一年を振り返って

今は、例年とは違う年末を過ごしている。

普段の年末と言えば、クリスマス前にブンデスリーガがウインターブレイクに入るのにあわせて、日本へ帰国する。そして、日本でお正月まで家族とゆっくり過ごして、年始にドイツへ戻ってくる。そこからスペインなどの温かい国で冬のキャンプに取り組んで、1月後半から再開するリーグ戦に備える。

でも、今シーズンはリーグ戦の開幕が1ヶ月近く遅くなったこともあり、ウインターブレイクが大幅に短くなった。僕らの場合は12月23日に年内最後の試合があり、その翌日にチームでミーティングとPCR検査を行ない、そこからわずか4日間のクリスマス休暇が与えられた。年始も1月3日からリーグ戦が再開するため、すでに練習が始まっている。

クリスマスをドイツで過ごすのも、新年をドイツで迎えるのも、ドイツに来てから7年目のシーズンで初めてのことだ。

リーグ戦もここまで13試合を消化しただけ。全34試合の半分も終わっていない状況だから、長い1年が終わったという感覚はあまりない。

ただ、それでも本当に色々なことが起きたのが、2020年だったから、このタイミングでそれを振り返りつつ、新しい年への思いを書いていきたい。


やはり、この1年は新型コロナウィルスの影響で、それまで当たり前だったものが当たりまではなくなったとことが大きかった。

サッカーと関係することでいえば、満員のスタジアムでやるのが当たり前だった状況から、限られた観客が入場を許される試合から無観客での試合まで、様々なケースを経験した。他にも、寄付や社会貢献など、サッカー選手にはどんなことができるのかについて考えさせられることもあった。

今のドイツの状況は、コロナ禍に入って、本格的なロックダウンに突入したばかりのころと同じような状況だ。街に出ても空いているのは薬局やスーパーくらい。ただ、それでも幸いなのは、僕らは練習や(無観客での制限付きではあるが)試合が行えていることだ。ありがたいことだと思う。

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