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今、するべき事

通常は「8」のつく日に、記事をアップすることになっていたけれど、今回は特殊な状況なので、18日にアップされるのを前倒してnoteに投稿することにした。

まず、書かないといけないのは、ハノーファーから発表があったとおり、ヒューバースとホルンという2人のチームメイトが新型コロナウイルスの検査で陽性になってしまったということ。

彼らと彼らの家族のことを考えると心が痛い。ただ、彼らもSNSで元気であると投稿していたり、いまのところ何か特別な症状は出ていないそうなので、悪化しないことと、回復に向かうことを祈っている。

そして、それによって、彼らと接する機会の多かった僕らは

3月12日から14日間

の自宅待機を命じられた。

一切の外出が禁止されている。僕は妻と2匹の愛犬と一緒に暮らしているが、妻とも2メートル以内の距離に近づかないように指示されている。

僕は検査を受けて「陰性」という結果が出た。

ただ、現在の基準では、検査から14日間にわたって症状が出なかったときに、陰性という検査結果が確定するみたいだ。

だから、僕らはそれまで自宅で過ごさないといけない。3月14日のホワイトデーで自宅に待機を始めて3日目となった。

もちろん、油断はできないけれど、僕は元気そのものだ。

日本にいるときからそうだけど、手洗いとうがいは欠かしたことがない。

プロになって1年目か2年目に一度だけ胃腸炎で練習を休んだことはあるけれど、少なくともそれから約10年間は、病気やコンディションの問題で練習を休んだことが一度もない。健康な身体で生んでくれた親に感謝しているのはもちろんだけど、それはちょっとした誇りでもある。


とはいえ、ずっと自宅で過ごすことになるというニュースや僕のSNSを見て、退屈するのではないか、相当にストレスがたまっているではないかと心配して連絡をくれる友人や知人がたくさんいた。もちろん、ファンのみなさんも。

確かに、青空の下で走ったり、サッカーをしたいという想いはあるし、それがダメでも外のフレッシュな空気を吸いながら、うちの愛犬たちと散歩に行きたいという気持ちはある。

でも、意外なほどにイライラするようなことはない。

自宅待機を命じられて、帰宅したあとに、最初に考えたのは……

『どうやったらコンディションを落とさずに済むだろうか?』

ということだった。

まず、妻にサッカーボールを買ってきてもらった。

そして、以前から買おうと考えていたトレッドミル(スポーツジムなどにも置いてあるランニングマシーン)を注文した。

自宅待機2日目にして早くもそれが届いた。

ハノーファーの家には、トレーニングルームが一部屋設けてあった。

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マットを敷き、懸垂などのできる器具やダンベルなども置いてある。普段はこの部屋でストレッチや簡単なトレーニングをしている。

幸せなことに同世代の人と比べれば広い家に住ませてもらってはいるのだが、そうはいっても20畳とか30畳のトレーニングルームなわけではない。

10畳ほどだろうか。トレッドミルはかなりのスペースを取ってしまうので、トレッドミルを買うか、機能性は落ちるものの、省スペースになるエアロバイクにしようか悩み、決断できずにいた。ただ、この機会にその迷いは吹っ切った。やはり、機能が大事なのだ。

自分の身体のコンディションを測ったり、維持したりするうえではトレッドミスは最適だ。屋外を走っていても、マラソン大会にでもでないかぎり、自分の走るペースを測るのは難しい。トレッドミルは床の部分が動いてくれるから、自分が目標とするペースで走るのを可能にしてくれる。

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もちろん、事前にドクターや、パーソナルトレーナーとしてお世話になっている谷川聡先生とも相談している。もっとも避けるべきは身体を動かしすぎて、疲れがたまって免疫力を落としてしまうこと。だから、マラソンみたいに長い距離を走ることはないし、この14日間をつかって、肉体改造に取りくむというようなことはできない。

イメージとしては、適度に走り、身体を動かすことで、コンディションをなるべく維持することが目標だ。1月末にウインターブレイクがあけてリーグ戦が再開してからは、コンディションの良さを日々、実感していた。それを落とさないようにしたい。適度な運動が健康にも良いということは言うまでもない。

それに加えて、オンライン英会話の授業を大幅に増やすことにした。僕はSkypeを使って、先生とマンツーマンで勉強をしている。

2008年の1月からドイツでプレーしている長谷部さんのようにドイツ語が流ちょうに話せるわけではないけれど、ドイツにきてから6シーズン目を迎えて、普段の生活やサッカーでは困らない程度にドイツ語を話せるようになった(もちろん、ドイツ語のレッスンは今も週に1回のペースで継続している)。だから、昨年の11月から英語のレッスンを始めた。これまでは週3回のペースで授業を受けていたのだが、自宅にいる14日間は毎日、受講することにした。

ただ、英語のレッスンをしていると書くと、「原口は今シーズンが終わったらイングランドやアメリカへ移籍しようとしているのか?」と言われそうだが、そういうわけではない。

以前から英語を話せるようになったら楽しいだろうと思っていたし、他の国に旅行に行ったり、ドイツ語の話せないチームメイトがいたときにも、英語は役に立つ。

というか……

英語が話せるようになって損することはおそらくないと思う(笑)

そんなわけで、意外と充実した時間を過ごせそうな気もしている。

そもそも、サッカー選手は、アスリートのなかでも特に、時間に余裕がある。

たいていの場合は、試合も週に1回だけ。個人的なトレーニングもあるし、チームの練習が始まるよりも前にいってストレッチなどをする時間もあるけれど……それらを全部含めたとしても、一般のサラリーマンの人たちよりも、はるにか長い時間を、自分の思い通りに使える。もちろん、ダラダラとゲームをしたり、YouTubeを見ているのも自由だ。

でも、チームの練習と試合以外の自由な時間を大切にしなければいけない。こんな状況だからこそ、そんな想いがより、強くなった。

最終的には、「本当に退屈な14日間だった」と感じるのではなく、「想像していた以上に早く終わった14日だった」と思えるようにしたい。

そんなわけで、僕は希望に満ちていて、今日も元気だ。

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