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個人的な結果をだしていく

ブンデスリーガが再開して2週間ほどたったけど、フィジカルコンディションのレベルはリーグ全体的にみて落ちていると思う。2ヶ月近い中断期間があり、リーグ再開が決まってから本格的な練習をする時間が短かったことも影響しているのかもしれない。

ただ、個人的なコンディションやプレーのフィーリングは良い。これまでnoteにも書いてきたようにリーグ戦の中断期間中にやってきたことの成果も出ていると思う。

リーグ戦が再開するうえでの様々な規制やルールについては、報道などで知っている人も多いかもしれない。かなり細かいルールがあり、普段よりも不自由なことも多いのだが、個人的にはそれほど気にならない。例えば、再開初戦の前にホテルで1週間ほど隔離生活を余儀なくされたが、自宅で食べているような食事もとれず、自宅で行えるようなトレーニングやストレッチなどもできなかった。

もしも僕がもっと若かったら、そうしたことにストレスを抱えていたと思う。でも、今は違う。自分が良いプレーをするためにはどうしたらよいのか、自分のコンディションを良くするためにはどうすればよいのか、といったことにフォーカスしていたため、ピリピリすることなく過ごせている。

最近はトップ下の位置でプレーすることが多いのだが、プレー面に目を向けると、自分の周りにどういうスペースがあるかを上手く認知できるようになってきた感覚がある。その要因についてはまた別の機会に書けたらなとも思っているが、認知力が上がってきたことで、身体の向きや、味方へのサポートの種類についても以前より意識してプレーできている。

そして、その積み重ねがあるからこそ、以前より多くのチャンスに絡めている。それを示すのが、スコアポイントというデータだ。ドイツでは得点やアシスト(PK獲得を含む)など、直接ゴールに絡んだ数をスコアポイントという数字で表す。再開してから最初の4試合で僕は3スコアポイントを記録しており、コンスタントにチャンスに絡めているのは数字にも表われている。

ただ、チャンスの数を考えれば、少なくともあと2つくらい多く記録したかった。今の僕が改善すべきなのは、ゴールを決めるためのプレーだと思う。

ここまでのパフォーマンスを振り返ってみると、シュートをふかしてしまっているシーンが少なくない。調子も良く、身体が動いているからこそ、シュートまで行けているのだが、最後にふかしていまっているようではもったいない。シュートを打つところでどれだけ落ち着けるのかが大事になってくる。

これまでの自分のシュートについて振り返ってみる。

特にブンデスリーガでは、打てるタイミングを逃したくないという意識が身体にしみついており、それがシュートを決める際の足かせになっていた気がする。

ブンデスリーガで対戦するチームには世界中の代表選手がゴロゴロいて、身体も大きい。そういう選手を相手にしたときには、シュートを打てるようなタイミングはそれほど多くない。そのタイミングを逃してしまうと、シュートコースを消されたり、身体を寄せられたりして、シュートに持っていけないことも多くなる。特に、2014年の夏に初めてブンデスリーガでプレーするようになった時期には、そのレベルに驚いた。そうした環境でプレーしてきたから、「シュートを打てるタイミングを逃したくない」という感覚が自分のなかに染みついているのだと思う。

その結果、いわゆる「決め打ち」をしてしまうことが多くなっていた。シュートを打つ前の段階から、どのようなシュートにするのかを決めている状態だ。だから、シュートを打つギリギリのところで最善の判断が出来なかったり、シュートを打とうという意識が早い段階から頭にあるために力んでしまい、良いシュートを打てなくなってしまう。

ただ、今はリーグ全体としてフィジカルコンディションのレベルが下がってきているし、自分の調子も良いからこそ、状況を客観的にとらえて、大胆なプレーをするべきだと思っている。そういうプレーの先に、新たな景色が見えてくると思うからだ。

これまでの自分のゴールを振り返ってみると、よくわかる。

例えば、ロシアW杯の決勝トーナメントでのベルギー戦。(柴崎)岳のスルーパスに抜け出したあと、相手のセンターバックの選手がものすごいスピードで背後から追いかけてきていたのがわかった。

だから、ペナルティエリアに入ったところで、一度止まることを考えた。相手が慌ててスライディングにくれば、内側に切り返して、左足でシュートを打てると考えていた。

しかし、相手選手が近づいてきたものの、スライディングをする気配がなかったから、そのまま右足でシュートを放ち、それが左下隅に決まった。

もしも、事前に、“絶対に”切り返してからシュートを打とうと思っていたら、相手にブロックされていたはずだし、切り返さないでシュートを打つと事前に決めていたら、最後の瞬間に力んで、ミスキックになっていたかもしれない。

あるいは2016年の10月、ロシアW杯予選のアウェーでのオーストラリア戦。(本田)圭佑くんからのパスを受けた僕は、ペナルティエリア内に進んでいきながら、複数の選択肢が頭のなかにあった。そのまま進んで、相手ディフェンダーがついてこられなければ、左足でシュートを打つ。相手ディフェンダーが予想以上のスピードで来たなら、左足で切り返して、右足でシュートを打つ。その2つだ。

実際には、相手はついてこられなかったので、そのまま左足でシュートをうち、ゴールネットを揺らした。

事前に「決め打ち」してしまうと、力んでしまう。そして、力むと良いシュートが打てない。これまでの経験からすると、代表戦のほうが力まずに打てることが多く、ブンデスリーガでプレーするときのほうが堅くなっていたような気もする。ヘルタ時代に、ゴールが欲しいのに取れない時期が続いたことが、トラウマのように苦い経験となって残っているからなのかもしれない。

それを克服するためにも、今は絶好のチャンスだと思う。幸いにして、コンディションも身体のキレも良いからこそ、相手が身体を寄せてきても焦ることはない。ゴール前で最善の選択をできるようになっていきたい。
どの種類の球種で打つのか、ラストパスの方が確実に得点につながるのか。またはもう一度ドリブルに切り替えてもっと深くまで侵入していって打つのか。個人的には調子もいいので、ドリブルでゴールの近くまで侵入していくのも面白いトライになるのかなと思っている。

リーグが終盤になってきているからこそ、1部昇格のチャンスや3部降格の危機とは無縁のチームなどは目標を見失いがちだ。だから、今まで以上にオープンな試合も増えてくるだろう。

そこで漠然と試合をこなすだけなのか、それとも明確な意図をもって試合に挑むのか。その違いが、来季のパフォーマンスに大きな差を生む。だから、僕はこの期間で自分の課題を克服して、さらなる成長の足がかりにするつもりだ。

残り4試合自分が結果を残せるか?どんな形で結果を出したか?そこにもフォーカスしてみてもらいたい。

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1991年5月9日生まれ。 埼玉県熊谷市出身。ハノーファー96所属(ドイツ/2.ブンデスリーガ)。