が行方不明になっていることが分かる。頑なに律子を探しに行こうとする歌織に対して、千鶴は許可できないと止める。
そしてその日の夕食後、屋敷の中を歩いていた歌織は、ついに見てしまったのである。灯りの漏れていた部屋の中で、志保が伊織を切り刻んでいるという異常な光景を……。
こんな所にいてはいけない、早く島を出なければ。山の中を必死に走る茜、エレナ、歌織。ぬかるんだ地面で足を滑らせた歌織の前には木に吊るされた無惨な状態の律子の死体、その下の血溜まり、そしてナイフを持った志保。先生の最期の一言、足を止めてはだめと、茜とエレナは無我夢中で逃げる。しかし、逃げても殺される宿命に足を止める2人を無情にも志保のナイフが襲った。茜は悟る。
「私はきっと、死ぬんだなって、思った」

あー、もう嫌(白目)。これだけでもう本編聴いてしまった今、嫌すぎる。CD発売前にもみんなが予想してた展開もあったかと思いますが、演出やアイドルの演技が相まって、さらにエピローグがプロローグというとっても気持ちの悪い、後味の悪いバッドエンド。スッキリしない。最悪(褒め言葉)。本編を聴いたからこそ分かってしまう「クルリウタ」の歌詞の意味で鳥肌でした。


3.孤島サスペンスホラーという謎

ドラマパートを一通り聴いて今回のTC03のテーマ「孤島サスペンスホラー」ってなんだろう? ジャンル間違ってない? って私は疑問に思いました。孤島については特に語られず、サスペンスでホラーというには結構グロい表現が強めで、人が人を殺す手口は分かっていたりカニバリズムだったり、ちょっとニッチな設定もりもりで、どちらかというとこれはスプラッターでは? なんて思ったりもして。あんまり詳しくないので間違ってたらすみません……。

突然ですが(本当に突然)、最近高校の現代文の授業で「山月記」を習いました。知ってる方は分かると思うのですが、「李徴はなぜ自分が人間から虎になったのか分からない。思い当たることはあれど、虎になった理由ではない」って部分がありますよね?

もしやこれが「孤島サスペンスホラー」に対しても言える「不条理」ではないか? と、何度か聴いた後に思ったんです。

ホラーといえば人外の存在が人を追い詰めていく話という認識の中に、「人が追い詰められる際にそこに理由があるかないか」が大事で、個人的に「理由はない(=不条理)のに襲われる」方がより恐怖を感じさせる気がするんですよね。そして、本作はこっちだったのではないでしょうか。

本作でいう不条理は「孤島」だったり「二階堂千鶴」だったり、あるいは「エピローグの茜ちゃん」だったり。特に深く語られなかったこれらについて「ここはどういう場所なのか?」、「なぜ多くの人がこの島で殺されてしまったのか?」、「この人はどういう人なのか?」と推理することがサスペンスにあたるところなのかな、なんて思いました。

……単純に尺の問題もありそうですけど(汗)。

ちなみに、この「誰ソ彼ノ淵」のシナリオに関わっている、ミリオンの靖子にゃんと一部から呼ばれているらしい青木朋子氏もTwitterで意味深なことをツイートしていらっしゃったので気になるところ。青木朋子氏のTwitterアカウント


4.登場人物

だいぶ話が逸れましたが、「誰ソ彼ノ淵」本編の登場人物について思ったことを書いていきます。

主人公:茜(野々原茜)
TC03に出てくる登場人物と演じているアイドルのギャップが1番あって違いが出ていましたね。主にテンションが。友達思い、家族思いで勘が鋭く、律子さん同様どこかこの島はおかしいと内心思っていたのは元々の野々原茜の賢さからでしょうか。しかも律子さんが殺される夢を見てしまうほど。相当の勘の良さ。
途中で千鶴さんにここに残らないかと言われた時、茜ちゃんは真っ先に帰りたいと答えました。あれは見知らぬ土地に残ることへの不安、帰って家族に会いたいという気持ち、何にしても等身大の女子高生だというのが現れていて良かったです。ここで残ると言っていたら生存ルートに繋がっていたんでしょうね。ただし茜ちゃんのみ、何も知らずに生き残る。茜ちゃんを当初伊織ちゃんの立ち位置だった「娘」、もしくは自分と同じ立ち位置「屋敷(孤島)の主人」に置きたいと思って、千鶴さんは声をかけたのではないかと勝手に推測。結局エピローグでは空いた「娘」の位置に茜ちゃんは立たされました。つらい。延々繰るり怨狂り。
コミュでは帰りたくないと言っていた茜ちゃんが、劇中では真っ先に帰りたいと口に出すのは対比させているんですかね?


友達:エレナ(島原エレナ)
エレナちゃんはあまり普段と差がなかった性格だったので最後の方は余計にきつかったですね……(そもそもこの話で役名にそのままアイドルの名前持ってくるの畜生か?)。
最初の恋バナやクラスの子を心配して泣いてしまう茜ちゃんを励ましたり、屋敷の中を探検したり、そんな微笑ましい姿が最後になってあんなふうになるのを耐えられる担当Pなんていないと思うんですが? しかも最後の最後まで、森の中を逃げている時も「アカネがつらそう、大丈夫……?」って茜ちゃんと同じく他人のことを気にしてるんですよね。苦しい。悲鳴がとても気合い入ってて聴くの嫌だった(褒め言葉)。
コミュで「アカネを助けられるのはワタシしかいないでしょ?」とか言ってたのが今になって効いてきてめっちゃ苦しいです。


先生:歌織(桜守歌織)→はぁぁぁ~~~………。担当アイドルびいきになってしまう感じで申し訳ないんですけど、このTC03で1番つらい役どころじゃなかったですか……? 律子さんのことも茜ちゃんやエレナちゃんのことも、どちらも助けたいという思いが強すぎてジレンマを抱えて、しかも両方とも叶わない、しんどかった……。自分の最初の教え子を探しに行くのを止められて、子どもがバラバラにされるところを目の当たりにし、逃げている最中に行方不明になっていた教え子の死体を見つけ、死んだ後も生徒の前に見せしめとして扱われる………。酷すぎる……。普段の歌織さんからも生徒思いの優しい先生像は伺えるのでとても心に来ましたね。


女主人:二階堂千鶴→この劇中で1番謎の人物。島の主であること以外ほとんど何も分からないために1番考察、というより想像する必要のある人でした。しかも終始感情の起伏がないのでとても怖かったです。言葉を発するだけで妖しい。千鶴さん、すごい……。いい役でした。
まずプロローグの伊織ちゃんの食事のシーンで流れているラジオですね。「40年前の海難事故」という気になる言葉が出てきますが、これは茜ちゃんたちのように千鶴さんが島に流れ着くきっかけになった事件のことでしょうか。それとも40年前の事故の被害者までも食べてしまっているのでしょうか。
分かりません。少なくとも40年以上も島で生活していると仮定すると、あの美貌を保つのは普通の人間では不可能ではないかと思います。
そんなわけで私の中では「二階堂千鶴は人間ではない説」が浮上してきます(メタ)。
この説の通りなら「食事」だったり「人間の死」だったりを濃く描写する本作で、「不老不死」、「永遠の命」の存在は圧倒的な強い立場で、食物連鎖の弱者と強者の差を非常に強く印象づけることができますね……。

次に伊織ちゃんに関しての言動ですが、冒頭から「食料は何よりも貴重なもの。大切に頂かなくてはね」と叱り、茜ちゃんたちには「私の娘」として紹介をして、最終的には志保に始末させます。最初のセリフはまだしも他の言動から見ておそらく伊織ちゃんは本当の娘ではないし、始末させたのはもう要らなくなったから、と考えるのがしっくり来そうです。プロローグの前から茜ちゃんたちにお墓が見つかるまで、伊織ちゃんは千鶴さんの意にそのまま従う子ではなく、崖っぷちだったところでお墓の話が出て千鶴さんの琴線に触れたのでしょう。お墓でなぜそこまで……とも思ったのですが、「娘」として迎え入れた今、伊織ちゃんの家族は千鶴さん以外いないことになってるんですよね……。自分以外の弔いを許さなかったのでしょうか……。単純に孤島についての秘密がバレるきっかけになりかねないからでしょうか。どちらにせよとんでもねぇ継母だ……。

千鶴さんはどのタイミングで女主人になったのか分からないのでただの妄想ですが、もし最初から不老不死の身で主人としていたとするなら、「娘」として伊織ちゃんや茜ちゃんのように島に流されてきた人間に人肉を食べさせ、傍に置いて育てている。もし人間の身で島に流れ着いたとするなら、自分も同じように「娘」として前の主人に育てられ、狂ってしまった。こんなふうにも考えられたり……だいぶ残酷な話だけど妄想が捗ってしまう(小声)。


メイド:志保(北沢志保)
この役もだいぶ拗らせてますよね……。
志保ちゃんも終始感情の揺れも何もなく、ほぼほぼロボットのように肯定一つで動いていて、おぉ……EScapeの時よりも感情出てこない役じゃん……ってなりました。
ですが、最後の方では「大人しくしていれば生き残れたのに」だとか「叱られる」だとか、少し感情の見えるセリフを残していて、志保ちゃんももしかしたら元々は茜ちゃんや伊織ちゃんのように「娘」のポジションにいたのかもしれません。一向に心折れなかった伊織ちゃんは始末されてしまいましたが、志保ちゃんの心は途中で壊れてしまい(壊れたフリをしている?)、従うようになったので生きている。生かされている。一度叱られた結果が眼帯の下、おそらく眼球はもう……。
なぜメイドに? という疑問の理由付けもまた推測ですが、傷物になってしまった志保ちゃんは「娘」の立場から下ろされ「メイド」に降格したのではないかな、と思います。千鶴さんが完璧主義的なのを拗らせているような人物なら尚更……。



教育実習生(ゲスト):秋月律子
基本的にはしっかりみんなの面倒を見る役割にいる律子さんが歌織先生の最初の教え子という設定はとても良かったですね。しかも疑い深くて早く早くと生徒の安否の確認と救出を急ぐばかりに最初の犠牲者になってしまうのも個人的に解釈一致で嬉しかったです。
しかし、まあ……まさかはらわたを処理され、木に吊るされ……マジの食料としての扱いをされてて、げんなりしました(汗)。


女主人の娘(ゲスト):伊織(水瀬伊織)
伊織ちゃんも言わずもがな水難事故から島に漂着して、犠牲者になってしまった1人ですよね。プロローグのラジオでは「3ヶ月……」と流れていたので、志保ちゃんか伊織ちゃんは3ヶ月前に島に来たんでしょうかね。
聴き終えてすぐ「誰ソ彼ノ淵」のネタバレを読んだ時、ほとんどの人がオレンジのガーベラの花言葉と「オレンジ」色に注目していて、うわぁ…………ってなりました、どんなやよいおりだこのやろう。
心が最後まで折れなかったのは普段の伊織ちゃんの性格からですかね。こちらも処理されている時の音がガチすぎて……チェーンソー……うわぁ…………(白目)。他の場面でもやけに粘着質な音と金属音、刃物の音鳴るし、今回新しく作ったBGMも使われているそうなので、もう本当、心臓に悪かった……。


5.小ネタ?

伊織ちゃんのところでも書きましたが、オレンジのガーベラのようにこの「誰ソ彼ノ淵」では様々なところに考察させるような要素がありましたね。時々聞こえるラジオや虫の羽音、カードイラストの蝶、もちろん「クルリウタ」の歌詞や映画のタイトルである「誰ソ彼ノ淵」もまんまこのストーリーを紐解く上で大事な要素でした。
やっぱり毎回思うんですけどミリオンのドラマパート、尺足りねぇ! って思うのと同時に考察するための情報は散りばめられててすごい! ってなるんですよね。調べたり考えてみたりすると面白いかもです(これ以上タラタラ書くと長すぎるので省略)。


6.まとめ

とんでもないものがTHE@TER CHALLENGE!!の最後に来てびびってます、本当に。色々あって前後した中、もしかしたら1番最後になったからこそこんな素晴らしい出来になったのかなとも思えますね。

アイドルと声優さんたちの本気が凄かった……。泣き声悲鳴嗚咽多すぎ、最初からとか心臓止まるわやめろ…………シナリオも曲も本気だった……怖い…………。
約1年前に聴いた夜想よりも、「エピローグがプロローグ」、「後味の悪さ」、「人に勧める時の敷居の高さ」を更新してきた……怖い…………。

それにしたって順当に来てたら、孤島サスペンスホラーの次におとぎの国は頭おかしいだろ、としか言えません。私の担当アイドルの3人は、ジュリアはTA02、菊地真はTC02、そして桜守歌織はTB02、TC03と投票企画のCDに参加してるわけですけど、ジュリアも真も次々に人が死んでいきそうな内容なテーマだなって本編聴く前から思ってたのに、まさかここまでサスペンスホラーがダントツで死体の数を増やすとは……しかも担当アイドル(の役)がついに死んでしまったし……。そもそもT×シリーズで今回1番尖ってましたよね、02も。TAがめちゃめちゃ可愛く見えてくる……。

聴いてすぐ受けた衝撃を忘れないように今回もめちゃめちゃな、自分が見返す記録用の雑な文章になってしまいましたが(ミスリードな考察ばっかで申し訳ない)、TC03、ミリオンライブの凄いところがたくさん詰まったCDなのでみんなに聴いてもらってどんどん話題になると嬉しいなって思いますね!!(ただし聞ける人を選ぶCDなのは間違いない)

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