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サッカー選手の語学力

今回は「海外で活躍するサッカー選手と語学」がテーマだ。ドイツ語が僕のサッカーにどんな影響をもたらしたかについても書いていく。

海外でプレーする選手が、その国の言葉をどれくらいのレベルまで習得したいと考えるのか。選手によって考え方は様々だが、おおまかには2通りのタイプにわけられる。

一つは、サッカーをするのに困らないレベルの語学を身につけようとするタイプだ。

このタイプの選手が目指すレベルは、以下のようなものだ。

監督の指示を理解できる。チームメイトとサッカーに関係することや日常のコミュニケーションが取れる。チームの規則やスケジュールなど理解できる。

数年以上ヨーロッパでプレーしている選手のほとんどは、このレベルに達していると思う。かつての僕も、その1人だった。

もう一つは、母国語に近いレベルでコミュニケーションがとれるまで勉強しようとするタイプだ。

そういう選手はチームでキャプテンを任されたり、リーダー的な立場になったりと、普通の外国人選手よりも一段上の信頼関係を周囲と築けていると感じる。例えば、吉田麻也選手や長谷部誠選手や酒井高徳選手などがそうだ。

以前、こんなことがあった。

僕と高徳は代表戦のために日本へ向かうとき、同じ便に乗り合わせた。当時はドイツでプレーしていた高徳は機内でもドイツ語の勉強をしていたのだが、その内容を知って、僕は驚いた。当時の僕にはとても理解できないような、ビジネスで必要とされるレベルの勉強をしていたからだ。

当時の僕は、高徳のような語学力を持つ選手をリスペクトすると同時に、うらやましく感じる部分はあった。

でも、彼らのように勉強しようとまでは思わなかった。あのころの僕はすでに、普通にサッカーをするだけであれば不自由することのないレベルでドイツ語を理解できていたから。

そんな僕が、彼らのようなレベルを目指そうと思ったのは、一年ほど前のことだ。

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