終わりよければ最高!

 頭が割れるようだった。昨日の失態を思い出しながら、キッチンへ行き、蛇口に口をつけて水をがぶがぶと流し込んだ。下らねえ仕事に下らねえ奴ら、いっそぶっ殺しちまえばせいせいしたはず。あんなことが起きるなんて、誰に予測できる? 俺のせいじゃねえだろ、誰にも防げねえよ、あんなアクシデント。
「あら起きたの? 何があったのか知んないけど、アタシの身体にぶつけないで欲しいわね、もたないわよ、ホント」
 二週間ほど同棲している女がにやにやと笑う。
 けっ、名前も覚えちゃねえけど、のけぞった首筋の美しさは今もはっきり目に浮かぶぜ、

的な描写を長々と続けて、最後家に帰ると、暖色の風景、炬燵に温かい湯気、
「お帰り、あんた。好物だったろ、これ?」
と、卓上コンロの土鍋の蓋をばかりと開けると完璧なもつ鍋。

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